シニア教育学者の本田由紀氏のTwitterへの発言と説明に対して、処分や学会などの組織からの批判を求める人々が多数いる。25日には関文科相が「過去の処分事例もしっかりと踏まえ、適切な対応に取り組んでほしい」と言及した。
しかし、本田氏のツイートや補足説明には批判すべき点はある*1のだが、組織的に責め立てる必要があるのか、戒告や減給などに値するのかは疑問だ。
インターネット上で話題になっている事件を、理論とデータをもとに社会科学的に分析。
シニア教育学者の本田由紀氏のTwitterへの発言と説明に対して、処分や学会などの組織からの批判を求める人々が多数いる。25日には関文科相が「過去の処分事例もしっかりと踏まえ、適切な対応に取り組んでほしい」と言及した。
しかし、本田氏のツイートや補足説明には批判すべき点はある*1のだが、組織的に責め立てる必要があるのか、戒告や減給などに値するのかは疑問だ。
東大の山口慎太郎氏の2021年12月15日JSPS男女共同参画推進シンポジウムの図が恣意的に観測値を減らしていると非難されていた。OECD加盟国が網羅されていないためだ。
非難と批判が妥当なものか評価するために、散布図を作成してみた。多少は雑である気はするが、少なくとも恣意的に分析国を選んだとは言えない。また、言われているほどデータは落ちていない。
この図及び、関連した議論から(山口氏の主な主張である)ジェンダー平等の推進が出生率向上につながる蓋然性は低いと思うのだが、この図をつついてもあまり建設的ではない。
二次元の散布図で一週間ぐらい盛り上がっているが、玉石混合の意見が流れていって教育上(誰の?)よろしくない。
相関係数が低い非線形の関係の2変数の散布図に、直線をフィットするなという非難が理工系の人々から出ているのだが、統計学的には問題はない。非線形モデルが単調関数であれば一次近似として線形回帰は機能する*1し、直線の傾きの係数の標準誤差が計算されて表示されているからだ。
かも知れない。
まずは以下の財務省『ファイナンス』2021年7月号No.668の記事を読んでほしい。
山口慎太郎氏が怪しい散布図で因果を主張したと捉える人がいても、責められない。図表に言及した次の文で、明確に政策効果を主張している。あの散布図を根拠にしていると誤認するのはやむを得ない。しかし、この記事、文責は財務省の人々のようだ。
あるR²=0.25(決定係数0.25,相関係数0.5)ぐらいの社会データの散布図を見て、これに線型回帰を行って予測値の直線を描き込むのはおかしいと言う旨の発言が、理工系大学教員を含めて共感を呼んでいた。相関係数が低い場合は相関を認めない。そういう主義主張のようだ。
このR²重視主義は統計学では廃れている。以下のプロットを見て欲しい。このxとyには相関があるか、ないか、考えてみよう。
9月11日にデジタル庁が「ガバメントソリューションサービスへの不正アクセスによる職員等の個人情報の漏えいの可能性について」公表し、同庁が地方自治体にセキュリティー向上を働きかける立場であるため、SNSで非難を浴びている。対策が甘々だった。
デジタル庁 (2022) 「ゼロトラストアーキテクチャ適用方針」やRais et al.(2025) 『ゼロトラストネットワーク 第2版』などの影響で、やたら長くて細々したゼロトラスト語りを見かけるようになった。残念ながら長すぎて、顧客や営業はもちろん、ソフトウェア・エンジニアも9割ぐらいの人はついてこない。
ゼロトラストの提唱者John Kindervag氏へのインタビュー記事によると、ゼロトラストネットワークは、誰が(何が)どこからどのデータにアクセスする必要があるかというビジネス要件を把握し、それを満たしつつも、なるべく小さい権限を設定する最小権限戦略(Least Privilege Strategy)がグランド・ストラテジーだ。「何が」には、ネットワーク機器などのハードウェアや、サービスなどのソフトウェアが含まれる。
8月17日のトランプ氏の娘婿クシュナー氏とイスラエルのネタニヤフ首相の会談後、国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長が制裁対象に加えられた。既にICCのKarim Khan主任検察官らの銀行口座が閉鎖され、クレジットカードも使えなくなり、米系クラウドサービスのメールアカウントが凍結されていたのだが、これまでは石破前内閣の働きかけもあって赤根所長への制裁は留保されていた。
表計算ソフトのExcelで作成した仕様書・設計書は、前世紀から日本のIT業界の悪癖として知られている。
Excelは構造化文書を書くための機能がないため、目次や索引などを自動作成できない。ソフトウェア開発のための図表描画機能がないため、作図も手間暇時間のかかる職人芸になってしまう。セルの結合と装飾、オートシェイプをつなぎ合わせてソレらしいものを描くことになるため、変更時の修正量が多くなるし、ちょっとしたことでレイアウトが崩れる。用紙サイズの設定も狂う事が多い。2010年頃からはバージョン監理システムでトラッキングしづいこと、最近は生成AIの読み込ますには無駄が多いところも、欠点として指摘されている。
昨年、ある統計(statcounter)で北米のLinux Desktopのシェアが5%を超えたという話題があったが、一年ほど経った昨日、10%を超えた話題になっていた。PCマニア層以外への浸透がどの程度か分からないが、着実に増えている。
昨年の基礎控除引き上げ案のあたりから、子持ちの中間層世帯あたりの支持を狙って政策を出している国民民主党が、インターネットの大手プラットフォーマーを対象に(暴力や薬物などの広告も含まれる)「エロ広告規制法案」を国会に提出してきた*1が、実効能力に乏しいので指摘したい。会期終了で廃案になったわけだが、次で再提出される可能性もある。
元官僚の高橋洋一氏が、円安の方が雇用がよいと、時系列データの相関係数が高い事を論拠に主張しているが、この論証方法は全くもって厳密ではない。
時系列データは上昇トレンドや下降トレンドを持つことが通例で、2つの時系列を比較すれば似ていることはよく起きる。縦軸のスケールを変えれば、ほぼ50%確率で似る。世界の平均気温にも似ていると突っ込まれている。
2026年7月13日の冷凍食品・低温物流の大手企業ニチレイの大規模システム障害は、ランサムウェアによる被害であることが分かった。ニチレイは不正侵入があったと発表しており、ロシア系クラッカー集団Ransomhouseが犯行声明を出している。
もっとも事態は壊滅的ではないようだ。7月17日から安全を確認できたサービスから再稼働を行い、今週末には被害を受けたシステムも隔離された場所にあるバックアップから復旧できる見込みだ。2週間弱で完全復旧となる。アスクルRansomhouse事件と対照的な帰結となった。
ある社会学者が、小学校英語にフォニックス(synthetic phonics)を導入しようと言う主張に対して、小学校英語でのフォニクスの効果にエビデンスはあるのか、非英語圏の小学校英語について研究しているのに聞いたことがないと指摘していた。
フォニックスは、英単語の音節ごとの綴りの発音の規則性を中心にした英語学習方法だ。英語圏の児童に対して(それまでの教育方法よりも)高い教育効果があると、2000年頃までには教育学界隈で言われるようになった。『ライオンとイングリッシュ(Between the lions)』と言う幼児番組を見ると、どういうものか分かる。
今年2月のトランプ関税違憲判決から5ヶ月経ち、他のトランプ政権に関する裁判も多数、最高裁判決が出てきた。
出生地主義は確認され、大統領令は無効とされた。連邦準備制度理事会(FRB)のリサ・クック理事の解任は違法とされる一方、大統領に規制委員会の人事権は認め、連邦取引委員会(FTC)の民主党系委員レベッカ・スローター氏の罷免は認められた。期日後に到着の郵便投票は有効だと確認され、トランプ政権は敗訴。トランスジェンダー女性の女子競技会参加禁止は合憲。トランプ氏個人の裁判ではあるが、最高裁もトランプ氏の性的暴行認めた下級審判断を支持した。
女子枠批判界隈からNaka et al. (2026)が、ジェンダー学者が粗雑な研究をして女性限定公募を正当化しようとしていると多くの人々から非難されていた。しかし、この認識は誤りであるし、他の非難の多くも頓珍漢なものだ。
Naka et al. (2026)は、東京大学の物理学者に対する半構造化*1インタビューを仮説形成テーマ分析(abductive thematic analysis)*2にかけた質的研究だ。最後のディスカッションの節を読むと、女性限定公募に懐疑的な見解を示し、その代替となるジェンダー平等推進策を提案している。
Twitterの性分化疾患(DSDs)当事者の日本人で、性スペクトラム説などのジェンダーイデオロギー(もしくはトランスジェンダー)を嫌う人々が*1、近年成立しているアメリカのトランスジェンダー排除目的のトイレ法案(bathroom bills)はDSDsは例外と言っている気がするのだが、条文を読む限りは巻き添えを受けているので指摘しておきたい。
天皇の地位の女系継承や、女性天皇を認めるか否かの議論が盛んだ。後継者不在で国事行為を行えなくなると、内閣の発足や法律の改正ができない。超法規的に憲法改正して共和制に移行することになるが、法治国家としてそれは避けたい。後継者を確保する体制を整える必要がある。
愛国「右派」の動画配信者や政党政治家が、アイヌが北海道の先住民族であるのか疑いを表明している。しかしアイヌがヤマト(和人)から見て北海道の先住民族であることに、疑問を抱く余地は無い。
ヤマト王権の北海道進出は南部に限っても13世紀以降で、北海道全域に広げたのは19世紀だ*1。アイヌの人々はその前から北海道に住んでいた。言語と宗教などでアイヌはヤマトと異なる文化持ち、アイヌにはヤマトと異なる集団であるという自認があるので、独自の民族として認められる。日本政府はヤマト王権から継続した統治機構と言うことになっているので、日本政府から見てアイヌは北海道の先住民族だ。
NENENENE@研究こと國武悠人氏の女子枠批判論文Kunitake (2025)の日下田 (2024)*1の紹介が微妙だが僅かにハルシネーションになっているので指摘したい。ついでに日下田 (2024)自体にある問題点も説明する。
日下田 (2024)は、計量分析を用いて、一定以下の家計所得の大学進学予定者において、私立大学に自宅外通学する意思のない生徒は理工系進学を希望しないことを示した論文だ。私立大学に自宅外通学する意思がないのは所得制約が厳しいためだと解釈している。計量分析の結果と解釈に乖離があるのに注意して欲しい。
2026年2月28日からのアメリカのイラン攻撃は、戦術的には華々しい成果をあげているが、戦略的にはどん詰りだ。開戦前の(専門家の予想通り)イランの政治体制を崩すには至っていない一方、イラン国内をまとめられる政治指導者を何人も殺したので、イランは譲歩が困難になっている。
アメリカがイランの政権転覆を実現することは不可能と見られる。連邦議会と世論はイランへの軍事作戦を支持していない。大規模な地上作戦は実施できない。革命も期待はできない。イランの反政府勢力は、昨年の大規模デモ後に粛清された。治安部隊隊員の個人宅を襲ったり、過激化したのが裏目に出た。
「IPv4と完全下位互換の「IPv8」ドラフト公開。IPv6は事実上失敗」という記事が話題になっていた。「IPv6は事実上失敗」は「IPv6の課題を克服」に書き直されたわけだが、IPv6に対する漠然とした失敗感を世間は感じているようだ。
実際にはIPv6はハードウェアとソフトウェアの面でほとんど準備完了しているし、既に多くのサービスで利用されていて、一般消費者の皆様も実際に使っている。IPv8が出てきたとしても、拡張されたネットワークアドレスを使うにはハードウェア(もしくはファームウェア)と(その他の)ソフトウェアの対応が必要で、IPv6が積み上げてきた30年間の普及の差を、急いで詰めないといけない。
新卒ソフトウェアエンジニアの研修にJavaとPythonのどちらを使うべきかと言うお題が話題になっていた。この2つに限らず職場で使っているモノを優先し、この2つのどちらも使っている場合はJavaの方がよいとされている。Pythonの方がちょっとした事に使いやすく自発的に学びやすいから、穏当な考えに思える。
逆にちょっとした事にもJavaを使うと、Javaに慣れるようになる。テキストファイルの操作、ウェブ・スクレイピング、ウェブAPIクライアント、ブラウザーなどのアプリの自動化など、コマンドラインで動かす使い捨て色の強いちょっとした事をこなすコードは、Pythonで書かれることが多い。これらもJavaで書いてみよう。
デジタル庁のガバメントクラウドに地方自治体の基幹業務を移行させたところ、当初の見込み運用費3割減は遠く達成できず、ほとんどの地方自治体でコスト高になった。
デジタル庁も責任はともかく事実を認めており、ネットワーク構成の複雑化、パブリッククラウドの専門知識のある運用補助者の必要性などを理由としてあげている。さらに、パブリッククラウド向きのアプリケーションの構築、クラウドに詳しい高度人材の育成のような改善策を提案している*1。
2026年2月28日から、アメリカとイスラエルの2度目のイラン空爆が開始された。イスラエルの諜報能力を活かした斬首作戦は戦果をあげてはいるのだが、イランが八つ当たり気味に米国の同盟国に弾道ミサイルや自爆ドローンを打ち込み、ホムルズ海峡を実質的に閉鎖したために経済的に動揺が走っている。いつまで続くのか不安があるが、米軍の作戦行動は間もなく不可能になる。
CI/CDパイプラインは、バージョン管理システムへの変更反映をトリガーに、アプリケーションの①ビルド、②テスト、③パッケージング(含コンテナ化)、④デプロイを自動実行する手法で、インハウス開発でウェブサービスを作っていて、DevOpsになっているところで流行っている。
米連邦最高裁が1977年国際緊急経済権限法(IEEPA)を理由としたトランプ関税を無効とした。議会が大統領に与えた権限の勝手な拡大解釈を戒めるものだ。市場や企業は判決を歓迎している。トランプ政権に振り回されてきた貿易相手国の外交官も、本音ではほっとしている事であろう。
第51回衆院議員選挙は、自民党の大勝、中道改革の大敗となった。とくに小選挙でボロ負けとなり、比例上位が公明党出身者で占められていたので、旧立憲民主党の人々が議席を失うことになった。
高市自民党が(石破自民党よりも)支持されていたのは確かだ。昨年末の自民党の全国的な情勢調査では、単独過半数を回復すると見込んでいた。また、投票率は厳しい気候に関わらず前回選挙を上回っており、前回選挙で投票を行わなかった自民党支持者が戻ってきた可能性が示唆される。立民と公明の統合に関わらず、自民党が勝った可能性は高い。
昨年11月にAWS Lambdaでプログラミング言語Rustが正式サポートされたためであろうが、FaaSにRustが向いているという話がぼちぼちとされている*1。
AWS Lambdaは起動・実行時間とメモリー割当量に応じて課金されるサービスで、高速で省メモリーのプログラミング言語に強みが出る用途だ。また、現在はARMアーキテクチャーの方が安いので、クロスコンパイルがしやすいと簡単にお得になる。
突然、方針が示された衆院解散の前に、立憲民主党と公明党が新政党をつくり合流することが決まった。中道改革連合。現職議員を含めた衆院選挙候補者が異動し、参院議員や地方議員は当面、立民と公明のままになる。
選挙互助会と揶揄されているが、現実路線とも言える。小選挙区制で議席数を増やすためには有効な方法で、前回選挙の得票数をもとにした単純なシミュレーションでは与野党の議席数が逆転するぐらいの効果がある。政策的には、少なくとも各論で大きな乖離があるわけではなく、無理もそうはない。
役所の情報システム部の人が、三層分離ネットワーク(多層型境界防御)を批判しつつゼロトラストについて言及しているのだが、近年のランサムウェア事件などを見ると多層型境界防御は有効であるし、ゼロトラストと併用できるしすべきものなので、対比的に扱うのはミスリーディングだ。
ゼロトラストはセキュリティー専門家のJohn Kindervag氏が提唱した概念が原点で、①あらゆる通信の暗号化(と認証)、②ロールベースのアクセス制御を厳格に定め運用、③すべてのトラヒックを検査・ログを記録(さらに自動防御)が基本コンセプトとなっている。境界防御では不十分だと指摘しているが、境界防御があるからと言って危険性が増すと言う話ではない。
トランプ関税導入後に製造業で68,000の雇用が失われたと言うツイートが流れていたのだが、製造業に就業していた不法移民の離脱もあるので、トランプ関税(だけ)が理由とも限らないことには注意しよう。不法移民を大量送還したら経済が縮小すると、昨年の春には指摘されていた。農業や建設業での影響は報告されている。製造業も影響を受けた可能性は高い。どちらにしろトランプ大統領の政策のせいにはなるが。
韓国で統一教会の捜査が進み、統一教会の日本での活動に関する文書が出てきた*1と話題になっている。高市総理を含む290人の自民党議員と一部の野党議員が応援の対象とされていた。𝕏/Twitterでは壺議員と罵られている。統一教会が自民党を操っていたようなことまで言う人もいた。