東京新聞に紹介されたPOSSEに関する記事を、労働問題が御専門の濱口氏が紹介している。
新聞の記事だし正確性に劣るであろうから、POSSE代表の今野晴貴氏の近刊を読むべきなのであろうが、紹介されていたのがブラック企業の例なのか、ブラック管理職の例なのかは、はっきりさせるべきでは無いかと思う。
記事に上げられている例が、会社利益のためにブラック行為*1を行っていると言うより、管理職が憂さ晴らしのために不法行為を行っている気がしてならないからだ。
〇九年夏、就職活動でも人気の大手ITコンサルタント会社の男性が訪れた。入社して数カ月で、うつ状態だった。上司に呼び出され、毎日二時間以上も「おまえはクズだ」と叱られたという。同僚の中には「度胸をつけるために」と駅前でナンパを命じられたり、「日本語がおかしい」と小学生の国語ドリルを数十冊解かされたりした人もいた。深夜の呼び出しなども常態化していた。
毎日2時間も説教をしている上司は、仕事をしていない気がしてならないし、訴訟を起こされたら負けるような行為はリスクを高める*2。またナンパの結果、IT企業にリア充が増えたら社内が嫉妬で不穏になるであろう。どう考えても管理職として機能していない。つまり、会社利益の追求の結果として、不法行為が行われているわけでは無い*3。
実際のところ、こういうブラック管理職は世の中には一定数いて、あちこちで問題が起きている。中間管理職がブラックの場合は、部下が辞めていくケースもあるのだが、上層部が気付いて中間管理職を辞めさせるケースも多々ある*4。身の回りに逸話がある人は多いであろう。
企業利潤の追求の結果でも、中間管理職の暴走の結果でも、被害者たる従業員から見たら同じかも知れない。しかし、中間管理職の暴走の場合は、株主や経営者と労働者が仲良く手を組んで問題解決に当たれるわけで、問題の本質は異なってくる。
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