2025年7月18日金曜日

日本保守党の三名(もしくは四名)の議論の仕方は、民主主義にとって害悪

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日本保守党事務総長の有本香氏の「橋下徹、上海電力コネクション」と言う記事の内容を巡った橋下徹×Hanada訴訟は、地裁と高裁で橋下氏の勝訴となった。

有本香氏は津田大介氏への名誉毀損も認定されており、地裁判決は報道もされていた。控訴審も、最高裁が有本氏の控訴を棄却したと、2月28日のポリタスTVで津田大介氏が報告していた。驚くべきことに、有本氏は「一審、二審とも勝訴しました」とツイートしているが。

代表の百田尚樹氏も津田大介氏との裁判の他、著作のノンフィクション小説『殉愛』で虚偽の事実の摘示による名誉毀損が認定されている。また、百田氏は2020年のアメリカ大統領選挙で、大規模な不正があったと主張していた*1。しかし、投票機に不正があったというデマを報じた米FOXニュースは7億8750万ドル(約1060億円)の*2、ジョージア州の選挙管理職員2人が不正に関与したとデマを流したジュリアーニ元ニューヨーク市長が1億4800万ドル(約210億円)の巨額賠償を命じられている*3

著名人への批判において名誉毀損で不法行為が認定されるときは、虚偽または無根拠な事実の摘示があることがほとんどだ。公共性や公益目的は容易に認めてもらえるため、そこが争点になる。デマを吹聴した証と思って問題はない。

日本保守党の中心人物二名は、無根拠に他人を悪く言って来た。そして、それを反省できていない。有本香氏の判決に関するツイートは(報道されている有本×津田裁判は他にないはずなので)虚偽であるし、百田尚樹氏も相変わらずだ。

昨年の衆議院東京15区補欠選挙で「岸田文雄さんの政治資金パーティー券の大半を中国人が買っている。これは合法的な賄賂です。」と言っていたが、岸田総理(当時)の属する宏池会のパーティーに中国人が多数がいたと言う報道があるだけで、大半と言えるような情報は無い。本人も分かって「証拠はないです。」と言っている。

百田氏と有本氏以外の党員が無問題とも言えない。参院選の候補者の小野寺まさる氏も、2015年に京都市の写真家久保憲司氏から訴訟を起こされ、和解とはなったが、小野寺氏は謝罪に追い込まれている*4。小野寺氏は反省したのか、その後、個人に対しての誹謗中傷は無さそうではあるが、アイヌ問題に関してデマを吹聴し続けていると批判されている*5

日本保守党の候補者である北村晴男弁護士も、石破首相/自民党総裁が「党の全候補者、国会議員に「選挙期間中、党や政策への批判を禁ずる。違反した者は厳罰に処する。違反を知った者は党紀委員会に報告せよ」との前代未聞の通達を出した」と主張しているが、明確な根拠は示していない。虚偽であれば名誉毀損どころか、公職選挙法違反(虚偽事項公表罪)になるのではないかと批判されている。該当すると言われている文書では、党議を尊重しろと書いてあるので、党や政策への批判を禁ずると言う解釈はできそうではあるが、「違反した者は厳罰に処する。違反を知った者は党紀委員会に報告せよ」に該当する部分は無い。

政敵への誹謗はともかく中傷は民主主義を脅かす。善人を排斥してしまうからだ。また、なるべく正しい情報から分析をしないと、適切な政策判断ができるとは言えない。政策面で日本保守党の支持者の皆さんが見落としがちなことが色々とあるのだが、こういう政敵への批判で重要な情報を落としていることを誤魔化されていないであろうか。

百田尚樹氏と有本香氏は、仲間である/仲間であった河村たかし氏や飯山陽氏と揉めていて、どうも日本保守党は組織として大きくなっていけそうにないが、百田氏と有本氏のこれまでの議論の進め方は国を滅ぼす政治のあり方だ。政治思想に正解は無い。少なくとも現在まで正解は確定していない。だから保守であっても革新であってもよいのだが、熟議から利益を得るためには真摯に議論する必要がある。政治家も人間なので、筆が滑ることも、勇み足のこともあるとは思うが、反省や謝罪なく開き直られても困る。

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