2016年7月31日日曜日

私は数式アレルギーの文系でして(ヘラヘラ

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数学ガール」で有名な文筆家の結城浩氏が『「私は数式アレルギーの文系でして」とへらへら笑う大人に耳を貸すな。』と言うエントリーをあげている。嗚呼、これ私のことだなと思った。難しい数式は読む気もないし、しっかり数学を学ぶ気は無い人で、ある意味、標準的な成人だ。数式を見ていると、息切れ動悸で苦しい。数式を見ていなくても、最近、そういう気がするが。さて、批判されている人々を勝手に代表して、返事を書いてみたい。

2016年7月30日土曜日

高橋洋一が示した完全失業率2.7%はグラフの読み違いだった

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元官僚の高橋洋一氏は、だいぶ前から完全雇用失業率が2.7%程度と主張している。根拠となる分析手法が謎だと思っていたのだが、だいぶ前に『日銀の「失業率の下限」に対する見方は正しいか』と言うエッセイでその根拠を示していて、昨日、氏がそれを参照していて気づいた。しかし、これは計量分析になっていないし、そもそも氏が示しているグラフと氏の主張が合致していない。空目しているようだ。

2016年7月26日火曜日

産業別最低賃金の適用拡大と引き上げについて

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濱口氏が「産別最賃は再生できるか?」で、立教大学の神吉知郁子氏の『産業別最低賃金の引き上げが「底上げ」の次なる突破口になる』と言う論説を紹介していた。

神吉氏の議論は、私の理解では*1、次のようなものだ。今の日本の最低賃金は、原則として地域別最低賃金を採用しているため*2、セーフティーネット的な位置づけが強いものとなっており、労働市場における公正競争を確保する目的が失われている。そこで、労使で協力して産業別最低賃金を設定することにより、公正競争を確保して賃金引き上げを促進すべきである。企業別だと実効力のある水準に定まらず、国別だと利害関係が複雑になり過ぎて調停が困難であるが、産業別であれば可能である。

2016年7月23日土曜日

リベラル左派がヘリマネに関して知っておくべきこと

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にわかに新聞などでヘリコプター・マネーが言及されるようになってきた。元FRB議長のバーナンキ流の定義だと*1、国債の発行無しに中央銀行が政府に通貨を譲渡し、政府がそれで減税や歳出を行う事を指す。国債と違って金利もつかないし借り換えの必要も無いので、人々が将来の増税を予想しないであろうと言うのがポイントになる。政府紙幣に近い仕組みだ。

さて、リフレ派に何かといじられるリベラル左派の皆様が知りたいであろう事を考えてみたい。ヘリマネは機能するのであろうか。そして、ヘリマネは今の日本に必要なのであろうか。

2016年7月21日木曜日

左派が知っておくべきマネタリーベースとGDPデフレーターの関係

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先日、『「左派」に属する人が「お金をたくさん刷っても物価水準は上昇しなかったよね」のような発言をしていたが、せめてGDPデフレータ―の推移を見てからそういうことを言うべき』と言うようなツイートを見かけた。ここで「お金をたくさん刷っても」は量的緩和でマネタリーベースを増やしたことを意味する。さて早速、(左派では無いが)言われた通りにマネタリーベースとGDPデフレーターの関係を確認してみよう。

ハーグの仲裁裁判所の判断が習近平に呪いをかける

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スプラトリー諸島で中国が整備する人工島に関する、オランダはハーグの仲裁裁判所の裁定は、中国の主張を全面的に否定する強烈なモノになった。習近平国家主席にとっては、外交的にはもちろん、国内政治的に手痛い打撃であろう。中国人民は、裁判に負けたと言う事実から、習近平氏の外交手腕を疑いだすはずだ。

ネトウヨの皆様は竹島と尖閣諸島に関する外務省資料を読み込んでいるので、紛争発生前に徴税などの施政権を行使している事が重要であって、建設物の構築などは国際慣習法からは意味が無いことは知っているだろうから、この判決に意外性は無いと思う。判決自体を不当として、それに従わないその後の中国政府の言動も予想通りであろう。

2016年7月11日月曜日

日本共産党の謀略と幸福の科学の霊術が自民党の完勝を防いだ

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事前の予想の通り与党の自民党と公明党が改選前より議席数を延ばした2016年の参議院選挙であったが、選挙分析の専門家の皆様からぽつぽつと自民党は勝ちきれなかったと言う寸評が聞こえてきた。野党の苦戦が予想された一人区で完勝といかなかったからだ。

これから政治学者が色々と解説すると思うが、この理由は二つあるそうだ。一つは日本共産党が候補者を立てずに、アンチ自民党の票を民進党に回したことだ。一つは幸福実現党が候補者を立てて、自民党の票を取ってしまった事だ。結果として非改選議席を加えるとギリギリで自民党が過半数を得ることができず、公明党の影響力が残る事になった。

リフレ派はブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)に触れてはいけない

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量的緩和が期待インフレ率に働きかけるメカニズムが不明瞭であると言う指摘に、リフレ派の人が、異次元緩和や追加緩和の後にブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)が上昇していると主張していた。BEIは、固定金利の長期国債の利回りから、物価連動国債の利回りを引いたもので、債券トレーダーの期待インフレ率そのものになる。理屈はともかくコレが上昇していれば、期待インフレ率が上昇していると言い張る事ができる。さて、日本相互証券株式会社のBEIのグラフから、実際にBEIが上がったのか見てみよう。

2016年7月10日日曜日

日本の就業意欲喪失効果はとても小さい

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雇用環境が余りに悪いと職探しをしても仕事が見つからないので、失業者が求職を止めてしまう事を就業意欲喪失効果と言い、これによって就業者が増えていないのに失業率が低下する現象が、ネット界隈でも広く知られている。往々にして失業率の低下を雇用改善と見たくない人々が口に出す単語なのだが、どの程度の大きさがあるのか未確認なまま使われている事が多い。

2016年7月9日土曜日

リフレ派は「バーナンキの背理法」に触れてはいけない

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ゼロ金利制約下での量的緩和には効果が無いと言う話をリフレ派にすると、俗に言う“バーナンキの背理法”を持ち出して反論してくる事が良くある。「中央銀行が幾ら国債を購入してもインフレにならないのであれば、無税国家が実現される。しかし、実際にはそうではない。ゆえに、中央銀行はインフレを起こすことができる」と言うものだ*1。中央銀行の政府債務の引き受けと、政府の財政赤字の拡大を混同させている子ども騙しなのだが、本当に信じているリフレ派も多い。これの元ネタとされる後にFRB議長バーナンキ・プリンストン大学教授の講演を確認してみたのだが、やはり違う事が書いてあった。むしろ、量的緩和を否定している。

2016年7月8日金曜日

文科省の言うプログラミング的思考

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小学生へのプログラミング教育の導入を文部科学省が検討している。それに関する有識者会議の資料に「プログラミング的思考」と言う文言があり、それを枕にシリコンバレー在住のエンジニアの上杉周作氏が、氏が考える「プログラミング的思考」について解説をしている

「コンピューターが問題を解きやすいように、問題の正しい見方をすること」と言う氏の説明は一般論としては簡潔で良いと思うのだが、教育関係者が小学生へのプログラミング教育の導入を考えるための材料としては、問題がある。文科省が教えようと考えているのは、単に命令をストアして逐次実行させるような事であって、氏が紹介する「コンピュテーショナル・シンキング」では無いからだ。

2016年7月3日日曜日

原因を探るにも未来を予測するにも情報が不足しているBrexit

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英国のEUからの離脱(Brexit)の是非を巡る英国の国民投票の結果は離脱派の勝利であった。拡大を続けてきたEUからの初の離脱となるだけに衝撃は大きく、その原因と今後についての多種多様な分析記事が出ている。しかし、離脱派の現状認識に関して世論調査などでの裏づけが与えられていないので、情報不足の憶測でしか無い。