2012年12月1日土曜日

自民党ならば外交問題は全部解決?

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安倍自民党総裁が、自民党には外交力があるので対中・対韓・対ロ関係で日本有利に交渉を薦められると主張*1している(Ustream 1:03:52~)。この自信はどこから来るのであろうか?

自民党政権でも尖閣沖衝突事件は発生したであろうし、2004年の小泉政権時に中国人活動家7人が魚釣島に上陸している。竹島の問題に関しては自民党は消極的で、1962年に国際司法裁判所への付託提案を行ったものの拒否されており、韓国大統領に書簡を送ったのは2012年の野田総理が初だ。

さらに安倍総裁は米オバマ政権が熱心だとされるTPPに対して、交渉参加にさえ消極的な姿勢を見せつつ、米議会から為替操作国認定を受けそうな官民協調外債ファンドで円高対策を目論んでおり、むしろ対米外交では問題を引き起こす可能性がある。安倍氏の主張するように日米関係の軋轢に中韓につけこまれているとするならば、安倍自民党こそが外交問題でのリスク要因になる。

安倍総裁は聖域無き関税撤廃は、関税自主権を手放す事になると煽っているが、加盟や脱退は自主的に行うわけで根本的に認識がおかしい。WTOに参加しているからと言って、関税自主権を手放しているわけでもない。どこが「聖域」でなぜ守らないといけないかも説明していないが。

確かに鳩山政権は米国の信頼を失ったとされ、菅政権は尖閣沖衝突事件で混乱をしていた。しかし、野田政権になってからは概ね日本の外交的なポジションは明確化されたように思える。野田氏の国連総会での婉曲的な表現や、日米合同演習の中止について批判するなら分かるのだが、漠然と自民党には外交力があると言われても理解し難い。そもそも外交の大半は官僚が行っているのだから。

*1麻生政権のときに大型の補正予算を、民主党政権が減額補正してブレーキと言いつつ、麻生政権では歳出81兆円、鳩山政権では歳出95兆円と財政支出が拡大していると、論理的な整合性が良く分からない主張もある。

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