週末の参院選は、争点が盛り上がらないまま向かえそうだ。こういう時は、与野党の政策実行能力や主要人物の叩き合いを見たいのだが、そういう方向にもいかないようだ。
争点が盛り上がらないのは、白黒つけやすい話題が先行していないから。アベノミクスは、日銀の国債買取規模は拡大したが、日銀法の改正は棚上げ、消費税率引き上げ路線も維持されており、財政支出の規模なども一定の枠内に収めるようで、是非の判断を明確にはしづらい(関連記事:萎んでいくアベノミクス)。憲法改正は、現行憲法に決定的な問題点があるわけでもないので改正論者の主張に訴求力が無い上に、改憲反対も改正案が国会を通過したとしても国民投票もあるので重大なトピックになりえない。
自民党はTPP反対と衆院選の選挙ポスターに書いていたのに交渉参加を決定したこと、民主党は与党3年間で実現可能だったはずの政策(e.g. 警察の取調可視化)を実行していないこと、維新の会は石原共同代表が憲法無効を主張していること、みんなの党は未だに埋蔵金と言っていることなど、色々と叩き合う材料はあったはずだ。雇用に関して問題が多いと噂されるワタミの創業者の渡邉美樹氏を候補者にしていて良いのかと言う問題もある。安倍総理が好んで褒め称えるのが戦前の1930年代、1940年代の教育である事や*1、海江田万里氏が安愚楽牧場の事件に間接的ながら関与していた事も、もっと叩いても良い。
選挙結果に対する影響はともかく、叩かれないと何が問題になるのかも、理解できない人々もいるわけで。単なる名前の連呼以外もできるネット選挙であれば、もっと叩き合いもできたと思うのだが(関連記事:ネット選挙で叩き合いを期待したい)。
*1『安倍晋三氏×櫻井よしこ氏 「誇りある日本人として~今、如何に行動して、何を次世代に伝えてゆくか」~G1サミット2011レポート~ 』のジョージ・アリヨシ氏から聞いたと言う、戦後すぐの少年の礼節に関する話題を参照のこと。
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