撞着語法に感じるかも知れないが、「乾いた水」が科学者に作られたとMail Onlineが伝えている。
右の写真のドライ・ウォーターは、砂のような二酸化ケイ素にコーティングされた水で、95%は水でできており、二酸化炭素やメタンなどの温暖化ガスの吸収に優れている。
このドライ・ウォーターは、有用な特徴を幾つも持つ。まず、二酸化炭素は通常の水の3倍の吸収力があるそうだ。メタンの貯蔵手段として使う事もできる。また、水素とマレイン酸の触媒として使う事もでき、食品や医薬品で良く使うコハク酸を効率良く製造することもできる。
ボストンのアメリカ化学学会の第240回大会でドライ・ウォーターについての研究を発表したリバプール大学のBen Carter博士によると、上述の機能に加えて、粉末状の乳化剤としても応用が可能かも知れず、潜在的に危険な物質の貯蔵や運搬を、安全かつ容易にすることができるかも知れないそうだ。
しかし、このドライ・ウォーター、最初の発見は1968年にまでさかのぼる。2006年に英国ハル大学の科学者が再発見し、リバプール大学のAndrew Cooper教授のグループが構造を解析し、応用範囲を研究しているものだ(ACS)。
さて、いささか地味な印象を拭えないのだが、8月26日過ぎから一般紙やブロガーの間で次々にドライ・ウォーターは紹介されている。名前以外に一般に注目される理由が思いつかないのだが、どうなのだろうか。何はともあれ、たまには化学の進歩を知るのも悪くは無いとは思う。
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