2018年3月31日土曜日

評価されると思わなければ、改善方法を知っていてもそうはしない

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アフリカのセネガルでは、水っぽい腐りやすいたまねぎばかりが生産されており、高関税にも関わらず輸入代替が進んでいない。農家の生産技術が低いのが原因ではないかと思う人々が多いであろうが、ランダム化比較実験(RCT)を行なったところ、そうではない事が確認されたと言う話が紹介されていた*1。たまねぎが容量で卸されており、重量や品質が考慮されていなかったのが原因だそうだ。

実験手順はかなりシンプル。まず、Senegal River ValleyのPodor地域と言うたまねぎ生産地域の農家34戸全部に、肥料を変更することで高品質のたまねぎを生産する方法を伝授する。次に、半数の農家に、市場に出荷時に重量と品質が公式にラベリングされるようになる事を事前通告する。つまり、事前通告された農家だけが、ラベリングを理由に栽培方法を変更することができる。市場から遠隔地なので、事前通告なしで規制変更を知ることはない。最後に、ラベリングを義務付ける前後の出荷時の価格、重量、品質といった取引情報を比較する。

全体として化学肥料の利用が増しているが、事前通告された農家は有機肥料をより減らし、化学肥料をより増やしており、そうでない農家と違いが見られた。重量と品質別にラベリングをした袋詰めをするようにしたら、農家がたまねぎの品質がより向上させるようになったと言える。日本でも米に等級をつけることで品質向上を図っていたりするので違和感の無い結論だが、同じ作物でも生産農家ごとに値段が変わったりするような事がない途上国があると言うことも分かる。アフリカも経済成長をしている*2ので、遅かれ早かれ過去の話になりそうだが。

1 コメント:

Strawberry Milkshake S さんのコメント...

Jie BaiのMelons as Lemonsの論文と非常に似ていますね。実験のやり方はだいぶ違いますが。

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