2025年11月27日木曜日

地方自治体の業務アプリケーションをOSSにするたった一つの方法とその実現可能性

チームみらいの誰かが地方自治体の業務アプリケーションをOSSにしようと言ったそうで、システム開発に関わる人々が荒れている。

現在はオープンソース製品の利用は一般的で、プロプライエタリ製品でもライブラリとして使っている事もある。メンテナンスが…セキュリティーが…と言うような話もあるが、プロプライエタリ製品の開発が打ち切られる事もあるし、セキュリティーホールが問題になることもある。

問題は、OSSの地方自治体用の業務アプリケーションが存在しないことだ。誰がそれを書くのであろうか。

OSSにも色々とあるが、自分や自社が使い続けているソフトウェアを公開するのが、保守と開発が継続される典型例だ。多くの利用者が現れ、さらに金銭的な支援者が出てくると、専業開発者のようになる場合もあるが、少なくとも最初は開発者が必要とするものでないと開発されないと思っていい。他のパターンもあるが、OSSをリリースすることで、関連した自社製品や自社サービスの利用者増えるような経済的利益が付随していたりする。

地方自治体の業務アプリケーションを必要とするのは、地方自治体のみだ。システムをインハウス開発できる金持ち自治体があって、開発したアプリケーションをオープンソース化すればできる。Javaフレームワーク製品で、もともと自社システム用と言うものもあった。なお、既存の開発会社はWordPressのカスタマイズ/運用するのと同様に、自治体OSSのカスタマイズ/運用をする仕事を請け負う事になるであろう。結局人月貸し商売なので、実装した追加機能をオープンソース化する契約も応じると思う。

さて現実を振り返ると、地方自治体にソフトウェア開発チームはいない。抱え込むような金銭的な余裕もない。また、ここ何年間かのデジタル庁は、複数の地方自治体に対してパッケージを販売したり、多数の顧客にSaaSを提供するASP化することを、ソフトハウスに間接的に求めてきている。OSS化はそういうビジネスには馴染まない。一部のライブラリやフレームワークをシェアするようなことはあり得ると思うが、全体をするのは無理がある。

0 コメント:

コメントを投稿