2010年10月10日日曜日

強いヤツに寄り添え!遺伝子組み換えトウモロコシは従来種の生産性も向上させる

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遺伝子組み換えトウモロコシ(Bt種)は、Bacillus thuringiensisという細菌の遺伝子が組み込まれており、欧州アワノメイガに有毒であるため食害が少ない。この点はBt種の方が従来種のトウモロコシよりも優れているが、米国環境保護庁(EPA)は害虫が耐性を持たないように、Bt種と従来種を同時に栽培することを義務付けている。

しかしBBCによると、Science誌に掲載された、ミネソタ大学のBill Hutchison教授が率いたチームの研究によると、Bt種に隣接して植えられた従来種のトウモロコシも、食害が減り、収穫量が増え、増収が見込まれることが分かったそうだ。彼らの14年以上の研究で、実際の食害と、過去のデータやその他の欧州アワノメイガの量から推定される食害を比較したところ、Bt種はイリノイ州、ミネソタ州、ワシントン州の農家の利益を約32億ドル向上したことが導出されるそうだ。しかし、そのうち24億ドルは、種子価格の安い、隣接して植えられた在来種から生じている。

なお、Bt種に耐性がある害虫の発生も予想されるが、Goettingen大学で遺伝子組み換え種(GM種)の研究をしているMatin Qaim教授によると大きな問題にはならないらしい。つまり、伝統的な農法である転作を行えば良いらしいのだが、米国の中西部の農家では、転作は見られなくなって来ているそうだ。

現在、EPAは少なくとも20%の在来種を同時に栽培するように強制しているが、新たに最大6種類の害虫に毒性のあるGM種が発売されており、規制は緩和される方向だ。しかしHutchison教授らの研究は、もし規制が無くても、在来種も栽培する方が、経済的に合理性があることを示唆している。Hutchison教授によると、多くの栽培者は研究が示す現象に気づいており、栽培品種の決定は、農家のリスク回避度による。ただし、欧州アワノメイガの発生は少なくなる温暖化の進む気候では、在来種の作付を増やすのが合理的になるそうだ。

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