中年以降の人で、最近、物忘れがひどくなったなと思う人は少なくないと思う。人間ではごく当たり前の老化現象だが、どうもミツバチでも同様に脳の働きが衰えるらしい。
アリゾナ州立大学とノルウェー大学生命科学学部の研究者が、巣箱を移動させた後のミツバチの年齢による適応能力の変化について実験し、この事実を確認した(Mail Online)。
巣箱移転後に、出かけてから3~4日間の飛行時間で蜜を発見してくるミツバチはとても良く訓練されていると言えるのだが、成熟したミツバチは5~11日で巣に往復でき、年寄りのミツバチは2週間以上の時間がかかったそうだ。
また、新しい巣箱に巣を移動させ、古い巣箱を封鎖した上で、新しい巣箱の位置を学習させるために数日を経過させた。その上で新しい巣箱を分解して、さらに別の巣箱を用意した。その状態で、成熟したミツバチと年寄りのミツバチに、これら3箇所の巣箱のうちどれかを帰還先として選択するようにしたところ、年寄りのミツバチは封鎖されて使えない古い巣箱に戻りがちであったという。ただし、少数の年寄りのミツバチは、成熟したミツバチと同様に賢く振舞ったそうだ。
従来の研究では、研究所の中で花の香で訓練したときに年寄りのミツバチは学習能力が低い事が分かっていただけだったが、この研究では屋外でも同様の効果が確認されたとのこと。
研究チームは脳の機能の個体差が今後の研究において重要なような事を述べているが、脳が衰えていくのは個体差があっても自然の法則のようだ。
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