元モルガン・スタンレーMUFG証券チーフエコノミストの佐藤健裕氏が金融政策決定会合で、消費者物価の1%の目標値を「見通せるようになるまで」から「安定的に達成するまで」に変更するように提案し、賛成2・反対7で否決された(日本銀行)。
賛成した2名は上述の佐藤氏と元野村証券チーフエコノミストの木内登英氏で、2012年7月に民主党の野田内閣の下で就任している(関連記事:リフレ派のささやかな政治的な勝利)
日銀の『保守的な姿勢』を見て日銀法改正を主張する論者は少なくないのだが、この提案と棄却を見る限り、結局は人事面での問題で、日銀法自体の問題では無いように思える。2008年に与野党の対立で国会人事が混乱していなければ、佐藤氏に賛同している委員が多かったかも知れない。2013年4月までに日銀総裁と副総裁2名が入れ替わるため、非伝統的な金融政策に理解がある人が就任すれば、佐藤氏の提案が受け入れられるようになるであろう。
なお、この提案自体は急進的な要素も無く、妥当と思う人が多くいる主張だ*1。白川日銀総裁が何だかんだと量的緩和には応じる一方で、インフレ目標と言う単語を極力避けており、物価安定の理解や目処と分かりづらい言い方を続けている理由をぜひ拝聴したい。
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