Mail Onlineが、手足や内臓を失っても再生できるメキシコサラマンダーの再生力を、人間に生かす研究がされていると伝えている。
日本ではアホロートル、もしくは『ウーパールーパー』で知られ、3億年ほど進化が無く、食用で乱獲されたり、開発で生息域が狭まるなどして、絶滅が危惧されている両生類だ。右上の写真はアルビノの固体で、通常は灰色をしている。
アホロートルは、トカゲのように手足を切断された再生でき、心臓さえも再生するそうだ。再生速度は速く、手足を切断されても10週で再生する(YouTube)。科学者のBjörn Menger氏によると、その速度は目で見て分かるほどだそうだ。
この動物界でも稀有な再生能力は、ambloxというアホロートルに固有の酵素によるものだと、研究者が突き止めつつあるそうだ。この酵素を人間の皮膚の細胞に投与したところ、細胞が活性化され、傷が速く回復した。研究の究極の目的は、この酵素を人工的に作り出すことによって、人間の手足等を回復することのようだ。
生物は多かれ少なかれ再生能力が備わっているが、アホロートルは、四肢が切断されても血管がすぐに再生され、出血が止まる。皮膚の細胞は傷を速やかに塞ぎ、芽体を形成する。研究者は、この細胞は多能性細胞(ES細胞)に違いないと考えている。ES細胞は、全ての細胞に分化する能力のある細胞だ。
つまりambloxがES細胞を作り出しているわけで、研究が進めば効率のよいiPS細胞の作成方法が見つかるかも知れない。なお、研究中にアホロートルは手足や尻尾を頻繁に切断されるが、自然界では共食いが頻繁におきるのに対し、研究所では個室で落ち着いて手足を回復できるため、決して残酷ではないそうだ。
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