2012年7月10日火曜日

オスプレイ―固定翼機でも回転翼機でもなくなる「魔の瞬間」って何時よ?

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元官僚の栁澤協二氏が、チルトローター機は「回転翼から固定翼へ、またはその逆の転移がスムーズにいくかどうか」が問題で、「オスプレイの場合、そこに、回転翼の角度を水平から垂直に変える操作が加わるため、難しさが倍増」するため、V-22オスプレイは「世界一危険な飛行機」と言っている(Foresight)。これは大きな誤解である可能性が高い。

1. ヘリと飛行機の中間モードで空を飛べるV-22オスプレイ

普天間に配備してある現行機のCH-46の事故率と比較して、V-22オスプレイが危険と言うわけでも無いし、軍用機は運用が過酷なので事故を起こしやすいのだが、少し技術的な考察をしてみよう。

V-22オスプレイは、ヘリコプター・モードと固定翼モードを切り替える事ができるが、推進力の角度が切り替わるだけで、主翼の角度が切り替わるわけではない。中間モードのまま飛べる(上、写真)し、離着陸もできる。

2. 固定翼機としての揚力は急には無くならない

以下はYoutubeに上がっていた動画のモード変更時の動作をキャプチャーしたものだが、大きなローターの角度が変わっているが、翼の角度は変わっていない事に注意して欲しい。つまり、速度変化による揚力変化はオスプレイも普通の固定翼機も同じだ。これにヘリコプターとしての揚力が加わる。

3. ヘリコプター・モードにある危険性

あえて危険性を指摘すると、低速(時速74Km未満)のときにヘリコプター・モードで急降下するとボルテックスリング(VRS)と呼ばれる現象が発生し、失速しやすいようだ。この場合はヘリコプター・モードから、固定翼モードに切り替えて速度を上げる必要があるが、間に合わないケースがありえる。しかし、これはモード切替が危険だと言うわけではない。

テクニカルに安全性を高めるには、ヘリコプター・モードでの離着陸を避けてもらったり、市街地付近では急降下するような訓練を避けてもらう事を申し入れるべきだと思うのだが、オスプレイの配備そのものに反対している状況では、こういう現実的な安全対策は議論にならないので残念だ。

4. 普天間基地は危険な飛行場?

記事では普天間基地が市街地と密集しているので危険だとも指摘されているが、普天間基地の滑走路は2,743×46mなので、最大離陸重量時の487mを考えても十分なエスケープ・ゾーンがあるとも言える。離着陸に距離が必要な民間旅客機(B777-300の場合は2160m)を、同じような市街地で飛ばしている伊丹空港(3,000×60m)も思い出して頂きたい。

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2 コメント:

fumiya さんのコメント...

元記事に

>チルトローター機は「回転翼から固定翼へ、またはその逆の転移がスムーズにいくかどうか」が問題で、「オスプレイの場合、そこに、回転翼の角度を水平から垂直に変える操作が加わるため、難しさが倍増」する

なんて書いてありません。

>着陸時の速度コントロールは、どんな飛行機でも難しい。早すぎれば着陸できないし、遅すぎれば失速して揚力を失う。オスプレイの場合、そこに、回転翼の角度を水平から垂直に変える操作が加わるため、難しさが倍増する

とは書いてあります。

元記事が「オスプレイは主翼の角度を変えると言ってる」と思ったのはあなたの妄想では?

uncorrelated さんのコメント...

>>fumiya さん
コメントありがとうございます。コピペしたので、確かに書いてあると思いますよ。
あと、元記事に主翼の角度が変わると書いてあるとは、書いていないですよね?

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