2010年10月19日火曜日

遺伝子改造カイコは、クモの糸を吐き出す

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分子生物学者の、ワイオミング大学のRandy Lewis氏とノートルダム大学のMalcolm Fraser氏が、クモの遺伝子を取り込んだ遺伝子改造カイコを作り出したと報じている(POPSCI)。

クモの糸は直径が1/1000mmと人間の髪の毛より細いが、高速で飛来する蜂などを捕獲することもできる強度と、しなやかさがある。クモの糸は軽く、同じ太さの鋼鉄の5倍の強度、ナイロンの2倍の伸縮率があり、人工のクモの糸は、例えば兵器(e.g. 防弾具やパラシュート)や医療用途(e.g. 人工靭帯)に応用範囲は広く期待されている。また、シルクは生分解可能な性質から、医療分野でインプラント薬や生体組織の足場に使えると考えられている。

従来は人工のクモの糸は、遺伝子改造したバクテリアや酵母菌や山羊や牛などから生産していたが、カイコの繭は大量の糸で構成されているため、両氏の技術では効率的な生産が可能だ。GM山羊では、そのミルク1リットル(ヤギ1頭1日の生産量)で約28gのクモの糸の繊維しか抽出できない。クモにすれば100匹分だが、生産効率が高いとは言えない。しかし平均的な生繭重は1個2.0gもとれる。また、既にその繊維は約2kmの1本の糸になっているため、GMカイコでは抽出・精製工程が不要になる。

Lewis氏は人工のクモの糸のスペシャリストでこれまで20年間クモの糸の応用に努力しており、最初にクモの糸を作る遺伝子を分離してから12年間たつそうだ。既にLewis氏は遺伝子改造された山羊で人工のクモの糸の繊維を抽出・精製することに精製しており、国際的に注目をされている。このカイコが吐き出す糸に実際のクモの糸の性質があるかは、これからテストするところのようだが、Lewis氏らは1年で実用化できる可能性もあると考えているようだ。

GMカイコは蛍光遺伝子が組み込まれており、他との識別ができるようになっている。両氏は完全に分子的な分析が終わってから、今回の成果を学術雑誌に投稿するよていだそうだ。また、マダガスカル島で発見された新種のダーウィン・ダーク・スパイダーの遺伝子片を入手したいようだ。このクモの糸は、ケブラー繊維の10倍の強度があるとのこと。また、成長を促進する遺伝子片もカイコに組み込みたいようだ。

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