2010年10月31日日曜日

解剖をしないで脳内の連係が分かる3D画像

このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote
Pocket

正確に脳内の主要な神経束がどこにあるか知ることは、脳神経外科医にとって計り知れないほど重要なことだが、従来は解剖無しにそれを知ることができなかった。しかし、MRIの情報を脳内の連係が分かる3D画像に変換する装置を、オランダ科学研究機関(NWO)の支援を受けて、オランダのアイントホーフェン工科大学のVesna Prčkovska女史が開発した。これで個別の患者の神経束の位置を知ることができるそうだ。女史はこの研究で、博士号を取得した(ScienceDaily)。

以下は発明された装置で描かれた画像だ。素人目には神秘的なアートにしか見えないが、専門家には実用性は高いようだ。

医学的には、脳外科手術のサポートに有用だ。パーキンソン病の治療で使われる脳深部刺激療法では、身体の動きをコントロールする脳の対象エリアに電気刺激を送る装置を脳に埋め込み、脳内の信号を遮断することで発作を抑えるが、この技術を使えば電極を正しい位置に埋め込むのが容易になるそうだ。また脳手術で、重要な神経束にダメージを与えるのを回避することができる。

また研究にも、この装置は大きな第一歩になりそうだ。従来は神経束の接続を特定することは、従来はできなかったそうだ。しかし、この装置を使う事で、脳の複雑な連係が初めて観察できるようになる。ただし、脳にはもっと細かな構成部分があるため、この装置で脳の全てのつながりを見ることができるわけではない。それでも生きた被験者の脳をスライスして顕微鏡で観察する事はできないので、この装置の意義は大きい。

ただし、細かい改良は課題として残っている。病院で使うには、MRI装置に1時間入っている必要があるため、検査時間の短縮が必要で、画像ももっと現実的なものにする必要もあるようだ。もっとも、それでも他の科学者に、この装置は既に使われている。

0 コメント:

コメントを投稿