同時多発テロや、その後の自爆テロの影響で、すっかり空港のセキュリティーは厳しくなった。しかし厳密なボディー・チェックは搭乗時間がかかり、運行に多少なりとも支障がある。そこで、最近は、電磁波を照射して搭乗客の服を透視するボディー・スキャナー(エアポート・スキャナー)と言われる機械が設置されるようになってきた。
このボディー・スキャナー、価格も高いし(15万~20万ドルと言われる)、性能的に持ち込み禁止物を見逃す恐れもある(Boing Boing)のだが、搭乗客の胸や局部が見えてしまうためプライバシーの問題も常々指摘されている。実際に抗議活動も起きているし(Wired Japan)、ロンドンのヒースロー空港の警備担当職員が同僚女性の裸を不必要に見て問題になったり、スキャナー映像が元で喧嘩になったケースもあるようだ。
以下はスキャン画像だが、見えると言えば恥ずかしいところも見えるので、人によっては不愉快に思う事はあるだろう。
さて、FlightBloggerによると、このプライバシーの問題をあっさり解決する製品が発売された。
flyingpasties(空飛ぶ粘々)と言う製品で、電磁波を発生するネバネバを肌の上か服の上やひっつけ、ボディー・スキャナーからプライバシーを保護するようだ。確かにボディー・スキャナーを無効化できる。しかし、当然陥るジレンマとして、ボディー・スキャナーを無効化してしまったら、ボディーチェックを受けないと空の安全は確保できない。単なる警備担当者泣かせのグッズだ。
現状ではボディー・スキャナーは実験的に導入されているケースが多く、搭乗者の任意で利用されている。しかし、警備にかかるコストは年々と増加しており、例えば英国では空港の営業費用の5~8%を占めると言う(GlobalPost)。将来的には全面的に利用して効率化し、経済性と安全性を両立させる気でいたようだが、新技術は新技術で対抗されてしまうようだ。
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