認証局eMudhraの中間認証局の証明書が脆弱であったことが話題になっている*1。ミリ秒で公開鍵から秘密鍵を計算可能。この中間認証局が署名したウェブサイトの証明書は、すべて信頼がおけないことが判明した。しかし、実質的には(特に日本人には)大した問題ではない。
2026年10月24日土曜日
2026年9月28日月曜日
シニア教育学者の本田由紀氏への懲戒処分や団体からの批判を求める人々へ
シニア教育学者の本田由紀氏のTwitterへの発言と説明に対して、処分や学会などの組織からの批判を求める人々が多数いる。25日には関文科相が「過去の処分事例もしっかりと踏まえ、適切な対応に取り組んでほしい」と言及した。
しかし、本田氏のツイートや補足説明には批判すべき点はある*1のだが、組織的に責め立てる必要があるのか、戒告や減給などに値するのかは疑問だ。
2026年9月26日土曜日
男性の家事負担と出生率の相関について
東大の山口慎太郎氏の2021年12月15日JSPS男女共同参画推進シンポジウムの図が恣意的に観測値を減らしていると非難されていた。OECD加盟国が網羅されていないためだ。
非難と批判が妥当なものか評価するために、散布図を作成してみた。多少は雑である気はするが、少なくとも恣意的に分析国を選んだとは言えない。また、言われているほどデータは落ちていない。
この図及び、関連した議論から(山口氏の主な主張である)ジェンダー平等の推進が出生率向上につながる蓋然性は低いと思うのだが、この図をつついてもあまり建設的ではない。
2026年9月20日日曜日
皆さんがあの散布図で東大教授が因果を主張したと受け取ってしまったのは、財務省が悪い
かも知れない。
まずは以下の財務省『ファイナンス』2021年7月号No.668の記事を読んでほしい。
山口慎太郎氏が怪しい散布図で因果を主張したと捉える人がいても、責められない。図表に言及した次の文で、明確に政策効果を主張している。あの散布図を根拠にしていると誤認するのはやむを得ない。しかし、この記事、文責は財務省の人々のようだ。
2026年9月15日火曜日
2026年8月20日木曜日
デジタル庁も囚われている日本のIT業界の悪癖:Excelによる仕様書・設計書の作成
表計算ソフトのExcelで作成した仕様書・設計書は、前世紀から日本のIT業界の悪癖として知られている。
Excelは構造化文書を書くための機能がないため、目次や索引などを自動作成できない。ソフトウェア開発のための図表描画機能がないため、作図も手間暇時間のかかる職人芸になってしまう。セルの結合と装飾、オートシェイプをつなぎ合わせてソレらしいものを描くことになるため、変更時の修正量が多くなるし、ちょっとしたことでレイアウトが崩れる。用紙サイズの設定も狂う事が多い。2010年頃からはバージョン監理システムでトラッキングしづいこと、最近は生成AIの読み込ますには無駄が多いところも、欠点として指摘されている。
2026年7月26日日曜日
高橋洋一さんにも時系列データの相関係数はあてにならないことをいいかげん知って欲しい
元官僚の高橋洋一氏が、円安の方が雇用がよいと、時系列データの相関係数が高い事を論拠に主張しているが、この論証方法は全くもって厳密ではない。
時系列データは上昇トレンドや下降トレンドを持つことが通例で、2つの時系列を比較すれば似ていることはよく起きる。縦軸のスケールを変えれば、ほぼ50%確率で似る。世界の平均気温にも似ていると突っ込まれている。
2026年6月15日月曜日
不測の事態に備えて、内閣が平民摂政を任命できるようにしよう
天皇の地位の女系継承や、女性天皇を認めるか否かの議論が盛んだ。後継者不在で国事行為を行えなくなると、内閣の発足や法律の改正ができない。超法規的に憲法改正して共和制に移行することになるが、法治国家としてそれは避けたい。後継者を確保する体制を整える必要がある。
2026年5月22日金曜日
アイヌは北海道の先住民族だよ
愛国「右派」の動画配信者や政党政治家が、アイヌが北海道の先住民族であるのか疑いを表明している。しかしアイヌがヤマト(和人)から見て北海道の先住民族であることに、疑問を抱く余地は無い。
ヤマト王権の北海道進出は南部に限っても13世紀以降で、北海道全域に広げたのは19世紀だ*1。アイヌの人々はその前から北海道に住んでいた。言語と宗教などでアイヌはヤマトと異なる文化持ち、アイヌにはヤマトと異なる集団であるという自認があるので、独自の民族として認められる。日本政府はヤマト王権から継続した統治機構と言うことになっているので、日本政府から見てアイヌは北海道の先住民族だ。
2026年5月7日木曜日
NENENENE@研究さんの「女子枠」批判論文の日下田(2024)の紹介は微妙だが僅かにハルシネーション
NENENENE@研究こと國武悠人氏の女子枠批判論文Kunitake (2025)の日下田 (2024)*1の紹介が微妙だが僅かにハルシネーションになっているので指摘したい。ついでに日下田 (2024)自体にある問題点も説明する。
日下田 (2024)は、計量分析を用いて、一定以下の家計所得の大学進学予定者において、私立大学に自宅外通学する意思のない生徒は理工系進学を希望しないことを示した論文だ。私立大学に自宅外通学する意思がないのは所得制約が厳しいためだと解釈している。計量分析の結果と解釈に乖離があるのに注意して欲しい。
2025年11月27日木曜日
地方自治体の業務アプリケーションをOSSにするたった一つの方法とその実現可能性
チームみらいの誰かが地方自治体の業務アプリケーションをOSSにしようと言ったそうで、システム開発に関わる人々が荒れている。
現在はオープンソース製品の利用は一般的で、プロプライエタリ製品でもライブラリとして使っている事もある。メンテナンスが…セキュリティーが…と言うような話もあるが、プロプライエタリ製品の開発が打ち切られる事もあるし、セキュリティーホールが問題になることもある。
問題は、OSSの地方自治体用の業務アプリケーションが存在しないことだ。誰がそれを書くのであろうか。
2025年11月21日金曜日
デジタル庁が公共SaaSのガバクラ縛りを諦めないと、ASP事業者のFinOpsを困難にし、地方自治体は高めの料金を払い続けることになるよ
公共システムの標準化とガバメントクラウド移行の次に、デジタル庁は公共SaaSの推進を行いたいようだ。ガバメントクラウドを利用するという条件がついた役所の基幹業務のアプリケーションサービス化。
SaaSという発想は新しいものではなく、大手システム開発(運用)会社の自治体クラウドサービスが既にある。ガバメントクラウド認定を受けたパブリッククラウドを利用を強制するところが新しい。しかし、FinOpsと言う観点で言うとよろしくない。
2025年11月12日水曜日
2025年11月6日木曜日
デジタル庁苦し紛れのFinOps推し
私が検索する限り、デジタル庁は昨年までFinOpsと言う言葉を使っていなかったのだが、6月頃からFinOpsと言う言葉を使い出した。ガバクラ移行で経費が増えたと言う地方自治体からの苦情を、お洒落な新用語を使って煙に巻こうとする苦し紛れ感が否めない。
FinOpsはアプリケーション開発を内製化しているITサービス向けの行動指針であって、サービスのトラヒックや業務上の重要性の変化とクラウド事業者の提供する機能の追加(や削減)に、随時キャッチアップできることが前提になっている。開発や保守を委託するユーザーには無理があるし、ASPのSaaSを利用するユーザーは関与できない。
2025年10月23日木曜日
対外強硬右派の人々は、「国旗損壊罪」の制定よりも、外国国章損壊罪の廃止を求めるべき
自民と維新が来年の通常国会で「国旗損壊罪」法案を提出すると合意しており、少数与党とは言え愛国右派の野党議員も多いので、成立する可能性はそこそこあるのだが、立法理由のひとつが外国国章損壊罪となっている。
外国国章損壊罪は、①公的機関が公的に掲げた国旗を、②侮辱する目的で③損壊、除去、汚損し、④外国政府から請求があった場合に罪に問われる法律だ。デモ隊が道路で外国の国旗を燃やしたところで適用されない。
2025年10月11日土曜日
石破総理の戦後80年ねっとり所感は、戦後日本の保守政治家の思想として、語り継がれるべきもの
出す出さないで物議のあった石破茂総理の戦後80年所感が表明され、称賛と賛同が多く表明されていた。批判もあるが一定の価値を認めた上で、植民地主義(拡張的領土政策)への批判や周辺国への謝罪が明確にない*1事や、閣議決定を経ない手続き上の点*2を指摘するものが大半だ。所感の内容自体は、概ね妥当なものだと認められている。
2025年9月22日月曜日
質的研究は量的研究と狙いが違うので、サンプルサイズやサンプリングバイアスといった観点で批判しても仕方がないよ(注意:他に問題がないとは言っていない)
2025年9月6日土曜日
2025年9月3日水曜日
Gitは使うのは簡単なバージョン管理システムだよ — 操作ミス後の復旧方法を何となく知っていれば
2025年8月19日火曜日
ベイズ統計学の「小さな世界」は、ベイズに限らずあらゆる計量分析に当てはまる特徴だよ
高名な情報量規準主義者の主観ベイズ統計学への誤解を受けてか、統計学を専門としない数学者が、ベイズ意思決定理論における小さな世界(small world)と言う特徴を3年間ぐらい繰り返し批判している*1。しかし、ベイズ以外のあらゆる数理的分析においても小さな世界を分析することになるので、殊更、ベイズ統計学の欠陥のように取り上げるのはミスリーディングだ。
















