自民と維新が来年の通常国会で「国旗損壊罪」法案を提出すると合意しており、その理由のひとつが外国国章損壊罪となっている。少数与党とは言え愛国右派の野党議員も多いので、成立する可能性はそこそこある。
外国国章損壊罪は、①公的機関が公的に掲げた国旗を、②侮辱する目的で③損壊、除去、汚損し、④外国政府から請求があった場合に罪に問われる法律だ。デモ隊が道路で外国の国旗を燃やしたところで適用されない。
インターネット上で話題になっている事件を、理論とデータをもとに社会科学的に分析。
自民と維新が来年の通常国会で「国旗損壊罪」法案を提出すると合意しており、その理由のひとつが外国国章損壊罪となっている。少数与党とは言え愛国右派の野党議員も多いので、成立する可能性はそこそこある。
外国国章損壊罪は、①公的機関が公的に掲げた国旗を、②侮辱する目的で③損壊、除去、汚損し、④外国政府から請求があった場合に罪に問われる法律だ。デモ隊が道路で外国の国旗を燃やしたところで適用されない。
大手企業でのランサムウェア感染が立て続きに報道されている*1。被害にあった大手企業のシステム構成は分からないのだが、販売流通の管理システムが止まっているようで、基幹システムまで打撃を受けており衝撃だ。
ランサムウェアは、典型的には、メールに添付される(かリンク先でダウンロードされる)ファイルを実行したら感染する、PCのドライブのファイルを暗号化して利用不可能にし、複合してほしければ(仮想通貨決済で)身代金を払えと要求してくるコンピューター・ウイルスだ。1989年のAIDS Trojanが最古とされるが、決済手段の問題か当時は流行ることはなかった。近年になり暗号通貨の発明と普及で問題が解決され、犯人が現実的に身代金を得ることが可能になったため、流行している。
2018年10月に「各政党が独自のカラーを出しながらも、大きな部分だけを一致させ、あとの細かな政策の違いはお互いが譲り合う。そこをしっかり調整していけば、野党は必ずひとつにまとまる」と言っていた国民民主党の玉木雄一郎代表*1だが、今年の4月17日に連合を混じえて基本政策の合意を済ました立憲民主党の連立打診に逃げ腰の姿勢を見せ続け*2、昨日の日本維新の会と自由民主党の連立に向けた協議に対し、その直前の立憲民主党・維新・国民の三者協議は何だったのかと文句を言っている。
出す出さないで物議のあった石破茂総理の戦後80年所感が表明され、称賛と賛同が多く表明されていた。批判もあるが一定の価値を認めた上で、植民地主義(拡張的領土政策)への批判や周辺国への謝罪が明確にない*1事や、閣議決定を経ない手続き上の点*2を指摘するものが大半だ。所感の内容自体は、概ね妥当なものだと認められている。
保守分裂選挙となり、維新が奈良県知事をとった2023年の選挙のときの奈良県連会長が高市早苗氏だ。これにより高市氏は調停能力に疑問が持たれていたのだが、早くもその懸念が現実となった。高市自民党総裁の裏金議員を復帰させた党内人事に反発から、公明党が自民党との連立を解消すると通達し、自公連立体制が崩れた。
高市早苗氏が自民党総裁に選出された。野党が突然団結でもしない限り、高市内閣が発足する見込みだ。
高市氏は、保守を名乗る急進右派嫌税排外ポピュリズム色の強い発言をしてきた政治家で、安倍元総理の思想的後継者として振る舞おうとしている人物だ。実際、「保守」界隈で強い人気があり、岸田〜石破内閣で離れた「保守」界隈の有権者の支持を集めることが期待されている。
「地方公共団体情報システム非機能要件の標準」は、業務アプリケーションの稼働環境のRASIS(信頼性/可用性/保守性/保全性/機密性)のための要件をまとめたものだ。
世間水準のシステム要件の最低ラインになっていく可能性が高いので、旧態以前な表計算で書かれた一覧を眺めているのだが、以前にも増して暗号技術の利用範囲が広くなっている。
学生が映画やゲームのポリコレ汚染で論文を書きたいと言ってきたら、まずそれを忘れて作品をよく分析しろと指導すると言う話に、表現規制派フェミニストを非難してきた界隈(表自界隈)から批判が集まっていた。ポリコレ汚染で論文を書くのを止めることが、ポリコレ汚染を助長すると考えたようだ。
だが、この指導は適切だ。なぜならば、ポリコレ汚染で論文を書くのは技術的に難しい。ポリコレ汚染をこの言葉を使いたい人々の直観にあうように定義するのは困難だからだ。
「WEB系」企業がJavaを嫌うと言う話で、「WEB系」とは何か質問が飛んでいた。
ソフトウェアは動けば正義の世界なので、プログラマーの言葉の使い方は往々にして雑だ。考えなしにどんどん新しい言葉を生み出していき、気づくと忘れ去っている。「WEB系」もそういう言葉の一つだ。
さて、話の流れから察すると、「WEB系」はインターネットで提供されるソフトウェア(SaaS)を自社開発している企業のことを指している。システムインテグレーター(SIer)や技術者(のチーム)派遣(SES)ではないWEBの開発に従事している企業やプログラマを指しているので。ソフトウェア以外にもリソースを提供しているので、「WEB系」はクラウドサービス(SaaS)を自社開発する企業と整理できる。
自社開発をカタカナ語で言えば、インハウス開発(in-house development)。使うと言葉が難しくて話が分からない人になれる。
システムエンジニアがテスト項目に沿ってシステムの操作を行い、画面キャプチャーを取って表計算ソフトに張り付けて確認対象の部分を赤枠で囲い、適宜吹き出しなど追加すると言う非効率な結合テストの実施方法への愚痴ツイートがあった*1。
このテスト実施方法は、二つの点で非効率だ。一つは、再テスト実施の労働負荷が高い方法になっている。一つは、キャプチャー画像の管理に使うアプリケーションの選択を誤っている。せめてHTMLで書いたて、テスト項目ごとにページを変えた方がよい。キャプチャ画像に矩形や丸や文字を入れられるツールを探して来る必要はあるが。
先日、Linux Desktopの利用者シェアが5%を超えたと話題になっていた*1。Windows 10のサポート切れと、TPM 2.0必須のWindows 11のシステム要件から、Linuxを試している人が多いのか。来そうで来ないLinux Desktopの時代が来てしまうのか。
手元に古いPCがあったので、私も久しぶりにLinux Mint 2.2をインストールしてみた。ハードウェアの問題が生じづらいので、 Ubuntu Linux 11を最後にLinuxは仮想マシン(VMware/Hyper-V/WSL)で動かしていたのだが、危惧した問題は生じず快調に動く環境ができあ上がった。
「文部科学省は大学の文系学部でデータサイエンスや人工知能(AI)の必修化を促進する」と言う話が報じられていた。今から5年以上前、2019年3月27日に、「文系や理系を問わず全大学生がAIの初級教育を受けるよう大学に要請」という報道があったが、今回はモデルケースとなるカリキュラムの開発が具体的な施策として入った。
𝕏/Twitterでトランプは決して貧乏人を嘲笑わなかったと言う主張を見かけたのだが、トランプ氏には貧乏人をバカにした過去発言がある。
よく知られているのは1999年のNew York Times誌のインタビューでの発言だ*1。トランプ氏が貧乏は愚鈍の証なのだから恥じるべきことだと考えていることが分かる。
将棋の女流棋士がタイトル戦のひとつで順位戦と連動している白玲戦で5期タイトルをとったら棋士になれる制度に関して、「ガラスの天井」と言う言い回しの誤用が多く観察された。
ガラスの天井は役員への昇進など、その条件が不明瞭なときに使うもので、将棋のプロ棋士編入試験のように合格条件と、それを満たしているか否かの判定が明確な場合は、使えない。目に見える壁で、透明とは言えないからだ。
高名な情報量規準主義者の主観ベイズ統計学への誤解を受けてか、統計学を専門としない数学者が、ベイズ意思決定理論における小さな世界(small world)と言う特徴を3年間ぐらい繰り返し批判している*1。しかし、ベイズ以外のあらゆる数理的分析においても小さな世界を分析することになるので、殊更、ベイズ統計学の欠陥のように取り上げるのはミスリーディングだ。
石破総理が戦没者追悼の式辞で反省という言葉を使ったことで「保守」界隈が怒っているのだが、どうも国語的に問題がある。反省は、罪を認めて償うというよりは、過去の過ちから学ぶという意味に近い。日本保守党の百田尚樹代表が「今を生きる日本人がその罪を背負う必要はありません」と非難していたのだが、過去に学ぶと言う事は、罪を背負うと言うことではない。
熟練プログラマが生成AI(LLM)を使うと生産性が低下するという論文(Becker, Rush et al. (2025))が、やはりそうか感をもって受け止められていた。
生成AIは最強のコピペ厨なのだが、コピペ厨の域を未だに脱却できていないので、意外ではない。実際のところ推論などはしていない(Shojaee et al. (2025),Malek et al. (2025))。現状の生成AIはハルシネーションがあるデータの引き出し方が特殊な巨大データベースに過ぎない。
大学入試の女子枠批判者として知られるNENENENE@研究こと國武悠人氏が、「貧困・地方・両親非大卒は(実際には奨学金が充実していたとしても)同境遇者の少なさによって"安全な"大学に出願する傾向が数々の研究で指摘されています」と主張しているのだが、日本ではそんなことは無いので指摘したい。
NENENENE@研究こと國武悠人氏の女子枠批判論文Kunitake (2025)には、統計解析をかけている部分があるのだが、女子枠推進者の主張に対応していないので意味をなしておらず、手法の選択が下手な上に、解釈がおかしいところがあるので指摘したい。
これから研究を学ぶ大学院生が、半年前とは言え学部生のときに書いたペーパーを批評するのは心苦しいが、学術論文として公刊してしまったのだから仕方が無い。気づくと週刊誌に記事を書いているし、社会的影響も出始めている。
NENENENE@研究こと國武悠人氏の女子枠批判論文Kunitake (2025)が、日本の歴史に疎い外国の人々を日本のDEI政策についてミスリードする内容になっているので指摘したい。
"DEI initiatives in Japan are disproportionately focused on gender, primarily on supporting women(拙訳:日本のDEIイニシアティブは、主に女性を支援することで、過度にジェンダー格差を重視している)"と言うNENENENE@研究氏の主張はそうかも知れないが、他のDEI政策への言及が無い。"2.1. The origin and scope of "DEI" in Japan(日本の"DEI"の原点と範囲)"の節は、2006年の女性研究者支援や女性研究者増加策からはじまり、2015年の女性活躍推進法で終わる。
NENENENE@研究こと國武悠人氏の論文Kunitake (2025)のある箇所をチェックしたら、私が確認した限り、ハルシネーションになっていたので指摘したい。スウェーデンと書くべきところを、EUと書いてしまっているようだ。
スウェーデンは珍しく、男女別枠で入学者数を定めることが、行政命令に反すると言う意味で、はっきり違法と言える国だ。
オランダも女子枠が行政命令で止められたので恐らく違法なのだが、フランスやドイツは反例となる制度があり、スペイン、イタリア、ベルギー、オーストリアあたりはよく知られている裁判や制度が見当たらなかった。
ドイツでは大学入試の女子枠が基本法違反だという主張が急速に広まっている気がするのだが、ドイツの大学にも実質的に女子枠があるので記しておきたい。さきほど𝕏/Twitterで教えてもらったことを、ずっと前から知っていたかのように書いておく。
少数の大学の一部の学部学科ではあるが、学部学科と学位は同じだがカリキュラムが異なる女子コースがあり、このコースで修了した事は卒業証書に記載されない。具体的には、ベルリン技術経済大学の情報科学、コミュニケーションと経済学部(Informatik, Kommunikation und Wirtschaft)の情報科学と経済(Informatik und Wirtschaft)、ルール西専門大学ミュールハイム・アン・デア・ルール校の第3学部(Fachbereich 3)の機械工学(Maschinenbau)が該当する*1。
アファーマティブアクションなどDEI施策批判者で、英文雑誌に論文を載せてしまうNENENENE@研究氏が、フランスでは女子枠が違憲だと主張している。
フランスの平等条項は格差是正のためといって、職員の採用では適用されず、クォータ制がある。選挙の立候補者の男女枠に関しては、憲法自体が改正されている。そんなお国柄で大学入試だけクォータ制があるのが謎だ。
「アファーマティブアクション(AA)は支援対象の中で最も恵まれた層(だけ)が得をする」*1「(この)主張はその後の定量的な研究でも裏付けられている」と言うような話を、アファーマティブアクションなどDEI施策批判者で、英文雑誌に論文を載せてしまうNENENENE@研究氏がしていた。しかし、近年の計量分析を用いた実証研究によると、そんなことは裏付けられていないと言うか、むしろ否定的な報告も多数あるので指摘したい。
どこからか拾ってきた絵を持ち出して、海外のフェミニストはマンガ『宇崎ちゃんは遊びたい!』を非難している一方で、映画CUTIESを賞賛しているが、これは女性の年齢や露出度を考慮しておらず、マンガやアニメだから非難している証拠だと言いたそうなツイートが流れていた。しかし、その絵は、海外の大手メディアにまで紹介された映画CUTIESへの非難を無視している。
15年以上前のイスラム過激派のデモ*1を、現在のイギリスのムスリム一般の話のようにツイートしている人がそこそこいるのだが、これはイスラム過激派アンジェム・チャウダリー(Anjem Choudary)さん率いる一派で、ムスリムでもかなり特殊な人々なので指摘したい。
2025年の参院選は、与党の惨敗とポピュリスト政党の躍進と言う結果に終わった。ここで言うポピュリズムとは、官僚や専門家の見解や、彼らが策定している方針に対する反発を指す。
様々なポピュリズムがあるわけだが、財政ポピュリズムと排外ポピュリズムが目立つことになった*1。官僚や財政学者は将来推計をもとに財政赤字の拡大を抑えるための施策を提案しているが、財政ポピュリストは消費税減税や社会保険料削減を謳っている。政府は経済や外交、国際的な非難(人道的な配慮)を考慮して外国人の受け入れ政策をとっているが、排外ポピュリストは、往々にして噂話だけをもとに、他のことは考慮せずに外国人の排斥を訴える。
ロシアのSNS工作がデマによる政府非難を呼び起こし、れいわ新選組、国民民主党、くにもり、日本保守党、参政党といった政治的に極端な位置の新参政党の躍進を招いていると、山本一郎氏が主張している*1。
欧米で確認されているのでロシアのSNS工作が日本で展開されていても不思議は無く、バズりそうなデマを好んで拡散するPV乞食も多くいるのでデマの拡散が成功している可能性は高いと思うが、それで与党の支持率が落ちて新参政党が伸びているかは分からない。
日本保守党事務総長の有本香氏の「橋下徹、上海電力コネクション」と言う記事が掲載された号などをめぐっての橋下徹×Hanada訴訟は、地裁と高裁で橋下氏の勝訴となった。
有本氏は同じテーマの他の記事が問題となったとしているが、橋下氏は二つまとめて名誉毀損があったかのように報告している。判決文が公開されていないの真偽不明だが、有本氏の記事も「橋下市政と上海電力脱法的スキーム」と書いたものがあり、穏やかではない。
2025年6月27日にデジタル庁の「ガバメントクラウドにおけるモダン化の定義」が修正され、自治体システムのガバクラ移行の必須要件ではないと明記された。この文書、技術的に頓珍漢に思える部分が多数あるので何度か検証してきたが*1、国語的にも奇妙だ。
「デジタル庁では、デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会を目指します。」と言うスローガンが理解できない。サービスを選ぶのは誰であろうか。ここで言うサービスは、公共サービスのことで、情報サービスのことではないと理解してよいのであろうか。
ジェンダー法学者の島岡まな氏へのインタビュー*1が公開され、そのはちゃめちゃな主張が多くの人の困惑を招いている。今回は具体的な論評を置いておいて、インタビューを読む前に知っておくべきことを列挙しておきたい。
「疑わしきは罰せず(in dubio pro reo)」は元がラテン語だけに日本だけの話ではなく、フランスでも同様。また、それは被害者に厳しくあたるためではなく、検察官の横暴を抑制するための原則。性犯罪は密室での行為になるため、現実としては推測に頼る部分もあり、有罪判決後に冤罪や狂言が発覚した場合もある*2。
「クロス集計表を作るのは簡単だけれど、カイ二乗検定の説明になると難易度が数段上がってしまう」と言うツイートを見かけた。まさにその通りで、クロス表の独立性検定はよく見かける一方で、その説明は難しい。
クロス表は二種類の因子の組み合わせごとの度数をまとめた表のことで、独立性検定とは二種類の因子に相関が無いと言えるかを調べる方法だ。共変量を統制できないので効果的に利用できる場面は限られるが、入門レベルの教科書や学部の講義ではよく紹介されている。
アファーマティブアクションなどDEI施策批判者で、英文雑誌に論文を載せてしまうNENENENE@研究氏が、「欧米先進国で「女子枠」「黒人枠」「地方出身者枠」のような選抜方式になっていないのはアファーマティブアクション(AA)は支援対象の中で最も恵まれた層が得をするという事実があるからです(Sowell,2004)」とツイートし、統計学と経済学の博士号を持つ大学教員のマクリン氏に、Sowell (2004)は事実を示したと言える論証を行っていないと批判されている(togetter)。
アファーマティブアクションなどDEI施策批判者で、英文雑誌に論文を載せてしまうNENENENE@研究さんが、再生医療を専門とするイリノイ大学の研究者、山田かおり氏の主張を批判する文脈で出した論文の要約が、よく読むと女子枠を女子枠を(牽強付会すれば)正当化しているので指摘したい。
デジタル庁が詳細設計をするわけではないのでプログラマ的には問題ではないが、その説明が拙いために役所の情シスの皆さんを困惑させている気がするので指摘したい。デジタル庁クラウドチームの「非同期処理」の説明は混乱している。
デジタル庁クラウドチームはモダン化されたシステムの要件として、非同期処理を勧めて来る。