深みにはまりそうな話の表面を、キチンと証明も説明もせずに泳いでいかないといけない数学読本を書くのは易しくはなく、数学徒でも理解するのに苦労する未解明問題や最近証明されたミレニアム問題だと尚更そうなるようだ。実にもやもやっとしたP≠NP問題の紹介本を読んだ事がある。結城浩氏の人気シリーズ最新作「数学ガール/ポアンカレ予想」も例外では無かった*1。
2018年8月27日月曜日
2018年8月26日日曜日
2018年8月24日金曜日
2018年8月23日木曜日
2018年8月16日木曜日
金融の教科書にある信用創造の説明を貶しても
学部の金融の教科書には、だいたい次のような信用創造の説明があると思う。預金歩留まり率をαとするとき、H円のハイパワード・マネーを持つ銀行が、H円を融資するとαH円が預金として戻り、αH円を融資するとα2H円が預金として戻り、n回目の融資ではαnH円が預金として戻り、無限に続けて和をとるとH/(1-α)円融資になる。法定準備率βがあれば、H/(1-α+αβ)円が融資量の上限。先日出た経済学を説明するマンガ*1でも、この説明が踏襲されている。
2018年8月12日日曜日
第一生命経済研究所のレポートにある日照時間による消費の推定について
ついったーらんどで第一生命経済研究所首席エコノミスト永濱利廣氏が書いた「テーマ:不確実性の高いサマータイム効果」の中の日照時間による消費の推定式がトンデモ扱いされていたのだが、しっかり問題点を把握しない非難が多かったので、非難の方の問題を指摘した上で、推定の問題点を再整理し、推定をやり直した上で、推定結果の解釈について批判したい。弁護から入って、結局はdisる。
2018年8月11日土曜日
2018年8月8日水曜日
2018年8月4日土曜日
女性医師に配慮すればするほど病院の職場環境は悪化するので、別の施策がいる
日本医師会が、東京医科大学が女性の入学者数を抑制していたことに対して批判的なコメントを出した。「女医が増えると結婚出産による途中退職で医師が不足する」と言う東京医科大学の弁に対して、「短時間労働の導入や当直の軽減など、女性が働きやすい環境整備を進めることが大事」と指摘している*1のだが、それが現場で問題を引き起こしているという勤務医の声を無視しているので指摘しておきたい。日本医師会はどちらかと言うと開業医の団体なのを、よく表している。
2018年8月3日金曜日
東京医科大学は、開き直って統計差別を続けるべき
東京医科大学が、女子受験生の点数を下げて、男子受験生の入学者数を増やそうとしていたことが発覚した*1。世間一般には非難の声が大きいようだが、医療現場にいる医師からは、性別に関係なく必要悪と言う声も上がっている。医師の供給数、病院の経営慣行の問題もあって、女医の増加が業務遂行上の障害になっている現実があるからだ。近い将来の医療需要減や、経営慣行の変更の困難さを考えると、男性医師の比率を高める施策を放棄するのは、大きな厚生損失を招くかも知れない。
2018年8月2日木曜日
「搾取」という単語を使う前に必要なこと
頻繁に使われる割には、厳密に運用するには定義が十分ではない用語に「搾取」がある。好意など自発的なものではなく、権力やその他の強制力をもって、正当な対価を払う事なく、他者に労力やその他の資源を提供させることと搾取の説明は難しくない。しかし、大抵の事例において、正当な対価がどの程度かは自明ではない。