参院選では少数政党の参政党が、その人気が急上昇したため、メディアに注目されている。参政党は、これまで公約や神谷宗幣代表の反在日外国人(日本人ファースト)、反ワクチン*1、反農薬・反化学肥料*2、反男女機会平等、親ロシア*3、反小麦*4といった言説で目立ってきた。
興味深いことに、個々の政策についてそれほど執着する気は無いようだ。2025年7月6日のTBSのインタビューで、「これは選挙のキャッチコピーですから、選挙の間だけ」と明言している。また、神谷代表のこれまでの発言も修正されてきているようだ。
信念なく出任せを並べているように感じてくる。しかし、その姿勢にある種の一貫性はある。政府や規範に反発する人々の声を取り上げている。東京都在住の川口自警団*5のような排外主義者や、ワクチン嫌いのオーガニック好き自然派ママ、ジェンダー平等嫌いの頑固親父ワナビーなどの社会の異端、しかし一定数はいる人々の声を反映させている。
言説は信念を反映しているものでは無いようなので、集票目的の行為だと受け取るべきであろう。まぁ、部分的にでも評価されれば、与党への不満が高まっているときに受け皿になれる可能性があり、実際に、今、人気が上昇している。神谷代表はもともと自民党にいた人で、選挙後は自民党との連立を望んでいるようだ。今の状況だと10議席ぐらい確保できるそうで、狙いが実現できそうな雰囲気は出ている。
*1大人数へのワクチン接種後の体調不良はほぼ必ずあるので、参政党の公約の「副反応の因果関係がはっきりしない場合でも「疑わしきは接種(投薬)しない」という原則に則り、接種を中止する。」は、ワクチンの定期接種を不可能にする。予防医療重視といいつつ、その中核になるワクチン接種を不可能にしようとしている。
*2日本の農業に農薬と化学肥料が多く使われているので、日本の野菜より中国の野菜の方が安全と言い出したことがある。選挙公約でも有機農法推しである。なお、国をあげて有機農法に転換しようとして、生産量が激減したスリランカの事例がある。
*3ロシア政府の荒唐無稽な主張を肯定し、ウクライナのゼレンスキー大統領を非難していた(参政党 -sanseito- | ウクライナのゼレンスキー大統領は愛国者か?)。
*4神谷宗幣 (2022)『参政党Q&A基礎編』に、そのような記述があるそうだ。
*5クルド人とのトラブルも?行政の課題は?「川口自警団」と考える外国人との共生 - #アベプラ【平日よる9時〜生放送】 - 企画 (ニュース) | 無料動画・見逃し配信を見るなら | ABEMA
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