安倍総理がトランプ大統領に名指しで腹黒い友人だと非難される事態になっている*1。個人的関係に関わらず通商問題で強硬姿勢をとることは予想されたが、大統領就任前にいち早く会談を申し入れ来日時には盛大に歓待を行なったのに、あえて侮辱されるとは思っていなかったであろう。どうもトランプ氏は安倍氏の媚の売り方が気に入らなかったか、安倍総理をちょろい人物だと理解したようだ*2。
この接待外交、トランプ大統領にだけ効果が無かったというわけでもない。ロシアのプーチン大統領にも、2016年12月の来日時、総理の地元の山口県の温泉旅館で接待攻勢をかけたわけだが、北方領土の共同経済活動や経済協力を約束させられる一方で、領土問題の解決に向けた進展は無かった。今年になって、米企業が色丹島にディーゼル発電所を設置する計画が報じられるなど、共同経済活動どころか単独開発を推し進めている*3。
トランプ大統領に自由貿易の重要性を理解してもらうのは困難な仕事だし、プーチン大統領に限らず領土問題で譲歩を引き出すのは困難だ。安倍総理が成果を挙げられなかったこと自体はやむを得ない。しかし、スケジュールを忙しくして歓待することが意味のあることなのかは考える必要がある。失礼があっては困るのだが、交渉相手も政治的立場があるので気分では動くことはできないし、そもそもビジネスライクで接待を望んでいないように見える。
追記(2018/03/27 06:08):ニューヨークタイムス誌に、安倍晋三はトランプ大統領の親友になろうとしたが、こんな事になったと言われていた。
Shinzo Abe worked so hard to become Donald Trump's best friend. Look where it's got him. https://t.co/SncV0VvbPk
— New York Times World (@nytimesworld) 2018年3月23日
*1日米首脳外交に限界、安倍首相の「片思い」か-北朝鮮、関税で - Bloomberg
*2トランプ大統領が報道されているようなパーソナリティであれば、自分に親切にしてくれる人間は、自分が粗雑に扱っても許してくれると考える。
0 コメント:
コメントを投稿