2012年3月20日火曜日

朝鮮学校と言う子どもへの欺瞞

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大阪府が今年度は朝鮮学校へ、大阪府私立外国人学校振興補助金を交付しない事に決めた(時事通信)。

同じ朝鮮系でも韓国学校と違い朝鮮学校は物議を醸す事が多く、多くの人が教育内容に関しては疑いを持っている。文部科学省が内容を確認しているわけではなく、北朝鮮の独裁体制を擁護する教育内容になっているのは確実だからだ。しかし、その存在意義を明確に否定している論説を見かけない。

1. 日本にとって有害な北朝鮮

拉致問題、大韓航空機爆破事件、超精密偽100ドル札偽造(スーパーノート)、覚せい剤密輸事件、韓国哨戒艦「天安」撃沈事件、延坪島砲撃事件、核兵器開発問題、暗殺事件(ラングーン事件、朴相学暗殺未遂事件)を思い出そう。北朝鮮の存在は、日本にとって有害だ。

2. 朝鮮学校を差別する正当な理由の欠如

有害だから補助金を出すべきではない? ─ そうだとしても、理由付けが難しい。同じ補助金を受けている大阪中華学校や大阪インターナショナルスクールと朝鮮学校の何が違うのかだ。朝鮮学校だけ例外的に取り扱う理由が無い。

朝鮮学校の特異性は、その思想教育にあるのは間違いない。しかし憲法第19条があるので、思想教育の内容に踏み込んだ差別化は、本質的には妥当性を欠くものだ。朝鮮半島にある危険集団の出先機関を締め上げる正当な理由が無い。

3. 在日朝鮮・韓国人の子弟に必要な教育内容か?

このように整理のつかない何かがあったのだが、在日コリアン系の雑誌のブログの以下の部分を見て、朝鮮学校と言う存在の欺瞞に気付いた。

いまの朝鮮学校の子どもたちが何か悪いことでもしたのでしょうか?
ただ、自分の国の歴史や言葉を学ぶということがそんなに悪いことなのでしょうか?

在日一世が戦後のドサクサで日本に定住してしまったとしても、子どもに責任は無いし、子どもの将来を考えた教育内容にすべきなのは確かだ。さて、朝鮮学校の教育内容は、在日朝鮮・韓国人の子弟に必要なものであろうか?

4. 他の私立外国人学校は帰国後のための教育機関

ここで朝鮮学校の特異性を明らかにするために、他の私立外国人学校を考えてみよう。

インターナショナルスクールは国際バカロレア資格を持ち、主に英語圏から日本に滞在している子弟の教育機関だ。大阪中華学校は、華僑・華人のための教育機関となっている。後者は文部省検定教科書を主に使用しており、中国語も教える学校に過ぎないようだが。なお、韓国学校は、日本の学校教育法に従う教育内容になっており、外国人学校ではない。

他の私立外国人学校は、外国人の子弟が帰国後に困らないように、“自分の国の歴史や言葉”を教育をしているわけだ。

5. 在日朝鮮・韓国人は日本の歴史や言葉を学ぶべき

大半の在日朝鮮・韓国人の帰国先は、日本だ。彼らは太平洋戦争末期から戦後の混乱期に日本に渡ってきて、歴史的事情で帰る先が無くなった。特に在日朝鮮人は、朝鮮半島に帰るとしても、金体制が崩壊した後になるであろう。体制国家で困窮した生活を送りたいとは思わないはずだ。

在日朝鮮・韓国人には、日本で迫害・差別を受けてきた歴史があるものの、だからと言って朝鮮半島に帰る事もできないはずだ。日本にいるしかないのであるから、日本の歴史や日本の言葉を学ぶべきだ。

6. 朝鮮学校は大人が民族的プライドを満たすための存在

社会学者の金明秀氏の言説によれば、朝鮮学校での民族教育が、民族的劣等感の解消につながるそうだ(関連記事:ある計量社会学者が他人を罵倒する理由)。しかし、嘘と虚像で塗り固めた“偉大な金日成主席”やメタボ体型の“金正日”が民族的劣等感を解消するのか疑問だ。また、気に入らない事があると「バカ」「レイシスト」「愚か者」を連発する社会学者が同胞だと認識することが、在日朝鮮・韓国人の民族的劣等感の解消になるとも思えない。

朝鮮学校が在日朝鮮・韓国人の子弟の役に立つとは思えない。だから、朝鮮学校は子ども達のためにあるわけではない。むしろ在日朝鮮・韓国人の大人たちの民族的プライドや望郷感情を満たすための学校であって、その教育内容は子どもへの欺瞞に満ちている。

4 コメント:

a さんのコメント...

民族教育が有用かどうかを、他民族がそう簡単に評価していいものですか。

嘘と虚像で塗り固めた“偉大な金日成主席”とありますが、日本の皇室の万世一系なども嘘と虚像にしか見えないし、イスラム圏の女性のブルカも欺瞞的に思えますが、それらを「役に立つと思えない」「子供たちのためにならない」といって否定していいのですか。
他の文化圏の人にとっては意味不明だったり、馬鹿馬鹿しく見える風習や文化が、その民族にとっては大切な意味を持つということもありえるのです。

もちろん北朝鮮の独裁体制を批判するなり、イスラム文化圏の非人道的な行為など人権問題を批判するのは別に構わないですが、国が特定の民族教育にのみ補助金を出さないなどの行為は許されません。

民族学校には韓国系も、中国系などもありますが、そもそも公立学校で民族教育を学ぶ機会が無いから、そういう民族学校に通うわけです。

uncorrelated さんのコメント...

>> a さん
在日朝鮮・韓国人の子弟は日本社会で生きていくわけですから、それに有用な教育を行うべきだと言う主張です。
韓国学校は一条高ですから、そのための教育*も*行われていると思います。またインターナショナル・スクールは、将来、日本以外で生活していくことが前提ですから問題ないかと。

ひろっぺ さんのコメント...

あの~とりあえず、日本の公立学校に通って貰えば良いだけですよね
日本の公立学校ならば 外国人も通えますよ。
日本の公立学校で外国人を拒んでいるところありましたっけ?
祖国の学校に通いたいなら帰ればよいではないですか
何故 日本がそのためにお金を支援しないといけないのか?納得できる理由が欲しいですね

uncorrelated さんのコメント...

>>ひろっぺ さん
日本人子弟が国外の学校などへ通うと、言葉が通じないので成績評価がつきませんし、勉強になりません。外国人子弟が日本の学校に通うのも同様です。

永住するなら頑張って現地の言葉や文化を覚えるしかないのですが、最終的に帰国するケースなどでは、日本人学校(外国人学校)に通う方が良いでしょう。

外国人居住者に便宜を図ることは貿易や直接投資の振興になるので、東京都や大阪府が外国人学校を支援するように、オーストラリア政府なども日本人学校を支援しています。

問題は在日朝鮮・韓国人の子弟が、どこへ帰るかですね。

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