2010年12月14日火曜日

ソーシャルボタンが乱立中

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最近、ニュース・サイトにソーシャルボタンを良く見るようになった。このブログでも記事タイトルのすぐ下と、記事本文の下に幾つかボタンを並べている。

これらソーシャルボタンをつけておくと、ユーザビリティー向上と、アクセス誘導の効果が得られると考えられており、設置も難しくないのですっかり一般化した。

しかし近年活発に新規参入や利用が進んでいる業界でもあって、変化も激しい。現在の状況を軽くまとめてみた。

1. ニュースサイトやブログで設置が一般化

ソーシャルボタンは、主にサービスの提供者と、設置するウェブサイト、そのボタンを押す利用者で成立しているサービスだ。サービスが開始されても、ウェブサイト管理者に人気が出ないと普及しない。

日本では2005年にはてなブックマークのサービス開始され、そのソーシャルボタンを設置しているブログは昔から多数見かけた。ニュースサイトでもasahi.com(朝日新聞)がはてなブックマークのボタンを2007年1月に設置し、2009年6月に毎日jpがtweetボタンを設置し、2009年12月にYahoo!オークションにtweetボタンが設置されるなど、国内外を問わずニュース・サイトの必須機能になっている。2010年も9月にYahoo!Japanがソーシャルボタンの設置を拡大し、エキサイトニュースも設置をはじめ、11月にはヨミウリ・オンラインやGameSpot Japanが設置をしている。

特に2009年からは急速に普及が進んでいるが、ソーシャルボタンはサービス提供者が多数いる上に、サイト管理者が複数のボタンを同時に設置する傾向があるので、サービスは乱立状態になっている。

2. ソーシャルボタンにも種類がある

一概にソーシャルボタンと言っても、上述の通り多くのサービスがあり、傾向が分かれる。日本で見かける中で、サービスの性質別に代表的なものをまとめると、以下の様になるだろう。

2.1. Tweetボタン
Twitterに投稿するボタン。短縮URIが自動的につくので利用者に利便性が高い一方で、そのTweetを見た人がアクセスしてくる可能性が高くなる。2010年8月に公式ボタンがリリースされたが、それまではTweetMemeTopsyなどのサード・バーティーのボタン(Retweetボタン)が愛用されていた。Tweetされた数を表示できる。
競合サービスGoogle Buzzも同様のボタンを提供しているが人気は無い。
2.2. はてなブックマーク・ボタン
2005年2月にサービスを開始した日本では老舗のソーシャル・ブックマーク・サービスのボタン。ブックマークされた数を表示することができる。ランキングがあり、急激にブックマークが増加したページは、『はてぶ層』の注目を浴びるため、瞬間的にアクセスが増加するときがある。タグとカテゴリーがあり、コメントを残す事ができる。
多くのニュース・サイトやブログで利用を見かけるが、さらに2010年11月にアップデートが行われ、設置がしやすくなった。
DeliciousYahoo!ブックマークBuzzurlnewsinglivedoorクリップFC2ソーシャルブックマークイザ!が良く見かける同種のサービスとなる。
2.3. Facebook Shareボタン
世界最大のSNS、Facebook内でサムネイル画像付でお勧めサイトを登録する。SNS内のソーシャルブックマーク・サービスと言って良いであろう。閉鎖的なソーシャル・ブックマークとしては、他にNifty契約者向けの@niftyクリップがある。Facebookの初期からある機能。
2.4. Facebook Likeボタン
Facebook内で、どちらかというと個人的なブックマークとして記録される。ユーザーは後で読むためにメモとして利用できるし、登録されるとフレンド等に表示が出るので、アクセス誘導効果も期待できる。2010年4月にサービス開始。
mixiチェックGREE Social Feedbackが同種のサービスになり、これらも2010年9月にサービスが開始されている。なお、mixiチェックはmixiに設置箇所の登録が必要だ。
2.5. Evernoteサイトメモリー・ボタン
Evernoteのメモにできるボタン。細かい設定が可能で、ウェブサイト側でメモ領域やタグ候補を指定することができる。このサイトも、中央の記事をクリップするようにし、ラベルをタグ候補に指定している。ただし、Evernoteは個人的に使うサービスなので、アクセス誘導効果は低いと考えられる。2010年9月29日にサービスが開始された。
2.6. reddit用ボタン/Diggボタン
どちらも英語圏で人気のソーシャル・ブックマークだが、コメントを複数回残せるので掲示板に近いサービスとなっている。ユーザーが良い悪いをつけられる、投票システムもある。言葉の問題があるためか、日本では普及していないようだ。

他にもサービスは色々あり、合計で20種類以上になるが、上の6つを知っておくと大まかなトレンドが分かると思う。アクセス数の増加を狙っているブロガーは、検索サーバー対策で分類をしているようだ(ブログアクセスアップ!初心者でも最速SEO術)。

3. ボタンが無くてもツールバーがある

GoogleやYahoo!、はてな、Facebook、livedoor等はFirefox用などのツールバー等を提供しており、ソーシャルブックマークを利用することができる。

ただし、ツールバーを大量にブラウザーにインストールしている人は考えづらく、mixiチェック/Evernoteサイトメモリー・ボタンはウェブ管理者側の設定が重要なので、ソーシャルボタンを設置する価値は無くならない。

4. ソーシャルボタンを拡張するサービス

乱戦になっているソーシャルボタンだが、それをまとめたり、拡張するサービスや、集計するサービスも存在する。

まとめるタイプの代表はAddClipsで、20種類ぐらいのソーシャル・ボタンを一つのボタンにまとめてくれ、ポップアップ・ウィンドウからそれぞれのソーシャル・ボタンを選択できるサービスだ。設置も簡単だが、サイト管理者がソーシャルボタンに細かい設定ができない欠点がある。

拡張するサービスの代表はzenbackだ。Twitterやはてなブックマークについたコメントを一覧にし、ブログ等のページ内に表示することができる。TopsyのAPIを利用してtweetを表示している人は昔からいたのだが、zenbackは手軽に設置できる。2010年6月28日にβテストが開始され、2010年12月1日に正式リリースとなったようだ。

集計するサービスと言えるのは、Ceron.jpだ。これはソーシャルボタンを提供しているサービスに記録された、特定サイトに関する履歴をまとめて表示するサービスで、ソーシャルボタンの周辺にあるサービスの一つだと言える。

5. ソーシャルボタンにある欠点

大抵のソーシャルボタンは、JavaScriptや画像のファイルをサービス提供サイトにおいてあり、設定によってはTweet数やブックマーク数を取得してから表示する。これはサービス提供サイトが混雑していると、ソーシャルボタンを設置したサイトの表示も遅くなる事を意味する。

また、新聞社のサイトは大量に設置しているが、アクセス誘導効果は期待できないのかギガジン痛いニュース等の一部の人気ブログではソーシャルボタンが無いか、ほとんど設置されていない。Gizmodo Japanは大量に設置しているが、心なしか表示に時間がかかる。

何はともあれ、ソーシャルボタンは人気サイトになるための必須条件ではない。おまけ的なサービスと言える。

6. 印刷用ページ/スタイルシート

やや話がそれるが、ソーシャルボタンを設置してあるサイトが無視する傾向が強いものに、印刷への対応があげられる。

ブログの記事を印刷する人がどの程度いるかは分からないが、利便性を考えると印刷用スタイルシートを設定し、余分な広告や、記事本文とは関係のないリンク等を表示しないようにしておくべきであろう。

このブログでも設定してあるので、印刷プレビューをしてもらうと、どういう状態になるか理解してもらえるはずだ。他のブログで利用しているところは余り見たことが無いのだが、前述のギガジンは大雑把には設定してあり、記事の左右の列のリンクやカレンダーを表示しないようになっている。

印刷されると広告表示ができないので困るとか、紙資源を節約させてエコを実現させたいとか理由があるのかも知れないが、特に意図がないサイトでは、印刷用スタイルシートは簡単に適応できるのでお勧めしたい。なお、新聞系のサイトは印刷用ページを用意している事が多いが、記事が複数ページに分かれているためだと思われる。

7. 今後のソーシャルボタン

同機能のサービスが乱立しているので、今後は幾つかに集約されていくことが予想される。

Twitter、Yahoo!Japan、Facebook、mixi、GREE、はてな等では拡張的なサービスなので人気が無くてもサービスは継続されていく可能性があるが、他の特に日本のサービスは淘汰が進むだろう。SNS等の他の事業者間の競争も激しいので、元のサービスが倒れて無くなるソーシャルボタンも出てくるかも知れない。

もちろんソーシャルボタンはオマケ的な機能であるので、サービスが停止しても困る人は少ないはずだ。

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