2012年6月8日金曜日

超低金利でも財政赤字は低成長をもたらす?

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教科書的なマクロ経済学では拡張的な政府支出は国民所得を拡大するが、財政赤字が資本市場を圧迫して金利を引き上げ出すと民間投資が減るので、その効果は減少する。しかし、ロゴフが超低金利でも財政赤字は低成長をもたらすと主張している。

ロゴフが共著者である研究では、金本位制や固定通貨制度の時代を含む1800年代から23カ国のデータを用いて、GDPの90%を超える高累積債務の国と、それ以外の国の経済成長を比較したところ、後者の方が1%以上、経済成長率が高かったそうだ。低成長が政府赤字を招くのか、政府赤字が低成長を招くのかは同時性の議論があるが、景気は1年程度で循環することから、ロゴフは政府赤字が低成長を招くと判断している。

人口や資本の増加率をコントロールしているわけではないし、ロゴフも指摘しているが、戦費で財政赤字が膨らんだケースも多そうだ。ロゴフは高負債の日本は低成長としているが、2001年から2010年の一人あたりGDPはEUや米国よりもよりも増加している(The Economist)。歴史的には面白いのだが、経済政策の議論としては、かなり大雑把過ぎるかも知れない。ドーマー条件の方を気にした方が良さそうだ。

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