2013年3月10日日曜日

安倍総理の認知症、もしくは河野談話に対する掌返しについて

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3月8日の衆議院予算委員会で、辻元清美衆院議員が従軍慰安婦問題に関する河野談話を見直すか否かに関し安倍総理に追求を行った事で、報道に混乱が見られているようだ。

辻元氏が安倍総理の河野談話に対する過去の姿勢を追求し、安倍総理が事実誤認だと切り替えした答弁なのだが、辻元氏の質問が正しく報道されていない。

辻元氏の質問は、河野談話を前提として外交を行ってきた安倍総理が、特段の新事実もなく河野談話の見直しをするのかと言うものだ。2007年4月27日の安倍総理とブッシュ大統領による共同記者会見の内容を根拠としている(Youtube)。

辻元議員:アメリカに行かれて、前回のときブッシュ大統領に対して、この(慰安婦)問題で釈明をしたということ。ブッシュ大統領みずからが、そのときの記者会見でおっしゃいましたよね。安倍から釈明があったということ。

これに対して安倍総理は、事実誤認だと切り替えした。

安倍総理:今、あの、事実関係において間違いを述べられたので、ここで、ちょうどいい機会ですから、はっきり述べさせて頂きたいと思いますが、えー、ブッシュ大統領との間の日米首脳会談においては、この問題は全く出ておりません。ブッシュ大統領が答えられたのはですね、その前に、私が既に述べている、えー、慰安婦についての考え方として、いわば、えー、20世紀においては戦争や人権が著しく侵害された時代であったと、女性の人権も侵害されたと、残念ながら日本も無関係ではなかった。

本当に事実誤認なのか、官邸資料「平成19年4月27日キャンプ・デービットにて行われた安倍総理とブッシュ大統領による共同プレス行事(概要)」で確認してみよう。

(記者)従軍慰安婦問題について、ブッシュ大統領に説明したのか。またこの問題について改めて調査を行ったり、謝罪をするつもりはあるのか。

(安倍総理)慰安婦の問題について昨日、議会においてもお話をした。自分は、辛酸をなめられた元慰安婦の方々に、人間として、また総理として心から同情するとともに、そうした極めて苦しい状況におかれたことについて申し訳ないという気持ちでいっぱいである、20世紀は人権侵害の多かった世紀であり、21世紀が人権侵害のない素晴らしい世紀になるよう、日本としても貢献したいと考えている、と述べた。またこのような話を本日、ブッシュ大統領にも話した

辻元議員は2007年に安倍総裁がブッシュ大統領に慰安婦問題で釈明をしたと指摘し、安倍総裁はブッシュ大統領との間の首脳会談では慰安婦問題は全く出ていないと主張したが、当時の日米共同記者会見では安倍総理は慰安婦問題に関してブッシュ大統領にも話したと言っている*1

藁人形論法だと安倍総理と新聞社を批判する向きもあるが、むしろ認知症なのでは無いか健康問題が心配だ。従軍慰安婦問題で、組織的に強制連行されたような主張が隣国でされているのは問題だが、少なくとも安倍総裁自身が行ってきた外交との整合性は考えていくべきであろう。何はともあれ安倍総理は討論に弱い。

追記(2013/05/23 17:00):安倍-ブッシュ会談で慰安婦問題が取り上げられた事を5月18日に閣議で認め、20日の参院決算委員会で安倍総理が否定し、22日に官房長官が事実を認めた(毎日新聞)。

*1なお首脳会談で河野談話を認めたかは明らかではないが、ブッシュ大統領は「私は安倍総理の謝罪を受け入れる。自分は、河野談話と安倍総理の数々の演説は非常に率直で、誠意があったと思う」と安倍総理の目の前で言っており、安倍総理が河野談話を認めていると捉えられていたのは確かなようだ。

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