米国ブリストル大学が、ホオジロザメの背びれから自動的に固体識別を行うシステムを開発したと、Mail Onlineが伝えている。インターネット経由で多くの非研究者からの情報を整備することが可能になることから、ホオジロザメの個体数と行動の解明が期待されており、さらに、このシステムのサメと生息域の記録は、交配や産卵を含むまだ目撃されていないサメの行動の発見に役立つと考えられる。
この国際調査チーム、国際ホオジロザメ・フォトID・プロジェクト・グループ(the International White Shark PhotoID Project Group)の一員であるスイス人の海洋写真家のMichael Schollは、「背びれ写真(finprinting)」技術による1,500枚以上のホオジロザメの写真に10年間を費やしてきた。彼の詳細な背びれと固体の観察結果は、サメに関する世界最大のデータベースである。彼は、この分野でフルタイムでホオジロザメの研究を行っている人数は約10人でしか無いのが問題だが、開発されたシステムがあれば、潜在的には何千人という旅行者からのデータを、インターネット経由でデータベースに追加する事ができると考えている。 また、ブリストル大学のコンピューターサイエンス学部の視覚動物生体認識の専門家であるTilo Burghardt教授は、サメに発信器を取り付けるよりも単純で、サメへの負荷が少ないと言っている。
毎年、地球上で1億等のサメ類が捕獲されていると推計されており、ホオジロザメを含むサメ類の多くは生息数の減少が危惧されているが、公海を含めて保護が行われているわけではない。データベースにより詳細なホオジロザメの個体数などが解明されれば、サメの保護に役立つ。またサメの個体数は、フカヒレ業界等にも海洋資源の資料として重要だ。
しかし、Picasa等に搭載されている人間の顔の画像認識技術は誤差が大きいし、サメの識別がうまく行くかは良くわからない。そして、Mail Onlineに掲載されていた以上の写真を見る限り、サメの撮影が普通の旅行者などにできるかは疑問だ。サメではなく、もっと大人しい動物ならば問題は無いのであろうが、小型デジタルカメラしかもっていない旅行者が、ホオジロザメに接近しすぎた場合、安全とは言いがたいような気がしなくも無い。
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