2011年10月16日日曜日

反カダフィ派は携帯電話網をハイジャックしていた

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既にカダフィ大佐が権力の座に無いリビアだが、リビアの反カダフィ派勢力は、携帯電話網をハイジャックして軍事利用をしているとWSJが報じている。

WSJによると、リビアの携帯電話網は全て首都トリポリ経由で電話がつながり、カダフィ政権が盗聴を行っている可能性がある事と、そもそもカダフィが電話網とインターネット網を切断したため、反カダフィ派は緑の進めの旗と、黄色の撤退の旗で通信を行っていた。そこで、反カダフィ派についたエンジニアと周辺国の資金・技術援助などでネットワークを組み換えて、トリポリにある電話番号データベースをコピーする事で携帯電話網を乗っ取っる事にしたらしい。

リビアの通信ネットワーク機材は、元々は中国企業から輸入したものであったが、中国企業が反カダフィ派への販売を拒否したため他社製品をつなぐなどの苦労もあったそうだ。なお、発電所などの電力網が破壊されたら携帯電話も使えなくなるはずだが、米英仏を中心とする多国籍軍が制空権を抑えたため、カダフィ派は反カダフィ派の携帯電話ネットワークの整備を妨害できなかったのだと思われる。

まだ国際電話などは利用制限があるようだが、4月2日に開通した新ネットワークには"Free Libyana"と命名されている。軍事利用目的で携帯電話を使うとは随分のどかな感じもするが、資金と装備に劣る反政府戦力としては、ある物を何とか使う姿勢が必要だと言う事であろう。

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