2017年11月6日月曜日

社会学者の自己肯定バイアス

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社会学者の岸政彦氏が國分功一郎氏との対談で、「日本の社会学は、特定の一人か二人のせいですごく評判が悪い」と述べいていたそうだ*1。“特定の一人か二人のせい”なのか、“日本の”なのかを考えると、強い自己肯定バイアスがあるように思える。

“特定の一人か二人のせい”なのであろうか。ネット界隈で話題になった社会学者を思い浮かべてみたのだが、古谷有希子*2、古市憲寿、上野千鶴子、千田有紀*3、小宮友根*4、金明秀*5、友知政樹*6、舞田敏彦*7、柴田悠*8、筒井淳也*9、太郎丸博*10、大澤真幸*11、久保田裕之*12、北田暁大*13(以上、敬称略)と一人や二人では無い。フェミニズムやマイノリティ擁護など政治的主張が前面に出てしまい、実証的/規範的な論証が疎かになる傾向があって、全般的に粗さが目立つ。単語の意味を勝手に多義的にしたり、多義的な単語の意味をこっそりと摩り替える語義曖昧論法(Equivocation)*14を多用している人もいる。どの分野でもドンデモ研究者はいるし、まだ研究者として独り立ちをしていない社会学者の卵も目立っているし、ちょっと筆が滑った程度か見解の相違の範疇のものもあるし、社会学者が社会学者を批判する文献も見かけなくもないのだが、特定の一人か二人のせいで評判が悪いと言うのは、数の数え方の復習が必要であろう。

“日本の”なのであろうか。米国の社会学者クリス・マーティン氏が「イデオロギーは社会学の知見をいかに妨げたか」と自分野を批判しているが、社会学への批判は内外でそう変わらないようだ。

*1以下のツイート。面白い研究もあるよと言うのは否定しないが。

*2社会学者の卵の古谷有希子のデタラメな数字について」「社会学者の卵の古谷有希子の統計知識の問題点

*3配偶者に無断で子どもを連れ去って離婚することを支持する家族社会学者」「大学教育への公的補助が正当になる条件」「理系であっても、ほとんどの人はアインシュタインの業績を知らない

*4男女格差のデータは女性差別を意味するか? ─ 社会学者・小宮友根の誤診

*5ある計量社会学者が他人を罵倒する理由」「不法移民が中産以下のアメリカ人の雇用を悪化させたのか?

*6独立運動をしている(関連記事:ある社会学者の沖縄独立運動)。

*7よくTwitterにグラフを流しているのだが、プロット方法や解釈において批判的なコメントを見かける。同時性や擬似相関にも配慮して解釈し、2軸にする必要の無い2軸プロットにしていないか注意すべきかも知れない。

*8ある社会学者の積極的労働市場政策と自殺の分析について」「子供の福祉を理由に女性の就労を促進するのは無理がある

*9日本は共働き社会になっているし、北欧も男性が稼ぎ手である」「ある社会学者の晩婚化への認識を検討する」「ある社会学者の社会的分断の解消論について」『社会学者とその参照論文の「出生率をめぐるパズル」への回答の違い

*10女性がフリーターになりやすいのは差別のせい?

*11社会学者が功利主義への誤解を振り撒く

*12渋谷・制服・女子高生をめぐるhkubota1016さんとuncorrelatedさんの会話 - Togetterまとめ

*13在特会デモに対するカウンターで知られるしばき隊の内での暴行事件を知っていたのにも関わらず、そのような事件は無かったフリをしたことが批判されていた(はてなブックマーク - 北田暁大さんの某事件に対するツイートを中心に - Togetterまとめ)。なお、議論自体も色々と難がある(関連記事:移民政策に関して上野千鶴子を批判する北田暁大の作文が)。

*14現代人は経済的に労働を強制されているので、暴力的に労働を強制されている中世の奴隷と同じだと言われたら困惑するわけだが、こういう多義的な単語の意味をこっそりと摩り替える論法を社会学者が使っていないかは、注意した方が良い(関連記事:はてサが読むべき『在日・強制連行の神話』)。社会学者だけとは言えないが、論理的誤謬については色々ある(関連記事:万人が知るべき10のよくある間違った論証方法)。

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