経済評論家の池田信夫氏が「3種類のアベノミスト」でアベノミクスの支持者を分類しているのだが、奇妙な事になっている。
アベノミクスは非伝統的な金融政策と拡張的な財政政策のポリシーミックスだと考えられるが、財政出動への賛否が無視されている。また流動性の罠(ゼロ金利制約)への認識で意見が分かれるが、この単語に言及されていない。インフレ目標政策や、量的緩和の種類にも言及されていない。分類するのであれば、以下の項目について議論が欲しい所だ。
- 現状認識
- 金融市場
- 実物貨幣(マネタリーベース)の不足
- 流動性の罠(ゼロ金利制約)
- 政府債務
- まだまだ余裕
- 危機的状況
- ここ数年間の景気
- 回復基調にあった
- 不況が続いていた
- 金融市場
- 非伝統的金融政策
- コミットメント/時間軸政策
- インフレ目標
- フレキシブル
- ハード
- 名目GDP水準目標
- インフレ目標
- 量的緩和
- 短期国債
- 長期国債
- その他金融資産
- 日銀引受
- 日銀ミッションの変更
- 雇用の拡大
- コミットメント/時間軸政策
- 財政政策
- 増税延期/減税
- 公共投資の拡大
大抵の経済学者は流動性の罠(ゼロ金利制約)にある事は認めているように思える。フレキシブルなインフレ目標政策は、増税派を含めて人気の政策だ。公共投資の拡大は、ノーベル賞経済学者のクルッグマンらは主張しているが、浜田宏一イェール大学名誉教授を含めてリフレーション政策推進者でも懐疑的な人は多い。アベノミクスの支持者の持論の幅は広いと考えられる。
アベノミクス自体が選挙前と比較して萎んでいっており、詳細がどうなっていくかは実は良く分からない。だからアベノミクスの支持者も、大雑把に安倍総理の姿勢を支持しているに過ぎないと思われる。また経済状況も、雇用情勢は回復基調が続いているし、円安などの効果もあってインフレ率も上昇してくると思われ変化が予想される。アベノミクス支持者が、アベノミクスを支持し続けるかも分からない。
1 コメント:
たかだかブログ記事に詳細な分類を押し付けるのは難癖にしか見えなかったり。
それはそれとして。
確かにアベノミストと銘打ったわりに財政出動に関する言及が無いのはおかしいですね。
リフレ派の主張を分類したなら分かりますが。
エコノミストや評論家を中心に貨幣数量的なアプローチを主張している人と、経済学者を中心に期待への働きかけを重視している人に分かれているように見えます。
とはいえ、最近では前者も期待への働きかけを(後付ではありますが)主張しだしているし、後者も元々は前者のアプローチを取っていたと記憶しているので、分ける事に意味があるのかどうか???
「2、インフレ予想」「3、偽薬効果」を分ける意味も分かりませんし。
あと「1、素朴な貨幣数量説」は恐らく池田氏が言うような19世紀的なマネタリストではなく、先日のコメントでも書いた70年代~80年代の米国で流行した Political Monetarism が日本にも広まったと言う事でしょう。いわばリフレ派のルーツっぽい。
4つのマネタリズム
http://hicksian.cocolog-nifty.com/irregular_economist/2006/04/4_f2c0.html
ついでに。
>大抵の経済学者は
これが誰の事かは分かりませんが、自分から「リフレ派である」事を名乗っている人達はちょっと違うような気が。
リフレ派は流動性の罠を無視、或いは軽視しているように見えるし、提唱するインフレ目標はフレキシブルではなくハードです。
全般的に財政出動には消極的(金融政策だけでOK)だし、そもそも「デフレは貨幣的現象」と言っているのはリフレ派を除いてはスコット・サムナーら、一部のマネタリストだけのような???
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