驚いたのだが、12月12日のFOMC会合でFRBが失業率に関して目標を公言した(Reuters)。2.5%以下のインフレ率見通しを前提として、失業率が6.5%になるまで金融緩和を継続するそうだ。量的緩和の拡大も決定された。今まで2%だったインフレ目標値の引き上げになる。
FRBは雇用最大化も目標に入っている珍しい中央銀行なので、失業率目標自体は意外ではない。しかし、2012年1月の時点では、雇用に関しては金融政策以外の経済構造に依存する部分が多いため、目標を求めないと説明されていた(関連記事:FRBが目標インフレ率2%を宣言)。
来月のインフレ目標の定期改訂タイミングでは無く今月に発表したことに、何かの景気指標が悪化しているのでは無いかと勘ぐってしまう。10月までは、インフレ率は低下傾向で、失業率は微減と言った感じだ。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | |
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PCE指数 | 2.4% | 2.4% | 2.2% | 1.9% | 1.5% | 1.5% | 1.3% | 1.4% | 1.6% | 1.7% |
失業率 | 8.3% | 8.3% | 8.2% | 8.1% | 8.2% | 8.2% | 8.2% | 8.1% | 7.8% | 7.9% |
1 コメント:
相変わらずバーナンキはアグレッシブですね。
白川さんがアグレッシブになったら、それはそれで怖い気もしますが。キャラクター的に。
>今まで2%だったインフレ目標値の引き上げになる
目標値の引き上げ、というより長期的な目標(2%)を短期的に多少(0.5%)越えても直ちに引き締めに動く事は無い、といったニュアンスのようです。
FOMCの声明文などを見る限り、緩和の強化というよりは、より政策運営の透明性を高めて市場の予想を安定化させるという、現代の中央銀行が進んでいる方向性に沿った物かと思います。
「これらの数値基準について、期日に基づいた従来のガイダンスと整合性が取れている」
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPJT825847820121212
「むしろ数値でガイダンスを明示的に示した方が、市場参加者は次に取るべき行動を予期しやすくなり、合理的なリアクションが期待できる」
http://blogos.com/article/52144/
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