2013年3月18日月曜日

白川日銀総裁と為替レートと潜在成長率

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もうすぐ辞任する白川日銀総裁が2月28日の日本経済団体連合会常任幹事会における講演で、円安でも潜在成長率が高まらないと述べたと言う報道に反応して、白川総裁に批判的なコメントが大量についていた。平常運転なわけだが、批判派には為替レートの決定理論を復習して欲しい。

長期的には内外の実質金利の差で為替レートが定まる*1事は分かっているって? ─ それが分かっているなら白川総裁への批判がおかしい事が分かる。実質金利が為替レートを定めるのであって、為替レートが実質金利を定めるわけではない。実質金利は潜在成長率で決定されるので、為替レートが潜在成長率を高めると言うのは因果関係が逆だ。

円安だと国内総生産(GDP)が拡大すると思うかも知れないが、その場合は実質金利が上昇して、やはり円高になってしまう*2。長期的には意味が無い。またインフレにして円安を実現しようとすると、実質金利=名目金利-インフレ率と言うフィッシャー方程式として知られる関係があるので、やはり長期的には意味が無い。為替レートの切り下げによる経済成長は続かないわけだ。

*1教科書的には購買力平価で定まる為替レートから、名目金利の差を調整することになる。例えば1ドル=100円がPPP為替レートで、日本の名目金利がゼロ、米国の名目金利が5%だとすると、現在の為替レートは1ドル=105円になる。ただし日米金利差が無くなり、購買力平価で為替レートが定まる日が来るのかは分からない。ずっと先の話だとすると、期間が長くなるので金利差の影響が強くなると思われる。

*2円安 → GDP拡大 → 実質金利↑ → 円高となり、元に戻る。

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