経済評論家の池田信夫氏が「原子力規制委は原発を危険にしている」で、政府と原子力産業の利害関係が一致していると主張しているのだが、利害関係が一致していたら、規制など何も要らない事になる。経営側がリスク選好的になりがちだから、色々な産業で安全規制があるのだが、よく理解できていないようだ。また、バックフィットに関して引用無しの独自理論を展開している。
2013年2月28日木曜日
岩田教授のインフレ予測に関して
次の日銀副総裁と目されている岩田規久男・学習院大教授の「2014年の中ごろまでには2%のインフレターゲットを達成できるだろう」と言う予測に、やまもといちろう氏が注目している。掲載メディアに買い相場を作る意図があると指摘したいのか、予言を外れたときに揶揄するための準備なのかは分からないが、記録をとっても面白く無いかも知れない。インタビューでは消費税率引き上げの事は言及されていないからだ。
2013年2月26日火曜日
2013年2月25日月曜日
日銀理論が何かは知らないけれども、日銀理論が嫌いな人に薦めたいテキスト
ちょっとした切っ掛けで手にとった学部レベルのマクロ金融理論のテキストであるModeling Monetary Economiesをざっと眺めてみた。日銀理論が何かは知らないけれども、日銀理論が嫌いな人に薦めたいテキストになっている。基礎的な、そして良く話題にあがるマクロ金融のトピックが自然な形で網羅されているからだ。このテキストの内容が現在の日本の状況に当てはまるとも思えないが、なぜ急進的なインフレ誘導政策が警戒される理由は理解できるようになると思う。
ゴキブリのコントロールにかける情熱
人家に大量に生息していて捕獲しやすく、さらに操作しやすいからだと思うが、コキブリのコントロールがブームになっているようだ。
ノースカロライナ州立大学の研究者はセナガアナバチのように電極を突き刺して操作する技術を開発し(North Carolina State University)、ブリュッセル大学等の研究者はゴキブリの集団にロボット・ゴキブリを潜入させること集団行動を制御している(WIRED.jp)。最後はTwitterと連結しだしだ(DVICE)。
遺伝子治療で糖尿病犬を一発で治す
スペインのバルセロナ自治大学の研究者がマウスではなく、犬で遺伝子治療を成功させたとNew Scientistが報じている。バイオハザードのT-ウイルス的な何かが便利に使える世の中になるかも知れない。
2013年2月24日日曜日
ブラック企業が儲かる理由を初等経済学で説明する
労働問題が御専門の濱口氏が、退職や解雇が不法企業を淘汰すると言うのはおとぎばなしだと言っている*1。
ブラック企業が淘汰されると言う人は経済学の初等教科書脳の実例で、労働の世界でブラックという評判が立てば立つほど、財・サービス市場で良い企業だと褒め称えられ、業績がどんどん上がっていっている例がいっぱいあるそうだ。
しかし入門レベルの経済学で考えても*2、労働法を守らないブラック企業の方が儲かるのでは無いであろうか。
2013年2月23日土曜日
2013年2月20日水曜日
2013年2月19日火曜日
2013年2月18日月曜日
2013年2月17日日曜日
解雇自由に関する池田信夫の論理的欠落
労働問題の専門家の濱口氏が「他人の解雇、自分の解雇」で、経済評論家の池田信夫氏を揶揄しているが、少し誤解がある。もしくは手ぬるい。
濱口氏は、池田氏が2009年5月に普通解雇では無く整理解雇の解雇自由を主張するようになったと評価している*1が、2011年1月に解雇規制の議論をしているときは普通解雇に該当する事象を指摘している(togetter)。
解雇規制緩和論で無視していい議論の特徴
あらゆる評論家は労働者でもあるためか、労働問題における論客は多い。解雇規制緩和論で色々と議論されているのだが、基本的な前提がぶっ飛んでいるのでうんざりする。
まず、普通解雇と整理解雇の区切りが曖昧な人が多い。普通解雇は労働者に瑕疵があるケースで、整理解雇は経営に問題があるケースだ。次に、経営者と従業員の力関係について、ほとんど考察が及んでいないケースが多い。
バブルと言う前に株価純資産倍率を見てみよう
経済評論家の池田信夫氏が「日経平均の根拠なき熱狂」で、最近の日経平均を日本経済の実態を反映しないバブルと評している。株価純資産倍率を見た?
日経平均は1月末には11000円台を超えていたわけだが、その時点の東証一部の株価純資産倍率(PBR)も総合0.9倍だし、株価収益率(PER)も総合19.8倍と、そう高い水準ではなかったから、まだバブルと言うには早すぎる(規模別・業種別PER・PBR)。
2013年2月16日土曜日
左派的な人たちが日銀に金融緩和を求めても
マネックス証券チーフエコノミスト村上尚己氏の「心優しい左派的な人たちこそ日銀に金融緩和を求めなければいけない理由」について、シバキ系リベラルとしても違和感を感じたので言及しておきたい。全体のパイを押し上げる経済成長が重要だとして、日銀の金融緩和の効果を過信しすぎでは無いであろうか。
2012年の人気記事を振り返る ─ 政治経済ネタは売れない
気付くと年が変わって一ヶ月以上過ぎていたので、2012年の人気記事を簡単に振り返ってみたい。
全体としてはコンピューティング関連の話を斜めに書いたネタが良くアクセスされている。金融政策や経済評論家を揶揄した記事を多く書いているのだが、後から検索で読まれる率はそうは多く無いようだ。トップ10は以下の通り。
2013年2月15日金曜日
バイアグラが脂肪燃焼を促進するとして
勃起不全症候群の治療薬として名高いバイアグラに、脂肪を燃焼させる効果があるらしい。何でも白色脂肪組織を褐色脂肪組織に転換するそうだ(POPSCI)。
褐色脂肪組織は脂肪がミトコンドリアに囲まれているのだが、ミトコンドリアは持つ高いレベルのたんぱく質UCP-1を持つ。マウスにバイアグラを与えて数週間たつと、このUCP-1の量が劇的に増加した。褐色脂肪組織は発熱で燃焼しやすいので、つまりバイアグラに脂肪を燃焼させる効果があると言う事になるそうだ。
2013年2月14日木曜日
相続税の無い中国はリバタリアン天国と言えるか?
労働問題の専門家の濱口氏が「リバタリアンのパラダイス:中国」で、経済格差の是正政策が十分でない中国で人民の不満が高まっているのに、共産主義者であるはずの共産党が積極的に格差是正に乗り出さない事を指摘している。その趣旨はともかく、中国の税制自体は原理リバタリアンと言うわけでもない気がする。
2013年2月13日水曜日
日本の左派なひとは「成長」が嫌いか? ─ 経済成長万能派が嫌いなだけでは?
労働問題の専門家の濱口氏が『何で日本の左派なひとは「成長」が嫌いか』と言うエントリーを書いている。曰く、日本語で言う「成長」と言う単語は、労働者に過剰労働を連想させるからだそうだ。紙屋高雪氏が「左派は成長が嫌いか?」でそれを部分的に否定している。しかし、昔の事は知らないのだが、成長が嫌いな左派は、実の所は経済成長万能派が嫌いなだけでは無いかと思う。
2013年2月12日火曜日
2013年2月11日月曜日
国家社会主義者・安倍総理の賃上げ要請
2013年2月10日日曜日
日銀理論、つまりインフレの弊害を知っておく
リフレーション政策の信奉者で“日銀理論”、つまりインフレ抑制を重視する論調を無闇に批判する傾向が強い人を良く見かける。
意外に“日銀理論”はシンプルな理論的な根拠があるのだが、それを調べてから批判していないようだ。批判者には大学教員も少なくないのだが、経済学が専門外で論敵の主張だと思うと、その背景まで頭が回らないようだ。
“日銀理論”の是非はともかくとして、宗教がかった批判をしていても始まらないので、その理屈を確認してみたい。
2013年2月7日木曜日
2013年2月6日水曜日
2013年2月4日月曜日
2013年2月3日日曜日
誤解され続ける北欧の解雇規制
The Economistの記事を枕に、経済評論家の池田信夫氏が『北欧諸国に特徴的なのは、企業に対する補助金や解雇規制がほとんどない』と言っているのだが、解雇規制が無いに労働問題が御専門の濱口氏が指摘するであろうと思ったら、指摘していた(スウェーデンの解雇規制再三再論)。
2013年2月2日土曜日
村上尚己─池田信夫論争にあるWoodfordの主張について
アベノミクスに関してのエコノミストの村上尚己氏の主張を、経済評論家の池田信夫氏が批判しており、そこで池田氏が村上氏にWoodford(2012)を読めと言っている。量的緩和の無効性を示す前半部分はともかく、後半部分は村上氏の主張をサポートしかねない部分も多々あるのだが、池田氏はそこは読んでいないのであろうか。
2013年2月1日金曜日
ラガー・ビールが15世紀の終わりまで発明されなかった理由
ビールはメソポタミアで発明された古い飲料だが、現在主流のラガー・ビールが一般化したのは19世紀で、それまではエール・ビールしかなかった。その理由の一つが、POPSCIで紹介されていた。
この二種類のビールは醸造温度や発酵面で分類されることが多いが、それもこれも発酵をもたらす酵母が違う事が原因だ。酵母が無いと始まらない。15世紀終わりにバイエルン地方で製造されるまでラガー・ビールが発明されなかったのは、それに必要な酵母が“新大陸”の南米から渡って来たからだそうだ。