2012年10月24日水曜日

記憶を操作する方法が研究されている

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記憶を操作する映画は色々とある。トータルリコールエターナル・サンシャインが有名だ。現実の世界でも、ある程度の記憶操作に目処がついてきたようだ。ネズミの記憶を消したり、ネズミの脳に一時記憶を植えつけたりする実験が行われており、実用までは道のりは長そうだが、基礎研究としては成果を上げつつあるようだ。

スタンフォード大学の研究者が北米神経科学学会で報告したところによると、投薬によってネズミの恐怖体験を消し去る事に成功したそうだ。ネズミはジャスミンの香りを嗅いだ後にショックを与えられ、香りに恐怖心を抱いて体が硬直するように調教されていた。このネズミに、恐怖体験を記憶しているとされるへんとう体基底外側核が生成するたんぱく質をブロックする薬剤を投与し、眠らせた。すると、ジャスミンの香りで恐怖反応を示さなくなったそうだ(POPSCI)。

プエルトリコ大学の研究者は、ネズミの大脳辺縁系下前頭前野皮質に脳で生成された神経栄養素(BDNF)を注入して、チャイム後の電気ショックと言う恐怖体験を忘れさせる事に成功している。

ケースウエスタンリザーブ大学医学部の神経科学者がげっ歯類の脳を切り出し、行動パターンを導入するために海馬の神経経路を刺激したところ、脳神経回路が10秒以上、刺激の記憶を維持したそうだ。脳の振る舞いが変化したために記憶が刷り込まれたと分かるらしい(POPSCI)。

記憶を消し去るより、刷り込む方が難易度が高いようだが、そのうち人間の記憶も自由に操作できるようになるのかも知れない。恐怖心を緩和するだけでも、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療に役立つことであろう。

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