新日鉄住金の戦時徴用賠償裁判で盛り上がっているのだが、そもそも徴用と関係の無い何かであるようだ。
国民徴用令は1939年に内地で、1944年から朝鮮半島で施行されているのだが、事件は1943年におきている。しかも「募集官の言葉に騙され日本に渡った」とあるので、「募集」に応じたようにしか思えない。少なくとも徴用の動員令状である「白紙」を受け取った気配は無い(韓国ニュースはKRnews!!)。
インターネット上で話題になっている事件を、理論とデータをもとに社会科学的に分析。
新日鉄住金の戦時徴用賠償裁判で盛り上がっているのだが、そもそも徴用と関係の無い何かであるようだ。
国民徴用令は1939年に内地で、1944年から朝鮮半島で施行されているのだが、事件は1943年におきている。しかも「募集官の言葉に騙され日本に渡った」とあるので、「募集」に応じたようにしか思えない。少なくとも徴用の動員令状である「白紙」を受け取った気配は無い(韓国ニュースはKRnews!!)。
映画「風立ちぬ」で親の帰りを待っている幼い三人兄弟が出てくる事で思い出したのだが、日本の産業史から見て映画の時代背景は興味深い。主人公が勤める三菱航空機名古屋製作所は戦前の大きな労働争議の舞台で、非正規労働者の雇用問題の原点のような場所だからだ(日本の雇用と労働法)。
英語が嫌いな人が読んだら、もっと嫌いになれそうな本があった。『英語の歴史―過去から未来への物語』だ。好き嫌いを正当化するために、ぜひ読むべきだと思う。
言語は時代で変化していくし、変化して行かないと役に立たないが、同意語の多さや、表記と表音のずれなど、英語は特に混沌としている。本書を読むと、この混乱した体系が歴史的に作られて来たことが良く分かる。第1章「国際語としての英語」、第6章「現代の英語」、終章「英語の未来」はこんなものかと思うのだが、第2章から第5章が英語の発展史となっており、歴史の不幸が良く分かる。
オリジナル作品だとして見ればいいのだが、ゼロ戦開発者、堀越二郎の「零戦 その誕生と栄光の記録」は読んでおく必要があると思う。きっと、宮崎駿の“美しい”と、堀越二郎の“美しい”は意味が異なるし、宮崎の描く身勝手さよりも、堀越にある身勝手さの方が、より醜悪だからだ。
本書は、群馬県に生まれ、東大の航空科で学び、七試艦戦、九試単戦(九六艦戦)の開発を担当し、零戦の開発を行い、終戦を迎えるまでの堀越二郎の半生を記した自伝的な内容になっている。厳しい海軍の要求水準に応えるべく、新技術を取り込みつつ、色々と頭を悩ませた事に対する回顧録になっていて興味深い。
テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターの研究者らのPLOS ONEに投稿された展望論文によると、癌に関する公刊された研究の大半に再現性が無い上に、著者の62%は、事実を明らかにする意欲に欠けるようだ(POPSCI)。これは、癌の要因を示す研究も、癌治療薬の研究も含まれる。
EM菌、親学、ナノ純銀などの疑似科学サポーターとして名高い下村文部科学大臣*1が、「学力一辺倒でない人間力を判断する入試のあり方について議論していきたい」と発言して話題になっている(NHK)。早速、インターネット界隈で議論が深まっているようだ。
皮肉に充ちた肯定的な意見として、「馬力が測れるんだから人間力も測れる」と言うものがある。ただし、「SI系で定義できる単位を用いて人間力の定義をしてもらった上で、それを得るための等式を示して欲しい」と言う要望もあり、漠然としたままでは困るようだ。
4月22日にフロリダでアルミホイルと洗剤を混ぜて容器を爆発させる実験を行った16歳の少女、キエラ・ウィルモットさんが、学校内への武器持ち込みや、その使用で逮捕された事件に関して、フロリダ州の法廷は重罪での訴追を見送ったそうだ(POPSCI)。
昨年12月の衆院、直近の7月の参院と連続で惨敗した民主党だが、急いで党の方針を作り直さないと、このまま消失しそうな勢いだ。政党が消失して困る事も無いのだが、立て直す方法を考えてみたい。
まずは惨敗の理由だが、民主党政権時の失政、戦略性や発信力の無さがあげられるが、そもそも党としての方向性の無さが目に付く。民主党は自らの支持者層を認識できていないようだ。
確率・統計が分からないプログラマ向けに良いのでは無いかと、オンラインでフリーで配布されている"Think Stats: Probability and Statistics for Programmers"が紹介されていた。内容が悪いわけではないが、誰が読めばいいのかと言う所がある本になっている。
Pythonと言う広く使われているプログラミング言語をターゲットにしているのは良いところだと思う。英文テキストだと別売と言う事もあるのだが、コードの例や問題の解答もフリーで配布されているのも評価できる。しかし、極端に基本的な内容で、Pythonに特化した中途半端な実践形式にする必要があったのであろうか?
年齢だけがオトナな気もするが、参院選挙の結果で衆愚政治だとか、政治に興味がなくなったとか嘆いている経済評論家や現代思想家がいる。自分の気に入る結果が出ることが、望ましい民主制度でも無いわけな事に気付いていないのが面白い。年齢を重ねても、民主制度に対する無理な期待は捨てられないらしい。
週末の参院選は、争点が盛り上がらないまま向かえそうだ。こういう時は、与野党の政策実行能力や主要人物の叩き合いを見たいのだが、そういう方向にもいかないようだ。
争点が盛り上がらないのは、白黒つけやすい話題が先行していないから。アベノミクスは、日銀の国債買取規模は拡大したが、日銀法の改正は棚上げ、消費税率引き上げ路線も維持されており、財政支出の規模なども一定の枠内に収めるようで、是非の判断を明確にはしづらい(関連記事:萎んでいくアベノミクス)。憲法改正は、現行憲法に決定的な問題点があるわけでもないので改正論者の主張に訴求力が無い上に、改憲反対も改正案が国会を通過したとしても国民投票もあるので重大なトピックになりえない。
BBCが英国はバイオマス発電への補助金を縮小すると伝えている。発電所ごとに最大400MWまでしか援助せず、既存発電所への補助金も2027年までに打ち切られる模様だ。バイオマス発電は植物が固定した炭素を燃やすためカーボン・ニュートラルとして計算されるが、環境活動家から批判を浴びていた。
内科医の@NATROM氏が、(1)化学物質過敏症の存在が十分に明確ではなく*1、また、(2)その治療方法が根拠に基づく治療ではないと批判している*2事に対して、一部の人々が反感を覚えているようだ。
NATROM氏は事細かに反論に答えているのだが、それが存在すると思い込んでいる人々に、実は存在しないかも知れないと説明するのは難しい。しかし、あえて論争をするならば、典型的な実験手順から説明すべきかも知れない。彼らはそこが分かっていないからだ。
疑似科学ニュースが「ICRPはDDREF(線量-線量率効果係数)についても触れている」「DDREFとLNT説を併記しているICRP」と主張しているのだが、モデルを強調するわりにはICRPの放射線防護モデルがどうなっているのか確認していないようだ。ICRPはDDREFを“採用”しており、それに触れているだけでも、両論併記しているわけでもない。
二度もフィッシング詐欺にひっかかりアカウントを乗っ取られた経済評論家の池田信夫氏が、「IT産業より遅れているITユーザー」と言うエントリーで、日本企業は雇用確保のために、情報通信技術(ICT)への投資が少ないので、海外と比較して全要素生産性(TFP)が上昇せず、不況になっていると主張している。かなりおかしい議論になっている。
人工甘味料が不健康だと話題になっている。元ネタは色々とあるみたいだが、ライフサイエンス分野における世界最高峰の学術雑誌であるCellに掲載されたSwithers(2013)と言うサーベイ論文が流れてきた。内容で目に付いた所を紹介したい。
もし生活が砂糖に依存していたら、砂糖を避けるべき9つの理由があるとPOPSCIが報じている。
砂糖はグルコース(ぶどう糖)とフラクトース(果糖)が半々で構成されているのだが、フラクトースが色々な問題を引き起こすらしい。
「疑似科学ニュース」が科学においてモデル化が重要と主張し続けている。勢い余って、いかなる場合もモデルは必須だとも主張している。
モデルの重要性を否定する気は無いのだが、ブログ主がモデルが何か理解していないような気がして来たので、説明してみたい。理論モデルと計量モデル、そして経験則の見分けがついていないようだ。
月齢と人間行動に相関があるので、月の引力が人間行動に影響を及ぼしていると言う説があると言う*1。「月の魔力」と言うらしいのだが、これを「疑似科学ニュース」で、統計だけでは否定するのは困難だと主張している。しかし、この事例では統計的に肯定されているわけでもない。
「統計的消去で擬似相関を見抜こう!」と言うエントリーが、分散分析で擬似相関を識別する方法を紹介している。
この内容は全く正当だし、使っているデータセットは統計的消去の説明のためのものに過ぎないのだが、体格と成績は無関係でしたと言う例は危うい気がしなくもない。実は体格と学力を表す調査はあるからだ。
過去のデータから、近年の日本は公共投資は効果薄で、減税は無駄だと言われているが、それをサポートするような現象が続いている。つまり、東日本大震災の復興事業により、建設労働者が不足している。古典的なケインズ政策が想定している状況とは、ちょっと異なる。
対気速度計ぐらい見てください。航空史上、練度の低いパイロットが事故を起こしたことは多々あるのだが、大型旅客機でパニックにもならずに対気速度計を見なかったケースは、7月6日のアシアナ航空214便墜落事故が初かも知れない。
代替性の高い貿易財であれば、国際競争は生じる。開発途上国にある労働集約的な軽工業は、途上国間で熾烈な競争があると考えられる。しかし、先進国と途上国の間で国際競争は大したものでは無く、むしろ補完的だ。また、非貿易産業に従事している労働者の間では、競合関係にはなりえない。
グラフ作成作業を通して統計解析システムのRの学習をすると良いような話を見かけたのだが、ちょっと無理があるかも知れない。
Excelでも同じ面もあるが、Rのプロットを使えるようにするには、それなりの手間隙がかかるからだ。妙に多彩な色のグラフを自動では作らないが、最初は簡素すぎてどうすればいいか困る。
英国国家職業資格のBTECで測った基準なので技能ベースの比較評価になるが、英国では理系女子はまだ少数派ではあるものの、平均的な成績は男子を凌駕するようになっているらしい(BBC)。
「福島県民の日」と言うのがあって、サマーキャンペーンと言うのを毎年やっているらしい。そで疑似科学と名高いEM菌のイベント「第4回全国一斉EM団子・EM活性液投入」が海の日に企画されていた*1。福島県のウェブサイトからリンクが貼られている(記念事業 - 県中地域)。
これを知らずに現代科学は語れない、魔法のツール、ランダム化比較試験(RCT)を説明してみたい。
この世には様々なバイアスがあるのだが、疫学データには特に入り込みやすい。酒と健康の関係を考えよう。酒量が多い人と、酒量が少ない人を比較すると、前者が後者より健康だったりする。これで酒は健康にいいと結論づけていいのであろうか?
日本だと余り見かけない議論だが、海外だと所得に関係なく一律の所得税率をかけるフラット・タックスはそこそこ見かける政策だ。ロシアやエストニアでは実際に導入されている。理論的には軽減措置の無い消費税と大差ない政策になるのだが、米国でも話題にあがるらしい。
日本のメディアで広く取り上げられたのに注目度がイマイチな気がする、理研のニホンウナギの蛍光たんぱく質UnaGの研究がDVICEで取り上げられていた。寿司ネタとして米国などいたる所で一般的とあるのだが、アナゴと間違えているような気がしなくも無い。
疑似科学ニュースが「(科学の)モデルはシンプルさに価値が有るのであって、現実と厳密に一致するかは二の次」と言い出したので、明確に否定したい。現実と合致しないモデルは、予測にも演繹的な議論にも使えず無価値となる。
現実と合致すると言うのは、モデルが示す条件が整ったときに反証されないと言う事。実験室などで条件が整っているのに、誤差ではなくバイアスが入ると言う事は、モデルの説明力が無いと言う事になる。
某所で古典物理学を引き合いに出して、バイアスや誤差があるから観測データから機械的にモデル化はできないと言う主張をされている。
モデルを機械的に作れと言っているのではなく、統計解析と整合的なモノを作れと言っているので、論点が噛み合わないなと思っているのだが、そもそも古典物理学と観測データの間に、バイアスや誤差がそんなにあったのか気になった。
統計学の教科書のF検定のところなどを読めば書いてあると思うが、線形回帰モデルにおける一次式と二次式の選択は、現代的には統計学的に、つまり機械的に行える。目視で明らかに分からないケースでは、こういう手法が便利だ。
具体例がある方が分かりやすいと思うので、乱数からケースA、Bをプロットしてみた。一次線形、二次曲線、どちらが選択されるであろうか?
英携帯電話会社Vodafoneとサウサンプトン大学の科学者が、体温で発電してガジェットを充電できる寝袋Recharge Sleeping Bagを開発した。熱電素子がついていて、8時間の充電で、11時間の待機、24分の通話に相当する電力が得られるらしい。全然、足りないと思うが、夏のワイト島音楽祭で実験を行うそうだ(DVICE)。風邪をひくぐらい発電量を増やさないと、役に立たないのでは無いであろうか。