文芸評論家の東浩紀氏が、「“首相の嘘”は囚人のジレンマ状況から生まれた構造的なもの」だと言い出している。
ゲーム理論を持ち出すのはよいのだが、ゲームの構造をはっきり認識すれば曖昧さが排除されて明確な議論になるはずなのに、ポストモダン的に情緒あふれる話になっていると言うか、その前に説明がおかしい事になっているので指摘したい。
インターネット上で話題になっている事件を、理論とデータをもとに社会科学的に分析。
文芸評論家の東浩紀氏が、「“首相の嘘”は囚人のジレンマ状況から生まれた構造的なもの」だと言い出している。
ゲーム理論を持ち出すのはよいのだが、ゲームの構造をはっきり認識すれば曖昧さが排除されて明確な議論になるはずなのに、ポストモダン的に情緒あふれる話になっていると言うか、その前に説明がおかしい事になっているので指摘したい。
アカウントも隠せるはてな匿名ダイアリーで、他のアカウントに罵詈雑言を浴びせていたユーザーが度重なる投稿削除とアカウント停止に腹を立てて、炎上事件ブロガーHagex氏を刺殺する事件が発生した。ネットでのやり取りにおける怨恨が理由だとしては、被害者を選ぶ必然性が薄いなどと色々と困惑が広がっているのだが、怨恨ではなくもっと捻った動機のようだ。この刺殺犯の投稿の断片を見ていると、そこに彼が主張したい規範があり、彼が感じていた世界が見出せ、そして犯行動機が見えてくる。
2018年6月12日の米朝首脳会談後、様々な論評が書かれている。その多くで勝ち負けを言及しているのだが、具体的な合意事項は無く、勝ち負けを言えるほどの変化は無かった。
北朝鮮は核・弾道ミサイルを放棄していないし、日米中韓(そして国連)は経済制裁を解除していない。北朝鮮は核・ミサイル開発を、米韓は軍事演習をそれぞれ暫時停止する双暫停モデルが採用されたから中国が一人勝ちした説は、それが一時的な緊張緩和に過ぎないことを忘れている。
文芸評論家の東浩紀氏をはじめとする批評家が「ゲンロン8 ゲームの時代」で、日本製コンピューター・ゲームの論評をしたのだが、多分に事実誤認があるとゲーム開発界隈の人々に非難されている*1。それに対して東浩紀氏が日経新聞の誌面で反論を試みている*2のだが、なかなか見苦しい詭弁になっているので指摘したい。
ビットコインのような仮想通貨は送金者と受取人の間の取引履歴を記録するために、第三者による特殊な演算が必要になるので、演算を行なった第三者に報酬を与える仕組みになっている。この報酬を狙って日夜計算を行なうことをマイニングと言うのだが、近年、他人の計算機資源を無断で使ってマイニングを行なう輩が発生している*1。ウェブページに仕掛けて、閲覧者が気づかないようにマイニングを行なわせるCoinhiveはそのための典型的なツールだ。
不発になっているのだが、日刊SPA!の「“ウラン残土”リサイクルレンガが一般流通!?」について問題点を指摘しておきたい。
記事では人形峠のウラン採掘時の残土を再利用したレンガが製造され、一般に配布もしくは流通されていたことを問題にしているのだが、人形峠製レンガは日本原子力研究開発機構のウェブページに堂々と掲載されているモノである。
イスラム研究者の池内恵氏が勧めていた『イスラム教の論理』を拝読したのだが、なかなかざっくばらんに書いてあって面白い。テロを起こすのは真のムスリムではないと言った希望的イスラム教観を、コーランを引きつつ否定してくる。
神以外にコーランの正しい解釈を知るものはなく、ムスリムそれぞれが解釈を行なえるので、過激派解釈も誤りと言えないし、むしろ穏健解釈の方が法典からすると危ういところがある。また、イスラム法は西洋的な立法に優越することになっているので、究極的/教条的には非ムスリムはムスリムと共存できないそうだ。
息子がネトウヨになって変な本の話を聞かされるとうんざり感を伴ったツイートを見かけたのだが、そういう事はよくあると思う*1。
親としては教育を施しネトウヨで無くしたくなると思うのだが、どこかで恥をかかないとそうでなくならないから無駄と言う体験談も聞く。諦めるしかないようなのだが、何もしないと心が落ち着かないのが親心。ここは発想を逆にして、歴史などの本を紹介してガチ感を補強してあげよう。