以前のエントリーでデイヴィッド・セイン氏の「英語ライティングルールブック」を紹介したが、「ネイティヴチェックで鍛える ビジネス英文ライティング」も内容をチェックしたので紹介したい。
まず本書の構成だが、「第1章 Eメール時代のビジネス文書の書き方」「第2章 基本編」「第3章 実践編」の三章立てとなっている。第1章は心構え的な内容で、分量も少ない。第2章、第3章が本書の主なコンテンツと言う事になる。
1. 添削形式の英文法解説本
第2章は手紙やEメールで良くある言い回しに関して、添削がされた例文と、その他の表現が示されている。一例を引用しよう。著者が欧米人らしく、13番目の例文は「悪い知らせを伝える」例になっている。
左のページがこれの取り消し線や追記の理由が説明されており、右のページに同種の表現が5つあげられている。丸暗記すれば、英語で「悪い知らせを伝える」マスターになれると言う算段だ。このような調子で38例文が説明されている。
添削は文法間違え等にも触れられているが、日本人には分かりづらい微妙なニュアンスについても多い。上の例では、"I'm afraid to tell you"だと「伝えるのが恐ろしい」と言うニュアンスになってしまい、また、"be able to"を入れないと「何がなんでも更新しない」と言う印象を与えてしまうようだ。これらはきっと、相手を怒らしてしまう事であろう。もちろん、私はそうしてしまう自信がある。
第3章は一文ではなく、見開きの左のページが短い文章、右のページが解説になっており、56種類の例文が説明されている。日本語でも言い回しに悩むような、値引きの拒否や、解雇の通達をするケースが56例、説明されている。訃報の例文も紹介されているので、社長や部長の不幸に備えられる。
2. 英作文能力の向上と、例文集として役立つ
添削形式で説明がされているので、「英語ライティングルールブック」を読んだ後に、実践力を向上させるために読むのが適当だと思う。また、94種類の例文が実践的でもあるので、読んだ後に飾っておくのも悪く無さそうだ。中古本を入手したのだが、積み本になっていたのか、本の背が変形していた。
3. 神経質な人に勧めたい
交渉事などで例文通りのシチュエーションがあるとも思えないが、何事も何も知らないと途方に暮れてしまうもの。書いた英語の意味が通じるのか、そして相手を怒らせたりしないかは、日本人には中々分かりづらい。最後は腹をくくって送るしかないが、混乱を引き起こして辛い思いをした事がある人は私だけではないはずだ。英語メールを仕事で使う人は、この本でトレーニングをしておくと、少しは心の安らぎを得られるかも知れない。
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