アフリカのセネガルでは、水っぽい腐りやすいたまねぎばかりが生産されており、高関税にも関わらず輸入代替が進んでいない。農家の生産技術が低いのが原因ではないかと思う人々が多いであろうが、ランダム化比較実験(RCT)を行なったところ、そうではない事が確認されたと言う話が紹介されていた*1。たまねぎが容量で卸されており、重量や品質が考慮されていなかったのが原因だそうだ。
2018年3月31日土曜日
北朝鮮の核・ミサイル開発問題で置いてきぼりにされる日本
2018年3月27日火曜日
佐川前理財局長の証言で注意しないといけないところ
森友学園問題に関して国会に提出された決裁書が改ざんされていた問題に関して、佐川前理財局長の証人喚問が行なわれた*1。「刑事訴追のおそれがありますので、そこの答弁は控えさせて頂きたいと思います」と議院証言法4条1項を盾にした証言拒否の連発の中、総理や官邸、その他の政治家の指示ではない事を断言する興味深いものとなった。ところで、これで安倍総理の関与が否定されたと喜んでいる人々がいるのだが、そうは簡単にいかない。
奈良の坊さんから見た『応仁の乱』
2018年3月26日月曜日
2018年3月23日金曜日
経済学を使うと人間は綺麗な空気で生活したいと言うのも大仕事
自明に思えることでも経済学者にかかると未知の領域になりがちで、その傾向は年々と高まっている。他の条件が同じならば、大気汚染を避けて生活したいと言うのも、大気汚染と転出入率を突き合せないと納得されないようだ。それぐらいの突合せならばと思うかも知れないが、雇用機会など他の要素がある上に、人間の活動が大気汚染に影響するので、大気汚染が内生変数になってしまい、なかなか正しい推定が行なえない。
2018年3月21日水曜日
ギガジンの説明するt検定の良い所がちょっとおかしい件
人気ブログGigazineの『ギネスビールの醸造所が統計学的手法の一つ「t検定」を生み出した』の中のt検定の説明が気になった。学部の統計学の教科書に書いてあるようなことなのだが、メモしておきたい。t分布が発明される前に正規分布があった事を忘れているので、妙になっているところがある。
2018年3月20日火曜日
2018年3月19日月曜日
2018年3月18日日曜日
位相幾何学用語に慣れる『トポロジー:やわらかい幾何学』
大学の一般教養で習う数学は解析学と線形代数なので位相幾何学には縁遠い人が多いと思うが、人文系で用語が濫用される数学の分野と言えばトポロジーなので、ネット界隈で現代思想を標榜する論者を陰で笑うのには有用な知識だ。それどころか真面目にホモロジー群まで理解すると、ブラウアーの不動点定理と言う広く応用されている定理まで行き着ける*1。数物系の世界なのでどうやって学ぶかが難点なのだが、『トポロジー:やわらかい幾何学』と言う古めの本を手にとってみた。
2018年3月15日木曜日
極東ブログの政治バイアス:野田中央公園の補助金・交付金への誤認識
事実が明らかになってから半年以上経つのに、安倍政権擁護のためにオルタナティブ・ファクトをばら撒いているブログが・・・とまでは言わないが、極東ブログの中の人の情報がアップデートされていないので指摘したい。リアリストを標榜する人は与党への非難を否定的に捉えがちだが、情報収集を怠るのはリアリストとは言えない。
2018年3月13日火曜日
2018年3月11日日曜日
2018年3月10日土曜日
2018年3月9日金曜日
2018年3月8日木曜日
2018年3月6日火曜日
副作用があったぐらいでは、HPVワクチン接種は否定されない
ネット界隈のHPVワクチン接種推奨派と否定派で、副作用があったか否かでHPVワクチンの是非を決めようと言い争っている。これ、誤まった論点だから。
副作用は少なく小さいほうが望ましいが、ゼロで無ければいけない事もない。病気を防ぐことの利益がずっと大きければ、副作用があってもワクチン接種は肯定される。古いタイプの天然痘ワクチンは低い確率だが重い副作用が生じることが知られていたが、天然痘の感染力・罹患率・致命率そして、美容面の後遺障害などからワクチン接種は肯定されていた。
2018年3月5日月曜日
Fedの量的緩和は長期金利を1%ポイントも引き下げていない
2018年3月4日日曜日
たばこの有害物質の量と心疾患
喫煙の害と言うと肺がんを思い浮かべる人が多いと思うが、心疾患の発症率を引き上げる事も知られている。喫煙者本人だけではなく、受動喫煙でもリスクは増える*1。
疫学研究では研究ごとに統計的有意性があったりなかったりする*2のだが、前向きコホートで喫煙者の配偶者を持つ非喫煙者の男女の心疾患が統計的に有意だと示した研究があり(Helsing et al. (1988))、有意性が無い研究よりも識別がしっかり出来ていそうだ。
2018年3月2日金曜日
ある医学雑誌で報告された加熱式たばこが排出するニコチンの量のイカサマ感
加熱式たばこ/電子式たばこの害悪については、有害性がよく研究されている燃焼式たばことの比較が手っ取り早い方法だ。たばこ会社は、有害物質の排出量が圧倒的に小さいとアピールしている*1。もちろん、利害関係者の出して来た数字をそのまま信じる必要はなく、有害性を訴える側の数字と付き合わせるべきであろう。権威のある医学雑誌に掲載されたある報告が、規制強化支持者に紹介されていたので中身を見たのだが、統計的にはトンデモであった。
2018年3月1日木曜日
子宮頸がん/HPVワクチン副作用に関する名古屋スタディの統計分析の問題点
速報が名古屋市のウェブサイトから消された事で話題になった子宮頸がん/HPVワクチン副作用に関する名古屋スタディの統計分析が、Papillomavirus Researchと言う学術雑誌に掲載された(Suzuki and Hosono (2018))。
論文掲載だけでは確定とは言えず、論文の粗を探し出し、他の研究とつき合わせて初めて科学的な結論が出てくるのだが、副作用が無いことが明らかにされたと調子にのっている人がそこそこいるので、この論文の粗を指摘しておきたい。