2012年5月5日土曜日

フェアトレードにある偽善どころではない問題

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小松原織香氏が、日本で社会貢献型ビジネスが流行らない事を、『日本の消費者が「買いたくない」からじゃないですか?その買ったときの、偽善と無力感に耐えられないからじゃないですか?』と評している(キリンが逆立ちしたピアス)。

フェアトレードに関してはその通りかも知れ無いし、日本は直接投資や政府間援助を通じて貢献しているので、大半の人はそれで十分だと思っている。何か問題があるのであろうか?

1. フェアトレードは雇用量を減らす可能性がある

フェアトレードは雇用量を減らす可能性があるので、偽善になりかねない。

ブラジルとアフリカのコーヒー豆の需要供給曲線を描くと、以下のようになる。SS線が供給、DD線が需要だ。P線が価格を表す。賃金が費用に含まれる事に注意して欲しい。生産者余剰にコーヒー農園経営者の利得が、費用にコーヒー農園労働者の利得が含まれる。

ここで世界中にフェアトレードを強制して、価格PをP'に引き上げてみたのが以下の図だ。競争力に優れるブラジルの農園経営者は利益を増す。競争力に劣るアフリカの農園経営者も生産量は落ちるが差し引きして利得がプラスかも知れない。しかし、労働投入量、つまり雇用量が減るアフリカの農園労働者は損をする。

「支援したい」という気持ちに偽善が含まれるからではなく、フェアトレードは価格メカニズムの攪乱を通じて誰かに害悪をもたらす可能性があるから、乗り気がしないのだ。もちろん、少しの価格の上乗せや、少しの販売量では大した害悪は無いので、規制するほどでもない。しかし、本質的にはフェアトレードは偽善どころか、悪に近い。

2. 政府開発援助や直接投資、そして貿易で十分

日本は政府開発援助や直接投資で開発途上国に直接/間接のサポートをしていて、多かれ少なかれ多くの国の発展に貢献をしている。高架鉄道や地下鉄に、経済援助の印として小さく日の丸を見かける事ができる。フィリピンパブでぼったくられているオッサンは、きっとフィリピン人の子どもたちの教育水準を改善している。もっと控えめにスーパーで特価の農作物を食べたって、途上国の経済に貢献する事になる。

3. 東・東南アジア諸国はどんどん経済成長している

フェアトレードの推進者は貿易が途上国に不利だと言うけれど、東・東南アジア諸国の経済成長率を見れば、それが全くの嘘だと言う事が分かる。フェアトレードが無くたって、グローバルな投資や貿易を原動力に成長をしている。小松原氏の乙女心は満たせないかも知れないけど、フェアトレードよりも効果的なサポートを日本は今までしてきているし、今後も特に変える必要は無い。

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