Anthropic社が中国企業Z.ai社製の生成AIのGLM-5.3のクラッキング能力に警告を発していた*1ためか、生成AIを駆使したクラッカーによる不法侵入事件が多発しているかのような話が流れている。しかし、ここ数日の情報漏洩事件の多くは、おそらく生成AIの発展と直接的な関係はない。
2026年10月7日水曜日
2026年9月28日月曜日
シニア教育学者の本田由紀氏への懲戒処分や団体からの批判を求める人々へ
シニア教育学者の本田由紀氏のTwitterへの発言と説明に対して、処分や学会などの組織からの批判を求める人々が多数いる。25日には関文科相が「過去の処分事例もしっかりと踏まえ、適切な対応に取り組んでほしい」と言及した。
しかし、本田氏のツイートや補足説明には批判すべき点はある*1のだが、組織的に責め立てる必要があるのか、戒告や減給などに値するのかは疑問だ。
2026年9月26日土曜日
男性の家事負担と出生率の相関について
東大の山口慎太郎氏の2021年12月15日JSPS男女共同参画推進シンポジウムの図が恣意的に観測値を減らしていると非難されていた。OECD加盟国が網羅されていないためだ。
非難と批判が妥当なものか評価するために、散布図を作成してみた。多少は雑である気はするが、少なくとも恣意的に分析国を選んだとは言えない。また、言われているほどデータは落ちていない。
この図及び、関連した議論から(山口氏の主な主張である)ジェンダー平等の推進が出生率向上につながる蓋然性は低いと思うのだが、この図をつついてもあまり建設的ではない。
2026年9月20日日曜日
理工系が知らないかもしれない社会データの散布図に線を引く前に注意すべきこと
二次元の散布図で一週間ぐらい盛り上がっているが、玉石混合の意見が流れていって教育上(誰の?)よろしくない。
相関係数が低い非線形の関係の2変数の散布図に、直線をフィットするなという非難が理工系の人々から出ているのだが、統計学的には問題はない。非線形モデルが単調関数であれば一次近似として線形回帰は機能する*1し、直線の傾きの係数の標準誤差が計算されて表示されているからだ。
皆さんがあの散布図で東大教授が因果を主張したと受け取ってしまったのは、財務省が悪い
かも知れない。
まずは以下の財務省『ファイナンス』2021年7月号No.668の記事を読んでほしい。
山口慎太郎氏が怪しい散布図で因果を主張したと捉える人がいても、責められない。図表に言及した次の文で、明確に政策効果を主張している。あの散布図を根拠にしていると誤認するのはやむを得ない。しかし、この記事、文責は財務省の人々のようだ。
2026年9月19日土曜日
理工系のかなりの人はR²<0.1の相関の存在を知らない
あるR²=0.25(決定係数0.25,相関係数0.5)ぐらいの社会データの散布図を見て、これに線型回帰を行って予測値の直線を描き込むのはおかしいと言う旨の発言が、理工系大学教員を含めて共感を呼んでいた。相関係数が低い場合は相関を認めない。そういう主義主張のようだ。
このR²重視主義は統計学では廃れている。以下のプロットを見て欲しい。このxとyには相関があるか、ないか、考えてみよう。
2026年9月16日水曜日
2026年9月15日火曜日
2026年9月12日土曜日
GSS不正侵入事件におけるデジタル庁の瑕疵 — ゼロトラストが何か分かっていないかも知れない
9月11日にデジタル庁が「ガバメントソリューションサービスへの不正アクセスによる職員等の個人情報の漏えいの可能性について」公表し、同庁が地方自治体にセキュリティー向上を働きかける立場であるため、SNSで非難を浴びている。対策が甘々だった。
2026年9月8日火曜日
ハードル低めのゼロトラストネットワークのはじめ方
デジタル庁 (2022) 「ゼロトラストアーキテクチャ適用方針」やRais et al.(2025) 『ゼロトラストネットワーク 第2版』などの影響で、やたら長くて細々したゼロトラスト語りを見かけるようになった。残念ながら長すぎて、顧客や営業はもちろん、ソフトウェア・エンジニアも9割ぐらいの人はついてこない。
ゼロトラストの提唱者John Kindervag氏へのインタビュー記事によると、ゼロトラストネットワークは、誰が(何が)どこからどのデータにアクセスする必要があるかというビジネス要件を把握し、それを満たしつつも、なるべく小さい権限を設定する最小権限戦略(Least Privilege Strategy)がグランド・ストラテジーだ。「何が」には、ネットワーク機器などのハードウェアや、サービスなどのソフトウェアが含まれる。







