話題になっていた東大アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授の衆議院厚生労働委員会での証言だが、放射線医学総合研究所が「尿中セシウムによる膀胱がんの発生について」を公表し、その内容について問題点を指摘し、「チェルノブイリ事故では小児甲状腺癌以外の放射線被ばくによる健康影響のエビデンスはないと結論付けられており、これが現在の世界的なコンセンサス」だと確認している。市民団体などでは放射能物質の危険性を示す証言として捉えていたので、福島第一原発の災害・事故による周辺汚染の議論に一石を投じるかも知れない。
2011年9月30日金曜日
JavaScriptはダメで代替言語が必要?
"Future of Javascript" doc from our internal "JavaScript Summit"と言うGoogleの内部文書が絶賛公開中となっている。JavaScriptは開発ツール、フレームワーク、速度の問題を抱えており、大規模開発はもちろん、小規模開発でも問題を抱えているそうだ。しかも、内在的な問題で大きな改善が望めない。ゆえに、新たなプログラミング言語が必要だそうだ。
2011年9月28日水曜日
グルーポンがバブルだとは言わないけれども
会計処理を適切にしたら売上が半分になったり、COOが短期間で辞任したり(WALL STREET JOURNAL)、経営陣への多額のボーナスが話題になったり、従業員が残業代の適切な支払いを求めたり(Digital Trends)と紙面をにぎわして、インターネット企業家の関心を惹いているグルーポン(GROUPON)だが、その潜在成長力を見極めるには、もっとサービス自体に目を向ける方が適切かも知れない。
2011年9月27日火曜日
信頼が置けない韓国のインフレ・ターゲティング
韓国の通貨ウォンの価値が対ドルレートで1ヶ月で10%以上と大きく下落しており、1998年の通貨危機後の最安値の水準になっている。外為市場の危機は国技のような国ではあるが、今回はやや様相が異なるようだ。経常収支はアジア金融危機後12年間は黒字を維持している。長期金利は2月の4.76%から、8月は3.96%に低下したが、短期金利は3.13%から3.59%に上昇している。この間、ユーロの金利はあがっているが、ドルはほぼ横ばいだ。通貨供給量も2010年12月と比較して、2011年7月は韓国ウォンのM3は2.8%増加しているが、米ドルも5.7%増、ユーロも1.4%増となっている(OECD)。
金明秀による片山さつき批判の不思議
金明秀関西学院大学社会学部教授が、片山さつき氏の従軍慰安婦問題や、朝鮮学校の無償化問題に関するTweetを「片山さつき氏による見下げ果てた煽動」で批判しているのだが、意味不明だ。金氏は、片山氏の(1)従軍慰安婦問題に関する見解(1965年の「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約」で日本国が賠償責任を負わない上、従軍慰安婦問題が強制連行された事実は無い)も、(2)韓国系法務法人が米国の日本人学校を歪曲教育で訴えた事(朝鮮日報)も、(3)朝鮮学校の反日教育に関する見解にも反論していない。ただ、片山氏の細部のミスを指摘し、社会的弱者やマイノリティの排除を訴えていると主張している。
2011年9月25日日曜日
太陽光発電所の一週間
東京電力が浮島太陽光発電所の発電実績を過去一週間分だけウェブページ上で公開しているので、一週間の傾向を観察してみた。調子良く発電している日とそうでない日のキャプチャをしてある。浮島太陽光発電所は単結晶シリコンを用いた“高級”メガソーラーで、8月10日に稼働が開始した最新設備だ(羽田経済新聞、家電Watch)。太陽光発電の不安定さを感じるには、絶好の資料となっている。
2011年9月23日金曜日
増税賛成のクルッグマンと、増税反対の岸博幸
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の岸博幸教授がノーベル賞経済学者クルッグマンが緊縮財政に反対していることを取り上げ、欧米以上に日本の経済財政運営に対する批判として的を得ており、日本で議論されている増税が問題を悪化すると主張している(ダイヤモンド・オンライン)。
2011年9月22日木曜日
au版iPhoneにインパクトは望めない
10月4日に発表される次期iPhoneの期待が高まっている。マイナーアップデートに留まり名称がiPhone 4GSに留まると言う見方から、変更点が多岐に渡りiPhone 5になると言う予想まで色々 あり、話題に事欠かない。日経からも、ここ数日でau版のiPhoneが発売されると言う噂が出てきた(マイコミジャーナル)。実の所、今年の1月にも噂があったのだが、ガセだった事がある。
消費税は本当に逆進的か ─ 逆進的です
大阪大学の大竹文雄氏と小原美紀氏が、2005年とだいぶ前になのだが、「消費税は本当に逆進的か」と言う記事を出している。
消費税が逆進的になる理由は、高所得者は低所得者よりも消費性向が低いと言う明白な傾向から言えるものだで、それに疑義を投げかけており興味深い。しかし、奇妙な話になっている。
2011年9月19日月曜日
『GALAPAGOS』が死にかけている理由
タブレット端末(EB-W51GJ-R、EB-W51GJ-S)の生産終了で、A01SHの生産・販売が続いているのにも関わらず『絶滅』が報じられた『GALAPAGOS』だが、シャープは来年にも新モデルを投入する事を宣言し、それを否定した(ITMedia)。
『GALAPAGOS』は電子書籍を提供するコンテンツ配信サービスでもあるのだが、タブレット端末に注目がいって、そちらの評価はあまりされていない。そこで『GALAPAGOS』について現状をまとめてみたが、やはり死にかけのように思える。
2011年9月17日土曜日
2011年9月16日金曜日
2011年9月15日木曜日
福島第一原発で汚染された土地が見えない人
皆さんは、この福島県双葉郡大熊町の航空写真を見る事ができるであろうか? ─ 驚くべきことに、全く見えない人がいる。
経済学者を自称する池田信夫氏が、「除染の前にLNT仮説の見直しを」で「福島事故についてはLNT仮説を棄却し、年間100mSv以上の持続的な放射線が観測される土地に限って除染を行なうべきだ。そんな場所は原発のサイト外にはもうないので、」と言っている。もちろん、重大な事実誤認だ。
2011年9月14日水曜日
高齢者雇用対策と若年失業率
厚生年金の支給開始年齢の引き上げで、退職年齢と年金支給開始年齢に差が出る事から、企業に65歳までの再雇用を義務付ける現行の制度をより厳格にする方向になっているそうだ。ただし、定年の延長の義務化は見送られる。
この高齢者雇用対策に関して、労務屋ブログでは若年者雇用に与える影響は少ないものの若者の不満を高めると指摘している。それを受けて、濱口氏が「ワカモノの味方神聖同盟?」で高齢者の自活を促進するほうが、社会保障制度の面から若者の負担が少ないと指摘している。主張はどちらも正しいが、議論が噛みあっていない。
2011年9月13日火曜日
新興国の生産性向上でリーマン・ショック後の米国経済のデフレは説明できない
新興国の生産性向上でリーマン・ショック後の米国経済のデフレは説明できない事を、輸入デフレで米国経済を説明しようとしたエントリー「グローバルに二極化する雇用」の枠組を使って説明したいと思う。貿易財価格の下落が、一般物価水準の下落、つまりデフレをもたらすか、それが米国経済に当てはまるか考察を行ってみよう。
問題のエントリーでは、新興国との競争で貿易財価格の下落は発生しており、それが不況の元になっていると主張している。つまり米国の失業率上昇はデフレによる内需起因では無いと言う主張になっている。以下で説明するが、論理に一貫性があるように思えないし、為替レートと消費性向と言う二つの経済指標を無視している。
2011年9月11日日曜日
2011年9月10日土曜日
タバコと肺がんはほぼ無関係?
武田邦彦中部大学教授が、喫煙率は低下している一方で、肺がん死亡者数は増加している事から、喫煙と肺がんの関係がほぼ無関係だと主張している(日本人が大人になるチャンス・・・タバコの危険性)。
定期的にタバコの危険性は疑われているし、租税に関わる問題であるので疑うべきであろうが、それでも武田教授の主張はかなり粗雑な議論となっている。社会調査のデータ分析に慣れていないと騙されやすい論理展開なので、どこが問題なのか簡単に整理をしてみよう。
2011年9月9日金曜日
よくあるデフレ議論の奇妙な点
デフレーションの言葉の意味を理解しているのかいないのか、経済評論家やブロガーがデフレを論じ出したのだが奇妙な話になっている。なぜ奇妙なのかと言うと、前提とする用語定義や経済モデルを念頭におかないで文章を書いているので細部がおかしくなっている為だ。
文書内で議論が完結しているのであれば良いのであるが、他の論者の意見を批判している場合に用語定義が一致しないと問題認識がおかしくなる。議論の最中に想定されている経済モデルが複数あるとすると、話に整合性がとれなくなる。少なくとも前者は意識して主張を行うべきだ。
デフレーションの定義と原因を確認した上で、経済評論家とブロガーのデフレ議論の奇妙な点をまとめてみた。
2011年9月7日水曜日
2011年9月4日日曜日
iCloudの裏側はMicrosoft Windows AzureとAmazon AWS
The Registerが、Appleの新サービスiCloudの裏側はMicrosoft Windows AzureとAmazon AWSで構成されていると伝えている。公式コメントは拒否されているようだが、Microsoftに近い筋からの情報があるようだ。大規模データをスケール・アウトできるバックボーンをAppleが持たない為のようだ。
2011年9月3日土曜日
レイオフされたエンジニアが元勤務先のサーバーを消去
解雇された従業員が、クラッキング行為で元勤務先に復讐を行う事件が発生していた。
Computerworldによると、シオノギ製薬の子会社Shionogi Inc.を解雇されたJason Cornish容疑者(37)が、2011年2月3日にサーバー仮想化ソフトウェアvSphereのサーバーに米ジョージア州のマクドナルドから不正侵入し、15のVMwareの仮想ホストと88の業務サーバーを削除した疑いで逮捕されたそうだ。同社は、Eメール、出荷・入金等の管理システムが利用不能になり、長期間に渡って会社業務の中段を余儀なくされ80万ドルの損害を被った。