2013年1月23日水曜日

萎んでいくアベノミクス

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一日でアベノミクスの正体が随分と明らかになってきた。日銀の“金融緩和”はインフレ目標2%が導入されたものの、フレキシブルなもので政府からの強制能力が低く、国債買入の拡大が発表されたものの現時点では中身は現状維持に近く*1、財政出動は2013年度から事実上の緊縮に入る*2ため、2012年度補正予算の7.8兆円の財政赤字拡大に留まる*3ようだ。

裏切られたと思うか、安心したと思うかは人によるであろう。また、白川日銀の粘り勝ち*4とも、後日に政府と日銀が責任を押し付けあう種を残した*5とも論評されている。「アベノミクスの行き先」でこの展開を予想していて、「りふれ派の社会的機能について考える」で急進的なリフレーション政策は政治的影響力を持たないと主張していた私としては一安心だ。

ところで参院選挙を意識してか安倍総理の自分が日銀を動かしたアピールが強いので、日銀の政治的独立性が損なわれた印象がある。これは望ましい事ではないので、次の日銀総裁には、慶応大学病院と連携した上で、安倍総理が全く感知していないような新政策、例えば名目GDP水準ターゲットをぶち上げて欲しい。

*1日銀の長期国債の保有残高が24兆円(2012年12月末)、34兆円(2013年6月末)、44兆円(2013年12月末)、54兆円(2014年12月末)となり、それ以降は残高維持になる。長期国債の買い切りオペが続く事になるが、2012年に日銀の購入した長期国債は1~3年物がほとんどで、それらは現時点で金利0.7%とほぼゼロ金利で、今後も金利が上昇しないとすると短期国債と変わらない。

*22013年度予算案では、新規国債を税収以下にすると、財政規律に関して具体的な指針が出された(時事ドットコム)。H24年度の当初案で公債金収入44兆2440億円、租税及び印紙収入42兆3460億円とこの指針は守られておらず、増税などによる租税増加が予想されるものの、この指針で財政支出が抑制される事になるのは間違い無いであろう。

*32012年度補正予算案は、現時点で7.8兆円の財政赤字拡大が予定されている(時事ドットコム)。2011年度剰余金や、2012年度の当初予算減額などがあるので、宣伝されている13.1兆円がそのまま財政負担になるわけではない。

*4コラム:白川日銀の粘り勝ち、アベノミクスに軌道修正の気配

*5「2%物価目標のために政府がまず責任を果たす」と政府と日銀が共同声明

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