2012年10月26日金曜日

ジョブズの恨みとiOS 6の地図問題

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iOS 6でGoogle Mapが消えて、Apple純正の地図に変わったのだが、品質が大きく劣化したために話題になっている。「iOS 6で新しくなったiPhone地図が未完成すぎる件」や『【iPhone】「iOS 6」の地図がヤバイ 「パチンコガンダム駅」「首相官邸に高校」「ハングル表記」』を見れば、問題が良く分かる。

何が起きたか憶測されているが、「iOS6地図は元データや文化の差異ではなく、ずさんなエンジニアリングが原因」で、「人を選ばずに人材を投入し、人海戦術で行われた」と言われている。しかし突貫工事の印象や状況があるものの、実際は2009年ぐらいから地図関連の企業を買収してきており、従来からの方針で間違いない。

Apple創業者のスティーブ・ジョブズだったら劣化バージョンの地図など搭載しなかったのにと言う話も見かけるが、死ぬ直前までCEOだったジョブズは、iPhone 5の開発に大きく関わっていた事が伝えられている(Bloomberg)。開発時期が同じになるiOS 6への影響も大きい。ジョブズはAndroid端末の発売に怒っていて(NYT*1、iOSにおけるGoogleの役割を縮小したがっていた。Google Mapsと同時に、Youtubeも排除されている。

Apple社内でもカリスマであるジョブズに逆らうのは困難なのか、問題を把握していてもiOS 6に新しい地図を搭載せざるをえなかったようだ。ジョブズが逝去したのは2011年10月で、その時点でリリースの延期が困難になる何かがあったのであろう。半年ぐらいで改善できると言う、甘い見込みがあったのかも知れないが。ともかくGoogleへの怨恨が地図問題の背景にあると考えられる。まさかと思うかも知れないが、噂ではジョブズはAdobeがMacOS Xへの開発投資を怠ったことを根に持ちFlashを排除しようとしたとも言われており(Hardmac.com)、同じような事がGoogleに対して行われたとしても不思議は無い。

*1伝記によると「Androidは盗んだ製品だから破壊する」とジョブズは怒っていたらしい。Palm/Pocket PC/Windows MobileからiOSは何も盗んでいないのか。アップル・レコードと商標訴訟で音楽関係ビジネスをしないと和解したのにiPodやiTunesを作ったとか、iPhoneはCISCOの商標iPadは富士通の商標だったが、命名を強行して後に金銭的解決を行ったとか思い起こされる。なお、GoogleがAndroid社を買収したのは2005年で、iPhone発売の2007年の2年前だった。

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