2013年5月16日木曜日

ある社会学者の沖縄独立運動

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琉球新報が、友知政樹沖国大准教授ら設立準備委員会が沖縄県庁で「琉球民族独立総合研究学会」を設立し、日本からの独立を目指した研究活動を行うと報じている。夢想的だなと思ったら、やはり社会学者が主導しているようだ。被害妄想を煽るのは社会学の手法らしいが、学問的には倫理感を欠く行動であろう。

現在の沖縄は、経済的、文化的、言語的に、他の日本と切り離された存在ではない。民族独立などと言っても、琉球民族自体が明確なものには思えない。現状と独立で社会状態を比較した上で、独立した方が社会的厚生が高まると言う分けでは無いであろうし、「人民の自己決定権」が他の要素を無視しても追求すべき事項かも分からない。また、独立を維持できるとも限らない。

米軍基地の集中に不満があるようなのだが、そこに米軍が駐留しているのには地政学的な理由も大きいわけであり、中国の存在が一つの理由になっている。駐留自体が沖縄の利益になっている面もあるし、独立をしたら中国が歴史的に我が領土であったことを思い出し、人民解放軍が押し寄せてくる可能性もある。

沖縄県民には自己決定権が無いように主張しているが、地方自治もあるわけだし、中央政界に代表も送り込んでいる。オスプレイの強行配備などを例に、「日本や米国による強制が現在進行形で繰り返され、これからも続こうとしている」と主張している*1らしいが、他の地方自治体も自衛隊や米軍の活動に権限を持つわけではない。また沖縄が独立したとして、公共の利益のために、どこかの市町村に施設が置かれる事は不可避であろう。

独立をしたら世の中が良くなると言うのは、全く根拠の無い妄想に近い。革命を起こしたら世の中が良くなると思っていた時代の人々と、論理構成が変わらない。友知氏はゲーム理論や計量分析を駆使して独立を肯定していきたいのかも知れないが、独立を目指した研究活動を行うと明らかに政治的バイアスを宣言している所に、学問的不誠実を強く感じざるを得ない。

県庁でこんな発表会をさせている仲井眞沖縄県知事の見識も、危ういものを感じるが。

*1米軍機の配備が「強制」と言うのが理解できない。強行の間違いであろうか。

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