右の写真のクラインの壷は位相幾何学で扱われる表も裏も無い立体物で、位相を勉強した人には馴染みの深いものだそうだ。向き付け不可能な点はメビウスの帯と同様で、クラインの壷には境界もない。
写真でクラインの壷の形状が良く分からなかった人は、下の動画を見てもらうと理解できると思う。普通のチューブを変形させてクラインの壷にしているので、内部構造も良く分かるはずだ。
どう考えても実用性が高いものではないが、ガジェット好きの風変わりな人は、こういう品物は大好きな事が多いものだ。戦国時代の茶器のように、賄賂として使う事ができるかも知れない。
しかし、さすがに売っていないよねと思っていたら、クラインの壷を本当に売っているオンライン・ショップがあった。そして、その店の注意書きが親切だ。
- 水平で十分な面積を確保できる場所に飾る
- 壷接地面にフェルトやベロア等のやわらかい布状の物を敷く
- お手入れはメガネ拭き用の布を使う
- 液体を入れる事はおすすめできない
- 破損しやすいので取り扱い注意
玄人向けすぎる。コメント欄にも「水を入れてみたが入れるのが困難であることがわかった」とあるので、注意書きに偽りは無いようだ。6,980円とちょっと高めの品だが、奇人変人にクリスマス・プレゼントを贈る必要がある場合は、検討に値するとは思う。なお、サイズ違いや、もっと変わった形のボトルが欲しい人は、米国のAcme Klein Bottleから通販で取り寄せる事もできる。
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