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2026年7月23日木曜日

ニチレイRansomhouse事件からの教訓:エアギャップ・バックアップは役立つ

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2026年7月13日の冷凍食品・低温物流の大手企業ニチレイの大規模システム障害は、ランサムウェアによる被害であることが分かった。ニチレイは不正侵入があったと発表しており、ロシア系クラッカー集団Ransomhouseが犯行声明を出している。

もっとも事態は壊滅的ではないようだ。7月17日から安全を確認できたサービスから再稼働を行い、今週末には被害を受けたシステムも隔離された場所にあるエアギャップバックアップから復旧できる見込みだ。2週間弱で完全復旧となる。アスクルRansomhouse事件と対照的な帰結となった。

2026年4月20日月曜日

フィッシング詐欺はパスキーで防げるわけだけれども…

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大手ポータルサイトのYahoo!Japanがパスワードのみのログインを停止する方針を打ち出した。ケータイを絡めた認証、とくにパスキーを使って欲しいようだ。

利用できるサイトは少ないのだが、証券会社などの大きな金額を扱うサイトも、昨年の大規模不正アクセス事件*1を受けてかパスキーの利用を推奨している。パスキーに対応するためのミドルウェアも概ね揃っており*2、今後、利用サイトが増える見込みだ。

2026年4月18日土曜日

IPv6は地味に普及している一方、IPv4は段々と機能しなくなっている

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IPv4と完全下位互換の「IPv8」ドラフト公開。IPv6は事実上失敗」という記事が話題になっていた。「IPv6は事実上失敗」は「IPv6の課題を克服」に書き直されたわけだが、IPv6に対する漠然とした失敗感を世間は感じているようだ。

実際にはIPv6はハードウェアとソフトウェアの面でほとんど準備完了しているし、既に多くのサービスで利用されていて、一般消費者の皆様も実際に使っている。IPv8が出てきたとしても、拡張されたネットワークアドレスを使うにはハードウェア(もしくはファームウェア)と(その他の)ソフトウェアの対応が必要で、IPv6が積み上げてきた30年間の普及の差を、急いで詰めないといけない。

2026年4月13日月曜日

駆け出し職業プログラマにオススメしたいJavaをPythonのように使う自己研鑽

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新卒ソフトウェアエンジニアの研修にJavaとPythonのどちらを使うべきかと言うお題が話題になっていた。この2つに限らず職場で使っているモノを優先し、この2つのどちらも使っている場合はJavaの方がよいとされている。Pythonの方がちょっとした事に使いやすく自発的に学びやすいから、穏当な考えに思える。

逆にちょっとした事にもJavaを使うと、Javaに慣れるようになる。テキストファイルの操作、ウェブ・スクレイピング、ウェブAPIクライアント、ブラウザーなどのアプリの自動化など、コマンドラインで動かす使い捨て色の強いちょっとした事をこなすコードは、Pythonで書かれることが多い。これらもJavaで書いてみよう。

2026年4月5日日曜日

ガバクラ移行で苦労された地方自治体の皆さん、脱パブリッククラウドはいかがですか?

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デジタル庁のガバメントクラウドに地方自治体の基幹業務を移行させたところ、当初の見込み運用費3割減は遠く達成できず、ほとんどの地方自治体でコスト高になった。

デジタル庁も責任はともかく事実を認めており、ネットワーク構成の複雑化、パブリッククラウドの専門知識のある運用補助者の必要性などを理由としてあげている。さらに、パブリッククラウド向きのアプリケーションの構築、クラウドに詳しい高度人材の育成のような改善策を提案している*1

2026年3月13日金曜日

CI/CDパイプラインがなくともテスト自動化は行えるし、CI/CDパイプラインはテスト地獄で開発効率が低下しがちだよ

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CI/CDパイプラインは、バージョン管理システムへの変更反映をトリガーに、アプリケーションの①ビルド、②テスト、③パッケージング(含コンテナ化)、④デプロイを自動実行する手法で、インハウス開発でウェブサービスを作っていて、DevOpsになっているところで流行っている。

2026年2月20日金曜日

疎結合なアプリケーションを目指したマイクロサービス化は、システム開発を破綻させるので

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デジタル庁は業務システムのマイクロサービス化をずっと推奨している。

マイクロサービスは操作的定義では*1排他的なデータベース利用を行うWeb APIのことだ。他のサービスや(ブラウザーで動くJavaScriptを含む)アプリケーションから呼び出されて使われる。このようなWeb APIの集合体によるアプリケーションを指すこともある*2

比較的新しい設計手法なので優れていると思われがちだが、大概のケースで上手くいかないアプローチだと知られている。

2026年2月16日月曜日

日本医科大学武蔵小杉病院のVPNからのクラッキング被害は、医療機器とその監視用VPNアプライアンスをVLANを用いてネットワーク的に隔離すればたぶん防げたよ

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日本医科大学武蔵小杉病院がクラックされランサムウェアの被害にあった事件*1だが、侵入経路がまたVPN機器とあって、VPNの是非を巡って議論が起きている*2。経験的にVPNはセキュリティーホールになりやすいのは間違いない一方、VPN機器のアップデートがされていなかったり、脆弱なパスワードを利用していたりするのが直接の原因で、テクノロジーが悪いのか利用者が悪いのか明確な境界が無いからだ。

2026年1月21日水曜日

FaaS(AWS Lambda)アプリケーションは、RustよりもGoで書く方が費用対効果が高いことが多いよ

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昨年11月にAWS Lambdaでプログラミング言語Rustが正式サポートされたためであろうが、FaaSにRustが向いているという話がぼちぼちとされている*1

AWS Lambdaは起動・実行時間とメモリー割当量に応じて課金されるサービスで、高速で省メモリーのプログラミング言語に強みが出る用途だ。また、現在はARMアーキテクチャーの方が安いので、クロスコンパイルがしやすいと簡単にお得になる。

2026年1月13日火曜日

デジタル庁が口にしないクラウド利用料削減方法

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デジタル庁ガバメントクラウドチームが言及しない*1が、大きな効果が期待できるガバメントクラウドのクラウド利用料(≠TCO)削減方法がある。プログラミング言語の変更だ。

多くの自治体のシステムはJavaかC#を用いていると思うが、GoかRustに変更することでクラウド利用料を下げることができる*2

2026年1月11日日曜日

ゼロトラストは情シスの仕事を増やす話だよ

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役所の情報システム部の人が、三層分離ネットワーク(多層型境界防御)を批判しつつゼロトラストについて言及しているのだが、近年のランサムウェア事件などを見ると多層型境界防御は有効であるし、ゼロトラストと併用できるしすべきものなので、対比的に扱うのはミスリーディングだ。

ゼロトラストはセキュリティー専門家のJohn Kindervag氏が提唱した概念が原点で、①あらゆる通信の暗号化(と認証)、②ロールベースのアクセス制御を厳格に定め運用、③すべてのトラヒックを検査・ログを記録(さらに自動防御)が基本コンセプトとなっている。境界防御では不十分だと指摘しているが、境界防御があるからと言って危険性が増すと言う話ではない。

2025年12月25日木曜日

Go使いの求職者が少なくとも、プログラミング言語Goの採用をためらわなくてよい理由

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IT系人材斡旋サービスの人が、プログラミング言語Goは小規模低トラヒックのサービスではアドバンテージがなくGoを採用しようとするエンジニアは独りよがりだと言い出した。オーバーエンジニアリングで技術負債になると言っているので、Goは難しく、扱える人材が乏しいという理解のようだ。しかし誤認である。

2025年12月21日日曜日

AWS LambdaなどのFaaSがアプリケーションのポータビリティを下げてしまう理由

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AWS re:Invent 2025での講演でデジタル庁の職員が、ガバメントクラウドでは移植性が重要なのでFaaS(i.e. AWS Lambda)よりコンテナーを使う方が望ましいような事を言って、イマサラふざけんなと言う声があがっている*1。デジタル庁はこれまでコンテナーよりもFaaSを推奨してきた。

2025年12月17日水曜日

アスクルRansomhouse事件からの教訓:エアギャップ・バックアップをとろう

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アスクルRansomhouse事件で、倉庫管理システム(WMS)に「世代管理された隔離された場所にあるエアギャップバックアップや不正侵入検知/防御システム(IDS/IPS)がなかったとしたらびっくりだ」と言っていた*1のだが、2025年12月12日に公開された報告を読むと、そのびっくりであった。

2025年12月13日土曜日

予想に反してNode.jsが普及してしまったことを振り返る

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東日本大震災が起きる前はNode.jsは普及しそうに無いと思っていたのだが、予想を大きく外したことを認めておきたい。Node.jsはサーバーサイドJavaScriptで書かれたウェブアプリケーションサーバー。

2025年12月11日木曜日

パブリッククラウドが必ず良いソリューションだと思っている皆様へ

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"Send this article to your friend who still thinks the cloud is a good idea(拙訳:この記事をクラウドが良い考えだとまだ考えているあなたの友達に送ってください)"と言う記事が流れていた。

この記事の著者はクラウドサービスRailsFastの開発運用者。現在は毎日の数百万リクエストを、サーバー2台構成で処理しているそうだが、脱AWSでコストを10分の1、パフォーマンス2倍にしたそうだ。

脱クラス型オブジェクト指向プログラミング言語Go, Rust, Juliaの時代

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これからプログラミングを学ぶ人はなになにを学べという言語選定談義はソフトウェア技術の流行り廃りを反映する。少し前まではPythonとJavaScript/TypeScriptを推す声が強かった気がするが、最近はシステム開発ではGo、アプリケーション作成ではRust、数値解析ではJuliaに人気が出てきた。

この3つには共通事項がある。クラス型オブジェクト指向言語ではない。オブジェクト指向の要素は残っており、例えばメソッドを構造体に紐付けできるが、言語定義にクラスはない。クラスを除外している理由は開発者が明言しているので、今後、クラスが搭載される可能性も無い。2009年頃までの大きく異なる潮流だ。

2025年11月27日木曜日

地方自治体の業務アプリケーションをOSSにするたった一つの方法とその実現可能性

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チームみらいの誰かが地方自治体の業務アプリケーションをOSSにしようと言ったそうで、システム開発に関わる人々が荒れている。

現在はオープンソース製品の利用は一般的で、プロプライエタリ製品でもライブラリとして使っている事もある。メンテナンスが…セキュリティーが…と言うような話もあるが、プロプライエタリ製品の開発が打ち切られる事もあるし、セキュリティーホールが問題になることもある。

問題は、OSSの地方自治体用の業務アプリケーションが存在しないことだ。誰がそれを書くのであろうか。

2025年11月21日金曜日

デジタル庁が公共SaaSのガバクラ縛りを諦めないと、ASP事業者のFinOpsを困難にし、地方自治体は高めの料金を払い続けることになるよ

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公共システムの標準化とガバメントクラウド移行の次に、デジタル庁は公共SaaSの推進を行いたいようだ。ガバメントクラウドを利用するという条件がついた役所の基幹業務のアプリケーションサービス化。

SaaSという発想は新しいものではなく、大手システム開発(運用)会社の自治体クラウドサービスが既にある。ガバメントクラウド認定を受けたパブリッククラウドを利用を強制するところが新しい。しかし、FinOpsフィノップスと言う観点で言うとよろしくない。

2025年11月6日木曜日

デジタル庁苦し紛れのFinOps推し

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私が検索する限り、デジタル庁は昨年までFinOpsフィノップスと言う言葉を使っていなかったのだが、6月頃からFinOpsと言う言葉を使い出した。ガバクラ移行で経費が増えたと言う地方自治体からの苦情を、お洒落な新用語を使って煙に巻こうとする苦し紛れ感が否めない。

FinOpsはアプリケーション開発を内製化しているITサービス向けの行動指針であって、サービスのトラヒックや業務上の重要性の変化とクラウド事業者の提供する機能の追加(や削減)に、随時キャッチアップできることが前提になっている。開発や保守を委託するユーザーには無理があるし、ASPSaaSを利用するユーザーは関与できない。