今年は世界的に異常気象で、気象学者のJeff Master博士がBLOGで世界14か国の最高気温が更新されたと述べている(Dr. Jeff Masters' WunderBlog)。キプロス島でも最高気温を更新したので(Huffington Post)、既に15か国が熱波の影響を受けていると言える。もちろん過去の記録の信頼性が低い開発途上国も含まれており、2007年にも15か国の最高気温が更新されているが、それでも異常気象と言える状態なのは確かだ。
1. ヨーロッパとアジアが暑い!
以下が、その最高気温を更新した国のリストになるが、ヨーロッパとアジアで猛暑なことが分かるであろう。
- 1. フィンランド
- 7月29日にヨエンスーで37.2℃を記録し、1914年7月9日のJvaskylaの35℃を更新。
- 2. カタール
- 7月14日にドーハ空港で50.4℃を記録。
- 3. ロシア
- 7月11日にカルムイク共和国のヤシュークルで44.0℃を記録し、1940年8月6日のカルムイク共和国Alexander Gajの43.8℃を更新。
- ウラル山脈の東側(アジアに分類)のベロゴルスクでも42.3℃を記録し、2004年7月21日のアクシャ近郊での記録を更新。
- 4. スーダン
- 6月25日にドンゴラで49.6℃を記録し、1987年7月のAba Hamedの49.5℃を更新。
- 5. ニジェール
- ビルマで6月22日に47.1℃、6月23日に48.2℃を記録し、1998年5月24日のビルマの47.1℃を更新。
- 6. サウジアラビア
- 6月22日にジェッダで52.0℃を記録し、アブカイクの51.7℃を更新。
- 7. チャド
- 6月22日にファーヤで47.6℃を記録し、1961年6月9日の47.4℃を更新。
- 8. クウェート
- 6月15日にAbdalyで52.6℃を記録し、2007年7月27日の51.9℃を更新。首都でも51℃に達した。
- 9. イラク
- 6月14日にバスラで52.0℃を記録し、1937年8月8日のシュアイバの51.7℃を更新。
- 10. パキスタン
- 5月26日にモヘンジョダロで53.5℃を記録した。これは過去にアジアで記録された最も高い気温だ。
- 11. ミャンマー
- 5月12日にMyinmuで47℃を記録し、1998年5月9日のミンブーの45.8℃を更新した。これは南アジアで歴史上もっとも高い気温だ。
- 12. アセンション島(大西洋の孤島)
- 2010年3月25日にジョージタウンで34.9℃を記録し、2003年4月のジョージタウンの34.0℃を更新。
- 13. ソロモン諸島
- 2010年2月1日にLata Nendoで36.1℃を記録し、Honaiaraの35.6℃を更新。
- 14. コロンビア
- 2010年1月24日にプエルトサルガルで42.3℃を記録し、1988年3月のサルトの42.0℃を更新。
- 15. キプロス
- 8月1日に46℃を記録し、1956年の30.2℃を更新。
2. 北米も暑い!
都市別で見ると、北米のニューヨークも39.4℃と最高気温を更新しており(Mail Online)、熱波は世界的に影響を与えているようだ。どこの国の写真を見ても、とりあえず川でも噴水でも水に飛び込めと言う状態になっている。最終的にはもっと多くの国で最高気温を更新する可能性が高い。
3. 原因はジェット気流の乱れ
既にメディアが何度も報じているが、異常気象の原因は偏西風(ジェット気流)の乱れだと思われている。右はMail Onlineの記事より転載したジェット気流を表す図だが、平年よりも蛇行した動きになっているのが分かるであろう。偏西風が北側に蛇行すると、暖かい高気圧に覆われ気温が上がりやすいそうだ(毎日jp)。
蛇行した原因は、北大西洋低緯度の高い水温で上昇気流が活発化して米国東部で高気圧が発達したためだと言われており、また、平年と異なり北極付近の気圧が低く中緯度が高いため寒気が北極に蓄積され欧州やシベリアで猛暑になりやすいらしい(日本経済新聞)。
4. 異常気象の頻度は上昇している
今回の異常気象と地球温暖化を結びつける情報はまだ無い(2003年のジェット気流の蛇行と温暖化の関係は主張されている)が、気象庁によると異常高温の頻度は1901~30年に比べ、1975~2004年は東アジアで2.16倍、欧州で2.53倍と増加傾向にあるらしい(日本経済新聞)。欧米の街中でびしょ濡れになっている若い女性の写真を見るのも夏の風物詩として悪くないかと思うかも知れないが、給水や換気に気をつけ無いと気づいたら熱中症で死んでいるかも知れないので、今年のように異常気象のときは、気持ちを引き締めて生活した方が良さそうだ。
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