7月9日のMV-22オスプレイの緊急着陸に関して、各社が大きく報じている(毎日jp)。これから在日米軍に配備される機種で安全性に関心がもたれているから当然ではあるが、航空機の緊急着陸が頻繁である事も併記しないと不安を煽るだけかも知れない。
そもそも緊急着陸(イレギュラー運航)は、平成13年度~平成22年度に年間平均295.7件発生している。民間航空会社を除いても81.2件だ(航空輸送の安全にかかわる情報(平成22年度分))。無理して飛ぶよりは安全性を優先するので、イレギュラー運航は少なく無い。
ヘリコプターの緊急着陸の報道も多く、7月10日の旭川空港のMD900、2011年9月22日の四国航空のAS350B3、2010年8月28日に北海道福島町で自衛隊機(CH-47J)、2010年8月8日に天草空港の自衛隊機(CH-47J)、2008年2月19日の福岡県志摩町で自衛隊機(CH-47J)など検索すると大量に出てくる。米軍機の緊急着陸も多く、2011年2月10日平塚市中堂のSH-60B、2011年2月3日寒川町宮山のSH-60F、2008年6月11日の相模原市水郷田名のUH-1N、2010年12月8日のHH-60などが検索したら目に付くところであろう。
沖縄などのオスプレイの配備に関して言えば、現行機のCH-46と比較しないと意味が無い。V-22とCH-46の安全性比較では、V-22の方が良好だと考えられている。オバマ大統領がイラクで利用しているぐらいは、現在では信頼されている(2分20秒~)。
なお、沖縄タイムスがMV-22のクラスA*1事故率が1.93でCH-46は1.11だと報道していたが、これは近年のCH-46がMV-22にとって替わられて運用時間が短くなっている期間のものだ。通算のCH-46の事故率は5.74に達している。
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*1全損もしくは100万ドル以上の損害/乗員に死亡もしくは後遺障害が残る事故(Naval Aircraft Mishap Severity Classes)。
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