今年2月のトランプ関税違憲判決から5ヶ月経ち、他のトランプ政権に関する裁判も多数、最高裁判決が出てきた。
出生地主義は確認され、大統領令は無効とされた。連邦準備制度理事会(FRB)のリサ・クック理事の解任は違法とされる一方、大統領に規制委員会の人事権は認め、連邦取引委員会(FTC)の民主党系委員レベッカ・スローター氏の罷免は認められた。期日後に到着の郵便投票は有効だと確認され、トランプ政権は敗訴。トランスジェンダー女性の女子競技会参加禁止は合憲。トランプ氏個人の裁判ではあるが、最高裁もトランプ氏の性的暴行認めた下級審判断を支持した。
もっとも二つ、大きな問題が残っている。一つは、連邦議会にのみ宣戦布告を認めたアメリカ憲法第1条第8節と、議会が大統領に委任した軍事行使の範囲を定めた1973年戦争授権法だ。トランプ政権のイラン攻撃は、違反となっている可能性が高い。一つは、1974年議会予算・執行留保規制法(Congressional Budget and Impoundment Control Act of 1974)だ。議会がつけた予算を、故意に執行していない。行政管理予算局(OMB)局長のラッセル・ボート氏が主導しているようだが、不法行為の可能性が高い。
トランプ政権と一緒に沈没しかねない共和党としては、(共和党議員は自らの権限を放棄することになるにも関わらず)何とかこの二つを有耶無耶にしようと努力し、トランプ政権と一緒に共和党を葬り去りたい民主党は(政権奪還後に裁量権を失うのにも関わらず)戦争授権法と議会予算・執行留保規制法を死文にしないように努力しているのだが、この結果は今後のアメリカ合衆国の政治を大きく変える事になる。大統領は国を率いるリーダーとしての地位を失い、議会に行政を委任される官吏に位置づけられてしまうかも知れない。


0 コメント:
コメントを投稿