元官僚の高橋洋一氏が、現時点の日本のCDS価格から、3年以内の財政破綻が無いと主張している。多少、金融に詳しい人から見ると、壮大なな冗談としか思えないと思う。
CDSは債券にかける保険のようなもので、デフォルトしそうな債券ほど、その価格が上がる傾向がある。つまりCDS価格が安いと言う事は、資本市場の参加者がデフォルト・リスクが少ないと考えている。だが、資本市場の参加者の判断が正しいとは限らない。
今日の公聴会で話した背理法。もし3年以内に財政破綻するとする。今のCDSは1%なので日本の財務残高1000兆円で、破綻保険料は年間10兆円。3年払っても30兆円。これで破綻するなら、今30兆円はらって債務がなくなり財政再建完了。これはおかしい。ということは3年以内の破綻が誤り。終
— 高橋洋一(嘉悦大)さん (@YoichiTakahashi) 6月 13, 2012
BloombergによるとGREECE CDS USD SR 5Yは2007年6月18日は4.7bps、つまり1万ドルに対して4.7ドルの保険料だった(*1)。高橋洋一氏の論法だと、ギリシャ政府は僅かな金額でCDSを買っておけば、破綻直後にCDSからの収入で復活した事になる(*2)。
要するに政府債券のデフォルト・リスクは不正確なのだが、これにも理由があって、政府のデフォルト件数は民間企業ほど多くは無いし、政治理由でデフォルトする事もあるので統計的に確率が定まらない。つまり、それらしい値を適当につけているに過ぎないので、それを元に政策判断を行うわけには行かない。
国債の市場消化が当面は堅調だと言う意味であれば、それなり説得力はあるが。
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